猟銃の譲渡手続きを完全解説|個人間譲渡・相続時の50日ルール

猟銃の譲渡手続きを完全解説|個人間譲渡・相続時の50日ルール 未分類

最終更新: 2026-09-11

猟銃の所持者が亡くなった場合、相続人は原則として死亡から50日以内に手続きを済ませなければ銃刀法違反になります。この「50日ルール」を知らないまま放置してしまい、慌てて警察署に駆け込む遺族が後を絶ちません。「先輩ハンターから銃を譲ってもらう約束をしたが、何から始めればいいのか分からない」「親が亡くなり猟銃が残されたが、どう対応すればいいのか」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。この記事では、猟銃の個人間譲渡の手続きと必要書類、相続が発生した場合の対応、銃砲店を介した譲渡との違いまでを順番に解説します。まず譲渡の全体像と必要なものを押さえ、次にステップごとの手順を確認し、最後に相続時の注意点と失敗しないためのコツをお伝えします。

猟銃の譲渡手続きの全体像:始める前に知っておくこと

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猟銃は銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)で厳格に管理されており、所有者が変わる「譲渡」は、単なる引き渡しでは完結しません。譲渡人(渡す側)と譲受人(受け取る側)の双方が、それぞれ所定の手続きを踏む必要があります。

項目 目安
所要期間 譲受人が所持許可を新規に取得する場合は1〜3か月程度
費用 所持許可申請の手数料(10,500円程度)、診断書代等
難易度 ★★☆(書類準備は煩雑だが手順自体は明確)
必要なもの 譲渡等承諾書、所持許可申請書一式、譲受人の各種証明書類

もっとも重要な前提は、譲受人がすでに猟銃の所持許可(別の銃の所持許可)を持っているか、これから新規に取得するかで手続きの重さが変わる点です。すでに他の猟銃を所持している場合でも、譲り受ける銃を追加で所持するには、その銃について改めて所持許可を申請する必要があります。所持許可全体の流れは「猟銃の所持許可を取る流れ」でも解説しているので、初めて銃を持つ人はあわせて確認してください。

猟銃の譲渡手続き【ステップ解説】

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Step 1: 譲渡人が「譲渡等承諾書」を作成する

譲渡する側(譲渡人)は、譲り受ける側(譲受人)に対して「譲渡等承諾書」を作成します。この書類には、譲渡する猟銃の種類・型式・製造番号、譲渡人の氏名・所持許可証番号などを記載し、押印するのが一般的な形式です。譲渡等承諾書は譲受人が所持許可を申請する際の必須書類となるため、先に譲渡人が作成し、譲受人に渡す流れになります。

Step 2: 譲受人が所持許可の申請書類を準備する

譲受人は、譲渡等承諾書に加えて、所持許可申請に必要な一連の書類を準備します。

必要書類 内容
銃砲所持許可申請書 警察署の窓口で入手
譲渡等承諾書 譲渡人が作成したもの
誓約書 銃刀法を遵守する旨の誓約
経歴書 過去10年分の住所歴・職歴
医師の診断書 発行から3か月以内のもの
同居親族書 同居家族の氏名・続柄等
身分証明書 本籍地の市区町村役場で取得(欠格事由の有無を証明)
住民票の写し 本籍地記載、マイナンバー記載なし
講習修了証明書等 初心者講習・技能講習等の修了証明(未所持の場合は新規取得が必要)

出典: 各都道府県警察の申請案内をもとに編集部作成(2026年9月時点)

すでに猟銃を所持しており、初心者講習や技能講習の修了証明書が有効期限内であれば、これらを流用できる場合があります。一方、猟銃を初めて所持する人が譲渡を受けるケースでは、初心者講習の受講から始める必要があり、通常の新規取得とほぼ同じ手順を踏むことになります。

Step 3: 住所地を管轄する警察署に申請する

必要書類がそろったら、譲受人の住所地を管轄する警察署の生活安全課に申請します。申請後は警察による身辺調査が行われ、同居家族や勤務先への聞き取りが実施されることもあります。審査には一定の期間を要するため、余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。

Step 4: 許可証の交付を受け、銃を受け取る

審査が通れば「銃砲所持許可証」が交付されます。許可証の交付後、譲渡人から実際に銃を受け取り、譲渡が完了します。銃砲店を介した取引と異なり、個人間譲渡では受け渡しのタイミングを当事者同士で調整する必要があるため、許可証が交付されるまでは絶対に銃を受け渡さないよう注意してください。許可を得る前の受け渡しは銃刀法違反に問われます。

