最終更新: 2026-09-18
ジビエというとシカ・イノシシを思い浮かべる人が多いが、うさぎ肉も日本で古くから食べられてきた狩猟肉の一つだ。北東北や北海道を中心に、今も一部の猟師によって捕獲・利用されている。この記事では、ジビエとしてのうさぎ肉の基本情報、栄養成分、味の特徴、狩猟対象としての位置づけ、入手方法までを解説する。
ジビエのうさぎ肉とは?基本をわかりやすく解説

日本で狩猟の対象となるうさぎは、野山に生息するノウサギ(日本産)である。ペットとして飼育されるアナウサギとは種が異なり、野生下で暮らす分、脂肪が少なく引き締まった肉質になるのが特徴だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象種 | ノウサギ(ユキウサギを含む) |
| 主な生息・捕獲地域 | 北海道、東北地方を中心とした山間部 |
| 狩猟区分 | 鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣(獣類)の一種 |
| 猟期の目安 | 11月15日〜翌2月15日(地域により異なる) |
| 食文化としての歴史 | 縄文時代の遺跡からも食用の痕跡が確認されている |
東京都環境局が公開している狩猟鳥獣一覧でも、ノウサギ・ユキウサギは狩猟対象の獣類として明記されている。狩猟免許(わな猟または銃猟)と狩猟者登録を持つ猟師が、法定の猟期内に捕獲する対象の一つだ。実際の捕獲手順は、わな猟であれば「猟師から罠師になるには」で解説している技術がそのまま応用できる。
うさぎ肉の栄養成分
文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)には、うさぎ肉(赤肉・生、食品番号11003)のデータが収載されている。
| 栄養素(100gあたり) | うさぎ肉(赤肉・生) | 特徴 |
|---|---|---|
| エネルギー | 131kcal | 鶏むね肉(皮なし)に近い低カロリー |
| たんぱく質 | 20.5g | 牛・豚・鶏に匹敵する高たんぱく |
| 脂質 | 6.3g | 牛もも肉(脂身つき)より低脂質 |
| 鉄 | 1.3mg | 鶏肉よりやや多い |
| ビタミンB12 | 5.6μg | 神経機能の維持に関わる栄養素 |
シカ肉やイノシシ肉と同様、うさぎ肉も高たんぱく・低脂質という特徴を持つ食材であることが、公的データからも裏付けられる。
味の特徴と調理法
うさぎ肉は、味わいは鶏肉に近い淡白さを持ちながら、野生動物らしいわずかな野性味も感じられるのが特徴とされる。脂肪分が少なく身が締まっているため、長時間の煮込み料理で柔らかく仕上げる調理法が古くから用いられてきた。フランス料理では「ラパン(lapin)」として煮込みやパテなどに使われる定番食材でもある。
ほかの野生鳥獣肉と同様、うさぎ肉も寄生虫・病原体のリスクを完全には否定できない。中心温度75℃・1分以上を目安にしっかり加熱することが食の安全上の大原則で、この点は「ジビエの寄生虫リスクとは」で解説している内容と同じだ。
なぜ流通量が少ないのか
農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、ジビエ食肉処理施設に搬入された野生鳥獣の総重量7,072トンのうち、シカが79.3%、イノシシが20.7%を占め、この2種で搬入量のほぼ全体をカバーしている。うさぎは統計上の個別区分すら設けられていないほど流通量が少なく、シカ・イノシシ中心の食肉処理施設のルートに乗りにくい動物であることがうかがえる。捕獲する猟師自体も北東北・北海道の一部地域に限られており、都市部での一般流通はほとんど期待できないのが実情だ。
入手方法の目安
うさぎ肉は一般のスーパーではほぼ流通しておらず、入手ルートは限られる。
| 入手方法 | 特徴 |
|---|---|
| ジビエ専門通販・専門店 | 取り扱う業者は一部に限られる。在庫確認が必須 |
| 産地直送の専門店 | 信州・東北など、伝統的にうさぎ猟が行われてきた地域の専門店 |
| 猟師・猟友会からの直接入手 | 捕獲地域とのつながりが前提になる |
ジビエ全般の通販ルートについては「ジビエ通販おすすめランキング」も参考にしてほしい。
よくある質問
Q1. うさぎ肉とアナウサギ(ペット用うさぎ)は同じですか?
異なる。ジビエとして扱われるのは野生のノウサギ・ユキウサギであり、ペットとして飼育されるアナウサギとは種が異なる。
Q2. うさぎ肉は生食できますか?
できない。ほかの野生鳥獣肉と同様、寄生虫や病原体のリスクがあるため、中心温度75℃・1分以上の加熱が必要とされている。
Q3. うさぎ肉はどの地域で食べられていますか?
北東北や北海道など、伝統的にうさぎ猟が行われてきた地域の郷土料理として残っている。都市部の飲食店では取り扱いが限られる。
まとめ:うさぎ肉は北の郷土に伝わる伝統ジビエ
- うさぎ肉の対象は野生のノウサギ・ユキウサギで、ペット用アナウサギとは別種
- 鳥獣保護管理法上の狩猟鳥獣に指定され、北東北・北海道を中心に猟期内で捕獲されている
- 文科省の食品成分表では100gあたり131kcal・たんぱく質20.5gと、高たんぱく低脂質な数値が確認できる
- シカ・イノシシに比べて流通量が少なく、専門通販や産地直送が主な入手ルート
狩猟・ジビエ業界全体の統計データは狩猟・ジビエ業界の統計まとめページで確認できる。
この記事は猟人編集部が執筆しました。猟人 -KARIUDO- は狩猟・ジビエ業界に特化した専門メディアです。
参考情報
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年」食品番号11003(うさぎ/肉/赤肉/生) https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=11_11003_7(確認日: 2026-09-18)
- 東京都環境局「狩猟鳥獣の種類等について」 https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/birds/hunting_kind(確認日: 2026-09-18)
- 環境省「狩猟制度の概要」 https://www.env.go.jp/nature/choju/hunt/hunt2.html(確認日: 2026-09-18)
- 農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度) — e-Stat(政府統計の総合窓口 https://www.e-stat.go.jp/) 統計表ID: 0002119971(確認日: 2026-09-18)

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