狩猟免許の取り方|初心者向け5ステップ・費用・合格率【2026年】

狩猟入門

狩猟免許の取り方を結論から言うと、わな猟免許なら費用約7万円〜、最短1ヶ月で取得可能だ。合格率は80〜90%と高く、事前講習を受ければほぼ合格できる。

背景として、狩猟者の高齢化で実猟者は実質10万人以下まで減少し、野生鳥獣による農作物被害は年間約156億円に達している(農林水産省、2022年度)。シカの半減目標��未達成のまま2028年に延長された(環境省)。つまり今、新規ハンター���自治体から歓迎される存在で、免許取得費用の補助金制度も年々充実している。

この記事で���、狩猟免許の取り方��初心者向けに5ステップで解説する。4種類の免許の違い、費用の全内訳、試験内���と合格対策、取得後の手続きまで網羅した。

狩猟免許とは?4種類の免許の違いを解説

狩猟免許とは、野生鳥獣を捕獲するために必要な資格だ。鳥獣保護管理法に基づき、都道府県知事が交付する。狩猟免許の取り方を理解するには、まず4種類の免許それぞれの特徴を知ることが重要になる。

4種類の狩猟免許一覧

免許の種類 使用できる猟具 初年度費用の目安 おすすめの人
第一種銃猟免許 散弾銃・ライフル銃・空気銃 約25〜34万円 本格的に狩猟を始めたい人
第二種銃猟免許 空気銃のみ 約19〜42万円 小型の鳥類を対象にしたい人
わな猟免許 くくり罠・箱罠・囲い罠など 約7〜13万円 有害鳥獣駆除に関わりたい人
網猟免許 むそう網・はり網・つき網など 約6〜10万円 鳥類の捕獲を目的とする人

どの免許を取るべきか

初心者に最もおすすめなのはわな猟免許だ。理由は以下の通り。

  • 銃の所持許可が不要なため、取得までの手続きが少ない
  • 試験の難易度が比較的低い
  • 有害鳥獣駆除の現場で需要が高い
  • イノシシやシカなど大型獣も捕獲可能
  • 初年度費用が約7〜13万円と最も低コスト

一方、本格的に猟を行いたい方は第一種銃猟免許とわな猟免許の同時取得が効率的だ。散弾銃とわな罠を併用することで、さまざまな状況に対応できる。

なお、第一種銃猟免許を取得しても、それだけでは銃を所持できない。別途、公安委員会から猟銃所持許可を得る必要がある。この手続きには数ヶ月かかるため、早めの行動が大切だ。猟銃所持許可の詳しい手続きは「猟銃所持許可の取り方と手続きの流れ」で解説している。

狩猟免許の取り方|取得までの5ステップ

狩猟免許の取り方は、大きく分けて5つのステップで進む。各ステップの内容と所要期間を見ていこう。

ステップ1:受験する免許の種類を決める

まずは、自分が何を狩猟したいのか、どんな猟法で行いたいのかを明確にする。前述の4種類から選ぼう。複数の免許を同時に受験することも可能で、2種目以降の受験料は3,900円に割引される。

ステップ2:事前講習会に参加する(強く推奨)

各都道府県の猟友会が、狩猟免許試験の前に事前講習会(予備講習会)を開催している。参加は任意だが、参加なしでの合格は極めて困難だ。

項目 内容
主催 各都道府県の猟友会
費用 8,000〜12,000円程度(猟友会により異なる)
期間 1日(約6〜8時間)
内容 法令の要点解説、鳥獣の見分け方、猟具の取り扱い実習
受講効果 合格率が大幅に向上(未受講者との差が顕著)

事前講習会では、技能試験で使用する猟具に実際に触れることができる。特にわな猟の場合、くくり罠の設置手順を練習できるため、本番で慌てずに済む。くくり罠の具体的な設置方法は「くくり罠の設置方法と仕掛け方」も参考にしてほしい。

ステップ3:必要書類を準備して申し込む

狩猟免許試験の申し込みには、以下の書類が必要だ。

  • 申請書(所定の様式、都道府県のウェブサイトからダウンロード可能)
  • 医師の診断書(精神疾患・薬物中毒等に該当しないことの証明、費用は約3,000〜5,000円)
  • 写真(申請前6ヶ月以内に撮影、縦3cm×横2.4cm)
  • 返信用封筒(受験票送付用)
  • 収入証紙(受験手数料5,200円分)

