北海道初の緊急銃猟から1年|出没減少で始まった次世代育成

北海道初の緊急銃猟から1年|出没減少で始まった次世代育成 猟師の暮らし

最終更新: 2026-10-27

2025年10月、札幌市西区で北海道初の「緊急銃猟」が実施されてから1年が経ちました。発砲したベテランハンターは今、ヒグマの出没が落ち着いているこの状況を「次世代のハンターを育てるチャンス」と捉えています。1年前の現場の重圧については別記事で詳しく取り上げましたが、この記事では「1年後に何が変わったか」を最新報道から整理します。

振り返り:北海道初の緊急銃猟とは

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2025年10月、札幌市西区西野の公園周辺で子グマ2頭が連日出没し、北海道で初めて緊急銃猟制度が使われました。発砲したのは北海道猟友会札幌支部理事でヒグマ防除隊隊長の玉木康雄さん(64)。発砲時の重圧や、地域住民の協力が成立条件だったことなど、現場で起きていたことの詳細は「「もう撃ちたくない一発」緊急銃猟の現場でハンターが抱える重圧」で解説しています。

1年で出没数はどう変わったか

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2026年10月26日の報道によると、札幌市のヒグマ出没・目撃件数は大きく減少しています。

年度 出没・目撃件数 備考
2025年度 363件 過去10年で最多
2026年度 62件(10月25日時点) 前年度から大幅に減少

2025年度には19頭を駆除しており、前年の集中的な対応が今年の落ち着いた状況につながっているとみられます。

玉木さんが語る「次世代育成」という視点

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玉木さんは、今年の緊急銃猟の現場でも最大射程距離が前日の倍にあたる難易度の高い状況で発砲を求められたといいます。その一方で、出没が落ち着いている今の状況について、次のように語っています。

> 積み重ねだと思う。去年あれだけの捕獲ができたことが今年の落ち着いた状況につながっている。次世代のハンターを育てていく、神様から与えられたチャンスじゃないか

この発言は、出没数の減少を「対応が楽になった」とだけ捉えるのではなく、「次の担い手を育てる時間ができた」という前向きな機会として位置づけている点が特徴的です。緊急銃猟の現場は玉木さんのようなベテランの経験に依存している部分が大きく、担い手の高齢化・継承は業界共通の課題です。クマ対応の担い手不足については「クマ対応の狩猟者が20年で6割に減少|福井の事例と広域連携策」でも取り上げています。

なぜ「出没が減った今」が育成のタイミングなのか

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緊急銃猟は市街地での発砲を伴うため、現場での失敗が許されない重圧の大きい任務です。出没が頻発している最中に未経験のハンターを現場に投入することは難易度が高く、実際の現場は経験者が担うことが多くなります。出没が落ち着いている今の時期は、実地の緊張感を保ちながらも、若手が同行・観察し、技術や判断の基準を引き継ぐ時間的な余裕が生まれやすいタイミングといえます。玉木さんの発言にある「チャンス」という表現には、こうした育成環境の変化が背景にあるとみられます。

10年先・20年先の札幌をどう見据えるか

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報道の見出しにもある「10年先・20年先の札幌」という視点は、目先の出没対応だけでなく、持続可能な野生動物管理体制をどう維持するかという長期的な課題を示しています。緊急銃猟の制度自体は2025年9月に施行されたばかりで、まだ運用のノウハウが蓄積され始めた段階です。担い手の高齢化が進む中、玉木さんのような経験者がどれだけ早く・広く次世代に技術と判断基準を継承できるかが、今後の札幌の対応力を左右することになります。

まとめ:北海道初の緊急銃猟から1年で見えてきたこと

  • 2025年10月の北海道初の緊急銃猟から1年、札幌市のヒグマ出没・目撃件数は363件(2025年度)から62件(2026年度10月25日時点)に減少した
  • 発砲したベテランハンター・玉木康雄さんは、出没が落ち着いている今を「次世代のハンターを育てるチャンス」と位置づけている
  • 緊急銃猟の現場は経験者への依存度が高く、出没が落ち着いている時期こそ技術継承の機会になりうる
  • 10年先・20年先を見据えた持続可能な体制づくりには、担い手育成のスピードが課題として残る

次世代ハンターの育成に関心がある方は、「ハンター塾とは?免許取得後の実践デビューを支える仕組み」もあわせてご覧ください。狩猟・ジビエ業界の統計データは狩猟・ジビエ業界データまとめで定期更新しています。

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