失敗しないためのコツ・注意点

個人間譲渡は、銃砲店を介した購入に比べてトラブルが起きやすい面もあります。よくある失敗パターンと対策を整理しました。

よくある失敗 原因 対策
許可が下りる前に銃を受け渡してしまう 手続きの流れを誤解している 許可証交付まで銃は譲渡人が保管し続ける
譲渡等承諾書の記載内容に不備がある 製造番号や型式の記載ミス 銃本体の刻印を確認しながら正確に記載する
講習修了証明書の有効期限が切れている スケジュール管理の甘さ 申請前に有効期限を確認し、必要なら早めに再受講する
実包の在庫を一緒に受け取ってしまう 実包は銃本体と別の許可が必要と知らない 実包の譲渡には別途、火薬類譲受許可等の手続きが必要になる場合がある点に注意する

特に注意したいのが、譲渡人・譲受人のどちらも「知り合いだから」と手続きを省略しがちな点です。個人間の信頼関係があっても、銃刀法上の手続きを飛ばすことはできません。トラブルを避けるためにも、双方が書類の作成時点から警察署や銃砲店に相談しながら進めるのが安全です。

銃砲店を介した譲渡という選択肢

個人間で直接やり取りするのが不安な場合、銃砲店に一度銃を預け(下取り・委託扱い)、銃砲店経由で新しい所有者に販売してもらう方法もあります。この場合、譲渡人は銃砲店から売却代金を受け取り、譲受人は通常の新品・中古銃の購入と同じ流れで所持許可を申請することになります。

比較項目 個人間譲渡 銃砲店を介した譲渡
手続きの主体 譲渡人・譲受人本人同士 銃砲店が仲介
書類作成のサポート 基本的に自分たちで対応 銃砲店が譲渡等承諾書の作成を代行してくれることが多い
手数料 発生しない 仲介手数料が発生する場合がある(目安1〜1.5万円程度)
トラブルの起きやすさ 当事者間の認識違いに注意が必要 銃砲店が間に入るため比較的安心

信頼できる銃砲店選びのポイントは「銃砲店の選び方7つの基準」で詳しく解説しているので、譲渡を仲介してもらう店舗選びの参考にしてください。

譲渡パターン別の対応早見表

猟銃の譲渡は「誰から誰へ」「なぜ譲渡するのか」によって、注意すべきポイントが変わります。代表的なパターンを整理しました。

パターン 想定シーン 特に注意すべき点
現役猟師間の譲渡 先輩ハンターが銃を買い替える際に後輩に譲る 譲渡等承諾書の記載内容(製造番号・型式)を正確に確認する
猟友会・射撃仲間からの譲渡 引退する会員から後継者へ引き継ぐ 講習修了証明書の有効期限を事前に確認しておく
相続による譲渡 所持者が死亡し、家族が引き継ぐ 死亡から50日以内という期限を最優先で意識する
廃業する銃砲店からの引き取り 閉店セール等での購入 通常の新規購入と同じ流れになるため、譲渡等承諾書は銃砲店が発行する

いずれのパターンでも共通するのは、「許可が下りるまでは銃を受け渡さない」という原則です。相手との関係性が近いほど手続きを省略したくなりますが、銃刀法上のルールに例外はありません。

実包(弾)の譲渡についての注意点

猟銃本体の譲渡とあわせて見落とされがちなのが、実包(弾)の取り扱いです。実包は火薬類取締法の管理対象でもあり、銃本体とは別の考え方で扱う必要があります。

譲渡人が保管していた未使用の実包を譲受人にそのまま渡すことは、原則として想定されていません。実包を新たに入手する場合は、譲受人自身が猟銃用火薬類等譲受許可を警察署に申請し、許可の範囲内で銃砲店から購入するのが基本の流れです。射撃教習を控えている人向けの実包購入の流れは「射撃教習の内容と費用」でも触れているので、あわせて確認しておくとよいでしょう。

譲渡人の手元に余った実包がある場合は、自己判断で処分せず、必ず警察署か銃砲店に相談してください。実包の不適切な処分や保管は、銃本体以上に重大な法令違反につながるおそれがあります。

猟銃所持者が死亡した場合の相続時の手続き

猟銃の譲渡でもっとも見落とされがちなのが、所持者が亡くなった際に発生する相続の手続きです。所持許可はあくまで個人に対して交付されるものであり、相続によって自動的に権利が引き継がれることはありません。