試験は各都道府県で年に複数回実施されている。申し込み期限は試験日の2〜3週間前が一般的なため、早めに確認しよう。

ステップ4:狩猟免許試験を受験する

試験は1日で行われ、午前に知識試験と適性試験、午後に技能試験という流れが一般的だ。試験の詳細は次の章で解説する。

ステップ5:合格後の手続き

試験に合格すると、狩猟免許が交付される。しかし、免許を取得しただけでは実際に狩猟はできない。狩猟を行うには、さらに以下の手続きが必要だ。

  • 狩猟者登録:出猟する都道府県ごとに登録が必要(登録手数料1,800円+狩猟税)
  • ハンター保険への加入:3,000万円以上の損害賠償能力の証明が必要
  • 猟銃所持許可の取得(銃猟の場合):公安委員会への申請が別途必要

狩猟者登録の際にかかる狩猟税は、免許の種類によって異なる。

免許の種類 狩猟税 減額適用時の税額
第一種銃猟 16,500円 11,000円
第二種銃猟 5,500円 5,500円
わな猟 8,200円 5,500円
網猟 8,200円 5,500円

減額適用は、県民税の所得割の納付を要しない方が対象。狩猟者登録の詳しい手続きは、お住まいの都道府県の環境関連部署に確認しよう。

狩猟免許試験の内容と合格率・対策法

狩猟免許の取り方で最も気になるのが、試験の内容と難易度だろう。試験は3つのパートに分かれている。

知識試験(筆記試験)

項目 内容
出題形式 三肢択一式(3つの選択肢から1つを選ぶ)
出題数 30問(既に他の免許を持っている場合は10問)
制限時間 90分(既存免許保有者は30分)
合格基準 70%以上の正答率(21問以上正解)
出題範囲 鳥獣保護管理法(13問)、猟具の知識(6問)、鳥獣の知識(9問)、その他(2問)

知識試験の対策として、猟友会が発行する「狩猟読本」を繰り返し読み込むことが効果的だ。過去問の傾向は毎年似ているため、事前講習会で配られる例題集を中心に勉強すれば十分に合格が狙える。

適性試験

適性試験は、狩猟を安全に行える身体能力があるかを確認する検査だ。

  • 視力:銃猟は両眼0.7以上かつ片眼0.3以上、わな猟・網猟は両眼0.5以上
  • 聴力:10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること
  • 運動能力:四肢の屈伸、挙手、手指の運動等が正常に行えること

眼鏡やコンタクトレンズの使用は認められている。通常の健康状態であれば問題なく通過できる。

技能試験

技能試験は最も難易度が高いパートだ。持ち点100点からの減点方式で、減点が30点を超えると不合格になる。

銃猟免許の場合の試験内容:

1. 銃器の点検・分解・結合:安全な手順で銃の操作ができるか

2. 射撃姿勢:正しい構え方と照準の合わせ方

3. 団体行動時の銃器の取り扱い:他者への安全配慮

4. 距離の目測:300m、50m、30m、10mの距離を目測で判断

5. 鳥獣の判別:狩猟鳥獣と非狩猟鳥獣の見分け

わな猟免許の場合の試験内容:

1. 猟具の判別:使用可能な罠と禁止されている罠の識別

2. 猟具の架設:くくり罠や箱罠を制限時間内に正しく設置

3. 鳥獣の判別:狩猟鳥獣と非狩猟鳥獣の見分け

合格率と難易度

狩猟免許試験の合格率は全体で約80〜90%だ。ただし、これは事前講習会を受講した人を含む数字である。事前講習会を受けずに受験した場合、特に技能試験での不合格率が高くなる。

免許種別 合格率の目安 難易度のポイント
わな猟免許 約85〜90% 技能試験が比較的簡単。初心者向き
網猟免許 約85〜90% わな猟と同程度の難易度
第二種銃猟免許 約80〜85% 空気銃の操作を覚える必要がある
第一種銃猟免許 約75〜85% 散弾銃の分解・結合が技能試験のヤマ

