結論から言うと、狩猟免許の費用合計はわな猟で約7万円、第一種銃猟で約25〜39万円だ。ネット上には「受験料5,200円」という断片的な情報ばかりだが、実際には予備講習代、診断書代、銃砲所持許可、狩猟者登録、装備品まで含めると費用は大きく膨らむ。
ただし、この費用は「回収できる投資」でもある。農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、全国のジビエ処理施設が処理して得た金額は約54億円(出典: e-Stat 統計表ID: 0002119974)。報奨金(1頭あたり最大2万円超)とジビエ販売を組み合わせれば、わな猟の費用は最短3ヶ月で回収できる計算になる。
この記事では、狩猟免許の費用を「合計」で把握するために、以下を徹底的に整理した。
- 免許種別ごとの費用内訳(第一種銃猟・第二種銃猟・わな猟・網猟)
- 都道府県別の費用差(講習料・狩猟税・助成金の地域差)
- 初年度〜5年目の累積費用ロードマップ(3つのパターン別)
- キャリア視点の費用回収シミュレーション(報奨金・ジビエ販売でいつ元が取れるか)
なお、狩猟免許の取得手順そのものについては「狩猟免許の取り方ガイド」で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてほしい。
狩猟免許の費用を「5つのフェーズ」で整理する
狩猟免許の費用合計を正確に把握するためには、取得から実猟までの流れをフェーズで分解することが重要だ。多くの情報サイトでは費用項目を羅列するだけで「結局いくら必要なのか」がわかりにくいが、以下の5段階で整理すれば全体像が見えてくる。
フェーズ1|狩猟免許試験の受験費用(約17,000〜20,000円)
狩猟免許を取得するための最初のステップが、都道府県が実施する狩猟免許試験だ。試験を受けるまでに必要な費用は以下の通り。
- 狩猟免許試験の申請手数料: 5,200円(2025年時点、全国共通。2種目以降は3,900円)
- 猟友会主催の予備講習会受講料: 約8,000〜12,000円(都道府県により異なる)
- 医師の診断書: 約3,000〜5,000円(医療機関により異なる)
- 証明写真代: 約700〜1,000円
- 交通費等の雑費: 約1,000〜2,000円
予備講習会は義務ではないが、受講すると合格率が大幅に上がるため、ほぼ全員が受講している。費用としてはフェーズ1の合計で約17,000〜20,000円が目安となる。
筆者が取材した30代の転職志望者Aさんは、「ネットの情報では『受験料5,200円』ばかり目にしていたので、予備講習や診断書の費用を知ったときは少し驚いた」と語っていた。だが「それでも普通の資格取得と比べたらかなり安い」とも付け加えていた。実際、宅建や行政書士などの資格取得にかかる費用と比較すれば、狩猟免許の費用は非常にリーズナブルだといえる。
フェーズ2|猟銃所持許可の追加費用(銃猟の場合 +約70,000〜85,000円)
わな猟・網猟であればフェーズ1だけで実猟に進めるが、第一種銃猟・第二種銃猟の場合は、別途「猟銃等所持許可」の手続きが必要になる。これは公安委員会(警察)が管轄する手続きで、狩猟免許とは完全に別の費用がかかる。
- 猟銃等講習会(初心者講習)受講料: 6,900円(2025年時点)
- 教習射撃資格認定申請手数料: 8,900円
- 教習射撃の費用: 約30,000〜35,000円(射撃場使用料・弾代込み)
- 猟銃所持許可申請手数料(1丁目): 10,500円
- 火薬類譲受許可申請手数料: 2,400円
- ガンロッカー: 約20,000〜45,000円(新品の場合)
- 装弾ロッカー: 約8,000〜15,000円
フェーズ2の合計は約70,000〜85,000円(ガンロッカー代を含む)。銃本体の購入費用は別途フェーズ4で計上する。
フェーズ3|狩猟者登録・猟友会・保険の費用(年間約30,000〜55,000円)
狩猟免許を取得し、銃の所持許可を得ても、それだけでは猟に出ることはできない。毎年の狩猟期(11月15日〜2月15日)に猟をするためには「狩猟者登録」が必要だ。
- 狩猟者登録手数料: 1,800円/種(都道府県による)
- 狩猟税: 第一種銃猟 16,500円、第二種銃猟 5,500円、わな猟・網猟 8,200円
- 猟友会費(都道府県+地区): 約10,000〜20,000円
- ハンター保険(共済): 約4,000〜6,000円(大日本猟友会の共済が一般的)
フェーズ3は毎年繰り返し発生する費用であり、免許の種類や登録する都道府県によって金額が変動する。第一種銃猟の場合、年間で約35,000〜55,000円が目安となる。わな猟のみなら約25,000〜35,000円で済む。
フェーズ4|装備品・猟具の初期投資(約50,000〜300,000円)
実猟に必要な装備品の費用は、免許の種類と狩猟スタイルで大きく変わる。
