最終更新: 2026-10-24
農林水産省が2026年9月30日に発表した野生鳥獣資源利用実態調査(令和7年度)によると、食肉処理施設が処理したジビエの利用量は3,155トンで、調査を開始した平成28年度以降で最大を記録しました。前年度比17.8%増という伸び幅も含め、何がこの記録を作ったのかを数値で見ていきます。
ジビエ利用量3155トンの内訳

農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査(令和7年度)によると、全体の利用量3,155トンのうち、食肉向けの販売量は2,166トンで前年度比25.6%増でした。鳥獣種別では次のような伸びが確認されています。
| 鳥獣種 | 販売量・数量 | 前年度比 |
|---|---|---|
| シカ | 1,622トン | 37.2%増 |
| イノシシ | 459トン | 5.4%減 |
| クマ(卸売・小売販売数量) | 18トン | 157.1%増 |
シカの食肉利用が全体の伸びを大きく引き上げている一方、イノシシは前年度比で減少しています。捕獲数そのものの変動や、処理施設側の受け入れ能力の違いが背景にあると考えられます。クマ肉は絶対量は小さいものの、伸び率では今回の調査の中で最も大きい値でした。
なぜ利用量が伸びたのか

利用量が伸びた直接の要因を一次資料だけから特定することはできませんが、関連する動きとして次の点が挙げられます。
- 学校給食や観光向けの利用など、食肉以外の用途を含めた販路の多様化が進んでいる
- 捕獲後に未利用のまま廃棄されていた個体を、ジビエ利用に回す自治体の取り組みが広がっている
- 外食産業・ふるさと納税など、消費者がジビエに触れる機会自体が増えている
なお、ジビエの「販売金額」については、令和6年度調査の時点で54億1,800万円と過去最高を更新したことが「全国ジビエフェアとは?開催期間・参加店舗・楽しみ方を徹底解説」で紹介した別の調査結果からわかっています。今回の令和7年度データは「量」の記録であり、金額の最新値はまだ発表されていません。量と金額は必ずしも同じペースで動かない点に注意してください。
利用量と販売金額の違いに注意

「過去最大」というニュースを見かけたとき、それが利用量(トン)の記録なのか、販売金額(円)の記録なのかを区別することが大切です。
| 指標 | 直近の記録 | 対象年度 |
|---|---|---|
| 利用量(食肉処理施設での処理量) | 3,155トン(過去最大) | 令和7年度 |
| 販売金額 | 54億1,800万円(過去最高) | 令和6年度 |
この2つは発表のタイミングも対象年度も異なるため、記事やニュースで引用する際は対象年度を必ず確認することをおすすめします。
まとめ:ジビエ利用量は伸び続けているが、動物種ごとの差に注目
- 令和7年度のジビエ利用量は3,155トンで過去最大、前年度比17.8%増
- シカの食肉利用が37.2%増と伸びを主導し、イノシシは5.4%減
- クマ肉は絶対量は少ないが157.1%増と伸び率が大きい
- 「利用量」と「販売金額」は別の指標で、対象年度もずれているため混同しない
販売先別の内訳が気になる方は「ジビエはどこで売れている?販売先データで見る6つの流通チャネル」も参考にしてください。ジビエ業界の最新データは狩猟・ジビエ業界の統計まとめページでも定期的に更新しています。
この記事は猟人編集部が執筆しました。猟人は狩猟・ジビエ業界に特化した専門メディアです。詳しくは編集部についてをご覧ください。
参考情報
- 農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査(令和7年度)」結果(確認日: 2026-10-24)
- 日本農業新聞・NOSAI協会のまとめ報道(2026年10月2週号、確認日: 2026-10-24) https://www.nosai.or.jp/mt6/2026/10/post-9117.html


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