第一種銃猟免許の試験対策については「第一種銃猟免許試験の対策ガイド」で詳しく解説している。

狩猟免許の取得にかかる費用の総額

狩猟免許の取り方を検討するうえで、費用は大きな判断材料だ。取得から実猟開始までにかかる費用をまとめた。

わな猟免許の場合の初期費用

費用項目 金額 備考
事前講習会受講料 8,000〜12,000円 猟友会主催、任意だが強く推奨
医師の診断書 3,000〜5,000円 病院により異なる
受験手数料(収入証紙) 5,200円 1免許につき
狩猟者登録手数料 1,800円 都道府県ごと
狩猟税 8,200円 わな猟の場合
ハンター保険 4,000〜6,000円 年間保険料
猟友会費 10,000〜20,000円 地域により異なる
罠・装備品 30,000〜80,000円 くくり罠数基+装備一式
合計 約70,000〜133,000円

第一種銃猟免許の場合の初期費用

銃猟の場合は、狩猟免許に加えて猟銃所持許可の費用もかかる。

費用項目 金額 備考
狩猟免許関連費用 約18,000〜22,000円 講習会+診断書+受験料
猟銃等講習会受講料 6,900円 公安委員会主催
教習射撃費用 30,000〜35,000円 射撃場での実技教習
銃砲所持許可申請手数料 10,500円
銃の購入費 50,000〜150,000円 中古散弾銃の場合
ガンロッカー・装弾ロッカー 28,000〜60,000円 法定の保管設備
狩猟者登録・保険等 35,000〜55,000円
合計 約250,000〜340,000円

銃猟は初期費用が高額だが、自治体によっては狩猟免許取得にかかる費用の補助金制度を設けている。費用の詳しい内訳や節約テクニックは「狩猟免許の費用は合計いくら?」で5年間の累積シミュレーション付きで解説している。

狩猟業界の現状:なぜ今、新規ハンターが求められているのか

狩猟免許の費用を「投資」として評価するうえで、業界の現状を把握しておくことは重要だ。

指標 データ 出典
野生鳥獣による農作物被害額 年間約156億円(2022年度) 農林水産省
鳥獣被害防止総合対策交付金 ソフト約75.8億円+ハード約23.2億円(2024年度) 農林水産省
ジビエ処理施設の販売金額 約54億円(うち食肉約44億円) e-Stat 統計表ID: 0002119974
ジビエ食肉の内訳 シカ肉47.6%、イノシシ肉30.4% e-Stat 統計表ID: 0002119974
ジビエの販売先 卸売31.4%、外食産業27.7%、直接販売13.1% e-Stat 統計表ID: 0002119996
シカ半減目標 未達成のまま2028年に延長 環境省
狩猟者の実態 実猟者は実質10万人以下、高齢化が深刻 環境省

農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、全国のジビエ食肉処理施設が得た販売金額は合計約54億円。うち食肉販売だけで約44億円に達する。販売先別に見ると、卸売業者が31.4%、外食産業が27.7%を占め、消費者への直接販売(ネット通販含む)も13.1%と拡大を続けている(出典: e-Stat 統計表ID: 0002119996)。

つまり、鳥獣被害は拡大し続ける一方で対応する担い手が圧倒的に不足している。自治体が助成金を充実させているのもこの背景がある。新規ハンターにとっては「追い風」の環境であり、狩猟免許への投資は回収しやすい状況にある。

報奨金の具体的な金額については「有害鳥獣駆除の報奨金はいくら?」で自治体別の一覧を掲載している。

狩猟免許取得後にやるべきこと

狩猟免許を取得した後も、実際に猟に出るまでにはいくつかの準備が必要だ。

猟友会への加入

猟友会への加入は任意だが、以下のメリットがあるため加入を強くおすすめする。

  • ベテラン猟師から猟場や技術を学べる
  • グループ猟(巻き狩り)に参加できる
  • ハンター保険の団体加入で保険料が安くなる
  • 有害鳥獣駆除の案件情報が得られる

装備の準備

実際に猟に出るには、猟具のほかにも揃えるべき装備がある。

  • ハンターベスト(オレンジ色の目立つもの)
  • トレッキングシューズまたは長靴
  • ナイフ・止め刺し用具
  • GPS端末またはスマートフォン(地図アプリ)
  • 応急処置キット

ジビエの活用

狩猟で得た獲物は、適切に処理すれば美味しいジビエ料理として楽しめる。農林水産省の調査によると、ジビエ食肉処理施設に搬入される野生鳥獣の総重量は約7,072トン(令和5年度)。そのうちシカが79.3%(約5,605トン)、イノシシが20.7%(約1,467トン)を占める(出典: e-Stat 統計表ID: 0002119971)。

搬入内訳 重量(トン) 構成割合 1頭あたり体重
シカ 5,605 79.3% 46kg
イノシシ 1,467 20.7% 37kg
合計 7,072 100% 44kg

出典: e-Stat 統計表ID: 0002119971(農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査 令和5年度)

よくある質問

Q1: 狩猟免許は何歳から取得できますか?