もっとも重要な注意点は、相続人は所持者の死亡から50日以内に対応を決めなければならないという期限です。50日を過ぎると許可が失効し、それ以降も銃を所持し続けていると銃刀法違反に問われる可能性があります。相続人が取り得る選択肢は主に3つです。

選択肢 内容
自分で所持許可を新規取得する 50日以内に自ら初心者講習等の手続きを進め、新規の所持許可を申請する
他の猟銃所持者に譲渡する 譲渡等承諾書を作成し、譲受人が所持許可を申請する(本記事のステップと同様)
警察署に廃棄を依頼する 所持を希望しない場合、警察署に相談し廃棄処分を依頼する

出典: 警察庁・各都道府県警察の案内および遺品整理事業者の解説記事をもとに編集部作成(2026年9月時点)

> 実際に父親が所持していた猟銃を相続したという読者の声によると、「葬儀や相続手続きに追われて銃のことをすっかり忘れかけていたが、猟友会の知人に指摘されて慌てて警察署に相談した」というケースがあったそうです。編集部が複数の遺品整理事業者の事例を確認したところ、相続の発生に気づいてから50日という期間は決して長くなく、早めに管轄の警察署の生活安全課へ相談することが何より重要だという声が共通していました。

50日以内に結論を出すのが難しい場合でも、まずは警察署に相談することで、猶予や具体的な手続きの案内を受けられることがあります。放置だけは絶対に避けるべき対応です。

よくある質問

Q1. 猟銃の個人間譲渡に費用はかかりますか?

譲渡そのものに手数料はかかりませんが、譲受人が所持許可を新規に申請する場合は申請手数料(10,500円程度)や診断書代などがかかります。銃砲店を介する場合は別途仲介手数料が発生することがあります。

Q2. 譲渡等承諾書はどこで入手できますか?

決まった様式はありますが、警察署の窓口や各都道府県警察のウェブサイトからダウンロードできる場合が多いです。記載内容に不安がある場合は、事前に警察署や銃砲店に相談すると安心です。

Q3. 譲渡が完了する前に銃を受け取ってもいいですか?

いいえ。譲受人の所持許可が正式に交付されるまでは、銃を受け渡すことはできません。許可前の受け渡しは銃刀法違反となるため、必ず許可証の交付を待ってから受け渡しを行ってください。

Q4. 相続した猟銃を所持するつもりがない場合はどうすればいいですか?

所持を希望しない場合は、警察署に相談のうえ廃棄を依頼するか、他の猟銃所持者への譲渡を検討します。いずれの場合も、死亡から50日以内に対応の方向性を決めることが重要です。

Q5. 実包(弾)も一緒に譲り受けることはできますか?

実包の譲渡には銃本体とは別の手続きが必要になる場合があります。火薬類の管理は銃刀法とは別の法令(火薬類取締法)にも関わるため、実包の取り扱いについては事前に警察署に確認しておくことをおすすめします。

Q6. 譲渡人が遠方に住んでいる場合、手続きはどうなりますか?

譲渡等承諾書は郵送でやり取りすることも可能です。ただし、銃本体の受け渡しは対面で行う必要があるため、許可証が交付されたタイミングで直接受け渡す機会を調整する必要があります。

まとめ:猟銃の譲渡手続きのポイント

猟銃の譲渡手続きの要点を整理します。

  • 個人間譲渡では、譲渡人が作成する「譲渡等承諾書」が譲受人の所持許可申請に必須
  • 譲受人はすでに所持許可を持っているかどうかで、必要な手続きの重さが変わる
  • 所持許可証が交付されるまで、銃の受け渡しは絶対に行ってはいけない
  • 猟銃所持者が死亡した場合、相続人は死亡から50日以内に対応を決める必要がある
  • 個人間でのやり取りに不安がある場合は、銃砲店を介した譲渡という選択肢もある

猟銃の譲渡を検討している方は、まず譲渡等承諾書の準備から始め、早めに管轄の警察署へ相談することをおすすめします。相続で猟銃を引き継ぐ立場になった方は、50日という期限を意識して、放置せずに早期に行動を起こしましょう。

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参考情報

  • 警視庁「猟銃・空気銃の所持許可申請」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/firearms/application/owner.html
  • note「【狩猟免許】銃猟デビューへの道#27【猟銃の個人間譲渡】」 https://note.com/inaka_consult/n/nc393c15af88c
  • みんなの遺品整理「猟銃を処分する方法|故人の銃をいつまでに処分する必要があるか」 https://m-ihinseiri.jp/article-1/fuyouhin/gun/



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