最終更新: 2026-10-31
早稲田大学・東京農工大学・北海道大学には、学生が狩猟やジビエの解体を体験できる「狩り部」と呼ばれるサークルがあります。朝日新聞のウェブメディア「Thinkキャンパス」が2026年10月30日に配信した学生座談会記事(Yahoo!ニュース配信)によると、早稲田大学「狩り部」は部員74人、東京農工大学「狩り部」は部員95人、北海道大学狩猟同好会「カリブ」は部員約60人が所属しています。本記事では、この座談会報道と関連情報をもとに、3大学の狩り部の基本情報と活動内容を整理します(2026年10月時点)。
3大学の「狩り部」基本情報比較

| 大学 | サークル名 | 発足年 | 部員数 | 男女比 |
|---|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 狩り部 | 2017年 | 74人 | 約6対4 |
| 東京農工大学 | 狩り部 | 2006年(学生団体として日本最古とされる) | 95人(うち熱心な活動者約20人) | 約5対4 |
| 北海道大学 | 狩猟同好会「カリブ」 | 2019年 | 約60人 | 約9対1(男子が多数) |
出典: 朝日新聞Thinkキャンパス「早大・農工大・北大に『狩り部』 なぜ学生は狩猟に挑むのか【学生座談会】」(Yahoo!ニュース、2026年10月30日配信)
東京農工大学の狩り部は2006年創部で、学生の狩猟サークルとしては日本最古と言われています。一方で部員数そのものは早稲田大学・東京農工大学がいずれも70〜90人台と大規模で、北海道大学はまだ発足7年ながら60人規模まで拡大しています。
各大学の活動内容

座談会記事によると、早稲田大学「狩り部」は千葉県鴨川市・山梨県丹波山村を活動拠点に、月1〜2回のペースで活動しています。早稲田大学の代表は「わなの見回り、止め刺し、解体のほか、草刈りなど農作業ボランティアもしている」と語っており、対象動物はイノシシ・シカ・キョン・サルなどです。
早稲田大学の狩り部を指導する岩井雪乃准教授(文化構想学部)の講義「狩猟と獣害対策論」に関連する活動レポート(ジビエ情報サイト「ジビエト」掲載)では、部員の具体的な体験が紹介されています。商学部2年の増山真子さんは、わなを仕掛ける作業について「バネ止めを外す工程が繊細で、確実に作動するよう気を遣う」といった趣旨の説明をしています。文化構想学部1年の川邉さんは、わなにかかったシカを初めて目にした驚きや、猟師と一緒に巻き狩りに参加した経験を語り、獣害が農作物だけでなくマイサギソウなど希少な植物にも及んでいることを知ったと述べています。教育学部1年の七里さんは、農家の収入が鳥獣害対策費用とほぼ同じ規模になっている実態を知り、子どもの頃の農業体験が「本当の大変さ」の理解に変わったと語っています。増山さんはまた、幼いイノシシの止め刺しを経験したことで「命の重みが実感に変わった」とし、スーパーの肉の背景にある現実に気づいたと振り返っています。
いずれも早稲田大学の部員に関する記録であり、東京農工大学・北海道大学の部員個人の発言内容は、今回確認できた報道の範囲では明らかになっていません。
なぜ大学に「狩り部」が生まれ、広がっているのか

猟師の高齢化問題とは?60歳以上65%・銃猟は50年で6分の1にで解説した通り、狩猟者の高齢化と担い手不足は長年の課題です。東京農工大学「狩り部」が2006年から続いていることを踏まえると、大学生の狩猟参加は近年始まったブームではなく、20年近い歴史を持つ活動だと分かります。その上で早稲田大学(2017年)・北海道大学(2019年)と相次いで同種のサークルが発足し、部員数も70〜90人規模まで拡大していることは、担い手不足が深刻化する中で、若い世代が獣害対策の現場に関わる新しい入口になっていることを示しています。
女性猟師が増えている理由とは?狩りガールの実態と始め方で見た「狩りガール」の広がりと同様に、大学の狩り部は従来の猟師像とは異なる層が狩猟に関わる動きの一つと言えます。ただし男女比は大学によって差があり、北海道大学「カリブ」は男子部員が9割を占める一方、早稲田大学・東京農工大学は男女比がほぼ5〜6対4〜5と、サークルによって傾向が異なります。
大学生から猟師を目指すには

狩り部の活動は「わなの見回り・解体・農作業ボランティア」が中心で、必ずしも全員が狩猟免許を取得しているわけではありません。狩猟免許を取得して自分で狩猟をしたい場合は、以下の年齢条件を確認してください。
| 免許の種類 | 受験可能年齢 |
|---|---|
| 網猟免許・わな猟免許 | 18歳以上 |
| 第一種銃猟免許・第二種銃猟免許 | 20歳以上 |
大学1〜2年生であれば、わな猟・網猟免許からスタートできます。免許取得の全国共通の流れ・費用・合格率は狩猟免許の取り方|初心者向け5ステップ・費用・合格率【2026年】で解説しています。
まとめ:大学の「狩り部」のポイント
- 早稲田大学(2017年発足・74人)・東京農工大学(2006年発足・95人、日本最古)・北海道大学「カリブ」(2019年発足・約60人)の3校に狩猟系サークルが存在する
- 活動内容はわなの見回り・止め刺し・解体・農作業ボランティアが中心
- 東京農工大学の20年近い活動実績を踏まえると、大学生の狩猟参加は一時的なブームではなく継続的な動き
- 狩猟免許取得を目指す場合、わな猟・網猟は18歳から、銃猟は20歳から受験できる
- 免許取得の具体的な手順は狩猟免許の取り方を参照
参考情報
- 早大・農工大・北大に「狩り部」 なぜ学生は狩猟に挑むのか【学生座談会】(朝日新聞Thinkキャンパス) — Yahoo!ニュース、2026年10月30日配信(確認日: 2026年10月31日)
- 早稲田大学「狩り部」の学生と挑む、「農家の獣害問題」 岩井雪乃准教授「狩猟と獣害対策論1」 — ジビエポータルサイト「ジビエト」(確認日: 2026年10月31日)


コメント