ジビエはどこで売れている?販売先データで見る6つの流通チャネル

ジビエはどこで売れている?販売先データで見る6つの流通チャネル 猟師の暮らし

最終更新: 2026-10-20

捕獲したシカ・イノシシを収入源にしたいとき、実際にどの販売先が主流なのかは気になるところだ。農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、全国のジビエ食肉処理施設が販売した数量のうち、最大のチャネルは卸売業者(31.4%)で、僅差で外食産業(27.7%)が続く。猟師個人が参入しやすいインターネット直販はまだ7.7%にとどまるが、イノシシ・シカで割合に差があるなど、動物種ごとの傾向も見えてくる。本記事では、この統計データをもとに6つの販売先チャネルの実態を整理する。

6つの販売先データの全体像

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農林水産省の調査では、ジビエ食肉処理施設が野生鳥獣を販売した数量(重量ベース)を、販売先別に6つのチャネルに分類している。

販売先 構成割合 特徴
卸売業者 31.4% 最大のチャネル。市場や仲卸を経由して流通
外食産業 27.7% レストラン・ジビエ料理店などへの直接供給
消費者への直接販売 13.1% うちインターネット経由が7.7%(直接販売全体の約6割)
小売業者 11.9% スーパー・精肉店など
加工品製造業者 10.9% ソーセージ・ジャーキー等への加工原料
学校給食 1.0% 導入事例は増加中だが数量としては小さい
その他 1.7% 上記に分類されない販売先

卸売業者と外食産業の2チャネルだけで、全体の約6割(59.1%)を占めている。個人が直接消費者に販売する「消費者への直接販売」は13.1%で、学校給食(1.0%)と比べると、すでに一定の規模を持つチャネルであることが分かる。

最大チャネルの卸売業者:なぜ業者経由が主流なのか

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全体の3割強を占める卸売業者経由の流通が主流である背景には、処理施設側の事情がある。捕獲した個体は搬入のタイミングがばらつくため、一定量をまとめて安定的にさばける販路が必要になる。卸売業者を通せば、個々の処理施設が販路開拓や配送網を自前で持たなくても、市場・仲卸のネットワークに乗せて全国の需要先に届けられる。小規模な処理施設ほど、卸売経由の比率が高くなる傾向があると考えられる。

僅差の2位、外食産業:レストラン・ジビエ料理店向け

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外食産業向けの販売は27.7%で、卸売業者に次ぐ規模を持つ。ジビエ料理店やホテル・旅館(宿泊施設2.2%は別集計)が、仕入れルートとして処理施設と直接契約するケースが含まれる。全国各地のジビエ料理店を紹介した記事でも触れているとおり、地域の処理施設と地元のジビエ料理店が連携する「地産地消」型の供給は、外食産業チャネルの一角を支えている。

猟師個人が参入しやすい「消費者への直接販売」とインターネット直販

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猟師個人や小規模事業者が参入しやすいのは、消費者への直接販売(13.1%)、その中でもインターネット経由(7.7%)のチャネルだ。インターネット直販は、消費者への直接販売全体(191,969kg)のうち112,603kg、約58.7%を占めており、直接販売の主役になりつつあることが分かる。

卸売・外食向けの販路は、すでに取引実績のある処理施設や事業者が優先されやすいのに対し、インターネット直販は個人事業者でも自社ECサイトやオンラインモールへの出品から始められる点が参入しやすさにつながっている。具体的な開業方法・必要な許可については「ジビエの6次産業化とは?猟師が「収入源」にする仕組みと成功事例を完全解説」で詳しく解説している。

イノシシとシカで販売先に違いがある理由

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同じ統計データを動物種別に見ると、イノシシとシカで販売先の構成に違いが見られる。

販売先 イノシシ シカ
卸売業者 31.2% 31.1%
外食産業 24.5% 28.8%
消費者への直接販売 18.0% 10.9%
うちインターネット 10.3% 6.6%
小売業者 11.4% 12.4%
加工品製造業者 7.9% 12.5%

卸売業者の割合はほぼ同水準だが、イノシシは消費者への直接販売(18.0%)・インターネット経由(10.3%)がシカより高い。一方でシカは外食産業(28.8%)と加工品製造業者(12.5%)の割合がイノシシより高く、レストラン向けや加工品原料としての流通が相対的に厚い。ぼたん鍋などイノシシ料理を家庭で楽しむ消費者が直接購入するケースが一定数あること、シカ肉は低脂肪で加工品向けの需要が安定していることなどが、この違いの背景として考えられる。

まとめ:卸売・外食が主流だが、ネット直販にも伸びしろ

  • 全国のジビエ販売数量のうち、卸売業者(31.4%)と外食産業(27.7%)で全体の約6割を占める
  • 消費者への直接販売は13.1%、うちインターネット経由が7.7%で、直接販売全体の約6割を占める
  • イノシシはシカより消費者への直接販売・インターネット直販の割合が高く、シカは外食産業・加工品製造業者向けの割合が高い
  • 個人が参入しやすいのはインターネット直販だが、全体に占める割合はまだ小さく、卸売・外食向けの販路が依然として主流である

非食肉の資源化事例は「ジビエレザーとは?駆除された鹿・猪の革を資源化する取り組み」、業界データは「狩猟・ジビエ業界の統計まとめページ」でも定期的に更新している。

参考情報

  • 農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)(確認日: 2026-10-20) https://www.e-stat.go.jp/stat-search?kikan=00500&toukei=00500248&page=1


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