最終更新: 2026-10-10
長野県の狩猟者は10年で2,300人減り、60歳以上が半数を占めるといわれます。この担い手不足のなかで、東御市では女性を対象にしたわな猟講習会が月1回のペースで開かれ、20〜40代の女性が参加しています。この記事では、NBS長野放送が2026年9月に報じた取材をもとに、実際に講習会へ参加した女性猟師3人の状況と、育成の現場で何が行われているかを整理します。
長野県の狩猟者数はどれくらい減っているか

報道によると、長野県の狩猟者登録者数はこの10年で約2,300人減少し、現在は60歳以上が全体の半数を占めるといいます。高齢化と担い手不足は全国的な課題ですが、長野県も例外ではないことがこの数字から読み取れます。
狩猟者の高齢化・担い手不足という構造的な課題全体については「クマ対応の狩猟者が20年で6割に減少|福井の事例と広域連携策」でも取り上げています。長野県の事例は、この課題に対して「わな猟講習会」という形で現場レベルの対策が進んでいることを示しています。
東御市のわな猟講習会:何が行われているか

講習会は長野県東御市で、地元の猟師・福島俊治さん(47)が月1回のペースで企画・開催しています。福島さんはジビエ料理店を経営する傍ら、くくりわなの設置技術を中心に若手猟師の育成に力を入れています。
2026年9月6日に開かれた回には、次の3人の女性が参加しました。
| 参加者 | 年齢・居住地 | 状況 |
|---|---|---|
| 小山裕紀子さん | 26歳・東御市 | 最年少参加者。わな猟免許取得を目指して9月の試験を受験予定 |
| 野上珠美さん | 47歳・東御市 | わな猟免許取得済み |
| 矢代千波瑠さん | 42歳・東御市 | わな猟免許取得済み |
最年少の小山さんは「自給力の高い生活をしたい」という思いから長野に移住し、狩猟を志したと報じられています。「食」や「自給自足」への関心を入り口に狩猟へ関心を持つ女性が増えている傾向は、全国的な女性猟師の増加理由とも重なります。女性猟師全体の増加背景については「女性猟師が増えている理由」で統計データとともに解説しています。
なぜ「くくりわな」の技術講習なのか

講習会で扱われているのは「くくりわな」の設置技術です。くくりわなは散弾銃や空気銃を使う銃猟と比べて体力面のハードルが低く、わな猟免許は18歳から取得できることもあり、女性や新規参入者にとって狩猟の入口になりやすい猟法とされています。くくりわなの具体的な設置方法は「くくり罠の設置方法」で詳しく解説しています。
月1回という継続的な開催頻度も特徴です。免許取得後に実践の場がなく技術が身につかないまま離脱してしまう「ペーパーハンター化」を防ぐには、取得前後を通じた継続的な実地講習が欠かせません。福島さんのように現役猟師が自ら若手育成の場を企画する動きは、自治体主導の講習だけでは埋めきれない「免許取得後の実践機会」を補う役割を果たしているといえます。
まとめ:地域の現場が担い手不足を補う
- 長野県の狩猟者登録者数は10年で約2,300人減少し、60歳以上が半数を占める
- 東御市では猟師・福島俊治さんが月1回のわな猟講習会を企画し、2026年9月6日の回には20〜40代の女性3人が参加
- 参加者の1人・小山裕紀子さん(26)は「自給力の高い生活」を求めて長野に移住し、わな猟免許取得を目指している
- 講習ではくくりわなの設置技術を扱っており、体力面のハードルの低さが女性・新規参入者の入口になっている
- 自治体の講習だけでなく、現役猟師による継続的な実地講習が担い手不足を補う現場の工夫になっている
全国的な女性猟師の増加傾向や始め方については「女性猟師が増えている理由」もあわせてご覧ください。
参考情報
- NBS長野放送「『命が消える瞬間は考えた』女性3人が猟師の世界に 10年で2300人減、60歳以上が半数…『消滅しては困る』」(Yahoo!ニュース配信、2026年9月21日)


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