中津G-BASEとは|国内最大級のジビエ処理拠点が稼働

中津G-BASEとは|国内最大級のジビエ処理拠点が稼働 猟師の暮らし

最終更新: 2026-10-16

大分県宇佐市でジビエ処理を手がける有限会社サンセイが、中津市の下郷農業協同組合から食鳥処理場を買収し、ジビエ専用処理施設「中津G-BASE」として大規模リノベーションのうえ稼働を始めた。既存の「宇佐ジビエファクトリー」と合わせた年間処理頭数は約5,500頭となる見通しで、1施設当たりの処理規模としては国内最大級とされている。

猟師にとって処理施設の存在は、捕獲した個体を実際にジビエとして流通させられるかどうかを左右する重要な要素だ。本記事では、中津G-BASEの概要と、なぜ処理能力の拡大が業界にとって意味を持つのかを整理する。

中津G-BASEの概要

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アットプレス・JAcom(日本農業新聞)の報道によると、経緯と施設の概要は次の通りだ。

項目 内容
運営会社 有限会社サンセイ(大分県宇佐市、代表者:取締役 山末成司、設立2000年7月)
経緯 中津市の下郷農業協同組合から食鳥処理場を買収
施設名 中津G-BASE
内容 既存設備を活かしつつ、最新のジビエ処理ラインへ大規模リノベーション
稼働時期 2026年夏(7〜8月ごろ)のオープンを計画
処理規模 既存施設の令和7年度実績(シカ・イノシシ年間2,748頭)に中津G-BASEが加わり、グループ全体で年間約5,500頭規模に
既存事業との関係 宇佐市の「宇佐ジビエファクトリー」「日本ジビエアカデミー」(ジビエ処理の研修施設)と連携し、技術者育成の場としても活用予定

サンセイの既存施設だけでも、シカ・イノシシの年間処理頭数2,748頭(令和7年度)は「一施設当たりの処理数として日本トップクラス」と報じられている。中津G-BASEの稼働によって、この規模がさらに拡大する形だ。

なぜ処理能力の拡大が重要なのか

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ジビエと害獣の関係とはでも解説したとおり、捕獲されたシカ・イノシシのうちジビエとして食肉利用されているのは全体の約1割にとどまり、残りの多くは埋設や焼却で処分されている。農林水産省はこの要因として、処理施設までの搬送距離に加えて、処理施設そのものの処理能力の不足を挙げている。

つまり、どれだけ捕獲数が増えても、受け入れる処理施設の能力が追いつかなければジビエとして活用できる量は増えない。中津G-BASEのように既存の食鳥処理場を買収・転用して処理能力を拡大する動きは、この「受け皿不足」という構造的な課題に対する業界側の具体的な対応策の一つといえる。

農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、ジビエ処理施設1施設当たりの年間処理金額は全国平均で701万円。中津G-BASEのように複数施設を合わせて年間5,500頭規模を処理する体制は、この全国平均を大きく上回る規模で運営されていることになる。

技術者育成の場としての機能

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もう一つの特徴は、中津G-BASEが宇佐市の「日本ジビエアカデミー」と連携し、次世代の処理技術者を育てる場としても位置づけられている点だ。ジビエ処理施設の仕事は、狩猟免許がなくても応募できる求人が多く、未経験から挑戦しやすい分野としてジビエ加工処理施設の仕事ガイドでも紹介している。中津G-BASEのような規模の施設が技術者育成を掲げて稼働することは、こうした求人の受け皿が今後広がる可能性を示すものでもある。

捕獲から処理技術者としてのキャリアに関心がある方は、ジビエハンターの育成講座もあわせて確認してほしい。

まとめ:中津G-BASEが示す業界の動き

  • 有限会社サンセイが大分県中津市の食鳥処理場を買収し、ジビエ専用処理施設「中津G-BASE」として稼働を始めた
  • 既存の宇佐ジビエファクトリーと合わせ、年間処理頭数は約5,500頭規模となる見通しで、国内最大級とされる
  • 捕獲された害獣のジビエ利用率は全国平均で約1割にとどまり、処理施設の能力不足がその一因とされる中、処理能力を拡大する具体的な動きとして位置づけられる
  • 日本ジビエアカデミーと連携し、次世代の処理技術者を育てる場としても活用される見通し

ジビエ利用率の低さという業界全体の課題についてはジビエと害獣の関係とはで詳しく解説している。統計で見る狩猟・ジビエ業界の全体像は「狩猟・ジビエ業界の統計まとめ」でも定期更新中。

参考情報

  • アットプレス「有限会社サンセイ、下郷農協の食鳥処理場を買収 大分県中津市に国内最大級のジビエ拠点『中津G-BASE』誕生へ」 https://www.atpress.ne.jp/news/593304
  • 日本農業新聞(JAcom)「下郷農協の食鳥処理場を買収 大分県中津市で国内最大級のジビエ拠点へ サンセイ」 https://www.jacom.or.jp/articles/Q45ztz4PLLKttRD7XZrST
  • 日本経済新聞「『うまいジビエ増やす』 大分に国内最大の加工拠点、年間5500頭処理」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC045XI0U6A600C2000000/
  • 農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)」(政府統計の総合窓口 e-Stat https://www.e-stat.go.jp/)— 施設当たりの年間処理金額(全国平均701万円)を確認(確認日: 2026年10月16日)


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