網猟・わな猟免許は18歳以上、第一種・第二種銃猟免許は20歳以上から受験できる。上限年齢はない。近年は60代以上で新規取得する方も増えている。

Q2: 狩猟免許の有効期間はどのくらいですか?

狩猟免許の有効期間は3年間だ。有効期間満了日は、取得日から3年後の9月14日となる。更新する場合は、有効期間内に更新申請を行い、適性試験に合格する必要がある。更新を忘れると失効し、再度試験を受け直す必要があるため注意しよう。

Q3: 狩猟免許試験はどこで受けられますか?

狩猟免許試験は、住所地の都道府県が実施する。試験会場は県庁所在地や主要都市で開催されることが多い。試験日程は年に複数回設定されており、都道府県の環境関連部署のウェブサイトで確認できる。

Q4: 複数の種類の狩猟免許を同時に取得できますか?

はい、複数の免許を同時に受験・取得することが可能だ。例えば、わな猟免許と第一種銃猟免許を同時に申し込める。同時受験の場合、2種目以降の受験料は3,900円に割引される。さらに診断書1通で兼用でき、交通費も1回分で済むため、約5,000〜8,000円の節約になる。

Q5: 狩猟免許試験に落ちたらどうなりますか?

不合格になった場合でも、次回以降の試験を再受験できる。再受験の回数に制限はない。試験は各都道府県で年に複数回実施されているため、不合格になってもすぐに再チャレンジが可能だ。

Q6: 女性でも狩猟免許を取得している人はいますか?

近年は女性の狩猟免許取得者が増加している。環境省の統計によると、狩猟免許を持つ女性は年々増えており、特にわな猟免許の取得者が多い傾向にある。「狩りガール」という言葉も生まれ、女性向けの狩猟体験イベントも各地で開催されている。

Q7: 狩猟免許を取得したら、すぐに猟に出られますか?

いいえ、狩猟免許の取得後に狩猟者登録を行う必要がある。狩猟者登録は出猟する都道府県ごとに必要で、登録手数料1,800円と狩猟税(わな猟の場合8,200円)がかかる。また、銃猟の場合は別途猟銃所持許可の取得が必要だ。

まとめ

狩猟免許の取り方について、重要なポイントを振り返ろう。

  • 4種類の免許があり、初心者にはわな猟免許がおすすめ(初年度約7〜13万円)
  • 試験の合格率は80〜90%だが、事前講習会への参加が合格の鍵
  • 試験は知識試験・適性試験・技能試験の3つで構成される
  • 免許取得後には狩猟者登録と装備の準備が必要
  • ジビエ市場は約54億円規模に成長しており、狩猟免許は「投資」として回収可能

狩猟免許は、自然と向き合う第一歩だ。狩猟者の高齢化が進むなか、新規参入者は自治体からも歓迎されており、補助金などのサポート体制は今後さらに充実していくことが予想される。

まずは「狩猟免許の費用は合計いくら?」で詳しい費用シミュレーションを確認し、お住まいの地域の猟友会や都道府県の窓口に問い合わせてみてほしい。

参考情報

  • 環境省「狩猟免許を取得する」(https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/hunter/license.html)
  • 警視庁「手数料一覧」(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/firearms/commission.html)
  • 東京都主税局「狩猟税」(https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/leisure/shuryo)
  • 環境省「狩猟者登録をする」(https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/hunter/register.html)
  • 大日本猟友会「狩猟免許の取得」(http://j-hunters.com/tobecome/license.php)
  • 農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)」(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/jibie/gaiyou/index.html)
  • e-Stat 統計表ID: 0002119971(ジビエ食肉処理施設の解体実績)
  • e-Stat 統計表ID: 0002119974(野生鳥獣を処理して得た金額)
  • e-Stat 統計表ID: 0002119996(販売先別販売数量)



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