銃猟の場合:
- 散弾銃(中古): 約50,000〜150,000円
- 散弾銃(新品): 約100,000〜400,000円
- 弾代(シーズン分): 約10,000〜30,000円
- 狩猟ベスト・ウェア: 約15,000〜40,000円
- ナイフ・解体道具: 約5,000〜20,000円
わな猟の場合:
- くくり罠(4〜5基セット): 約15,000〜30,000円
- 箱罠: 約30,000〜80,000円
- 止め刺し用槍: 約5,000〜15,000円
- 作業着・長靴: 約10,000〜20,000円
銃猟で中古銃を選べば約100,000円程度、新品なら200,000〜300,000円程度。わな猟なら約50,000〜80,000円が初期装備の目安だ。
フェーズ5|年間維持費・更新費用(年間約30,000〜60,000円)
狩猟を続ける限り毎年かかる費用がある。
- 狩猟者登録・狩猟税・保険: 前述のフェーズ3参照
- 弾代(銃猟の場合): 約10,000〜30,000円/年
- 罠の修繕・補充(わな猟の場合): 約5,000〜10,000円/年
- 車のガソリン代(猟場への移動): 約10,000〜30,000円/年
- 銃の検査手数料(3年に1度): 5,800円
また、狩猟免許は3年ごとに更新が必要で、更新申請手数料は2,900円だ。猟銃所持許可の更新(3年ごと)にも経験者講習受講料3,000円、更新申請手数料7,200円などがかかる。
| フェーズ | 費用項目 | わな猟のみ | 第一種銃猟+わな猟 |
|---|---|---|---|
| 1. 免許取得 | 試験手数料・講習・診断書等 | 約18,000円 | 約22,000円(2種) |
| 2. 銃所持許可 | 講習・教習射撃・申請等 | 0円 | 約75,000円 |
| 3. 狩猟者登録(年額) | 登録料・狩猟税・猟友会・保険 | 約28,000円 | 約50,000円 |
| 4. 装備品 | 銃・罠・ウェア等 | 約50,000円 | 約200,000円 |
| 5. 年間維持費 | 弾代・修繕・ガソリン等 | 約15,000円 | 約40,000円 |
| 初年度合計 | 約111,000円 | 約387,000円 |
【免許種別】4種類の狩猟免許 費用を合計で比較
狩猟免許には4つの種類があり、それぞれ取得・維持にかかる費用の合計が異なる。ここでは免許種別ごとの費用を整理する。
第一種銃猟免許の費用合計
散弾銃・ライフル銃を使用する猟を行うための免許。4種類の中で最も費用がかかるが、その分できることの幅も広い。
- 免許取得費用: 約18,000円
- 猟銃所持許可: 約75,000円
- 装備品(中古銃前提): 約120,000〜200,000円
- 狩猟者登録(初年度): 約40,000〜50,000円
- 初年度合計: 約250,000〜340,000円
第二種銃猟免許の費用合計
空気銃(エアライフル)を使用する猟の免許。火薬を使用しないため手続きが第一種より簡易だが、猟銃所持許可自体は必要だ。
- 免許取得費用: 約18,000円
- 猟銃所持許可: 約50,000〜65,000円
- 装備品(空気銃): 約100,000〜300,000円
- 狩猟者登録(初年度): 約25,000〜35,000円
- 初年度合計: 約190,000〜420,000円
空気銃は新品で10万〜30万円と幅が大きい。中古市場が散弾銃ほど充実していない点に注意が必要だ。
わな猟免許の費用合計
くくり罠や箱罠を使って獲物を捕獲する免許。最も低コストで始められるため、初心者や副業ハンターに人気が高い。
- 免許取得費用: 約18,000円
- 猟銃所持許可: 不要
- 装備品: 約30,000〜80,000円
- 狩猟者登録(初年度): 約25,000〜35,000円
- 初年度合計: 約73,000〜133,000円
網猟免許の費用合計
網を使って主に鳥類を捕獲する免許。取得者数が最も少ないが、費用面ではわな猟と同等の水準だ。
- 免許取得費用: 約18,000円
- 猟銃所持許可: 不要
- 装備品: 約20,000〜50,000円
- 狩猟者登録(初年度): 約25,000〜35,000円
- 初年度合計: 約63,000〜103,000円
複数免許の同時取得で節約する
「わな猟+第一種銃猟」のように複数の免許を同時取得する場合、2種目以降の受験料は3,900円に割引される。また、同日に試験を受ければ診断書は1通(約3,000〜5,000円)で兼用でき、交通費も1回分で済む。複数取得を検討する場合、同時申請で約5,000〜8,000円の節約が可能だ。
| 免許種別 | 初年度合計(概算) | 年間維持費 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 第一種銃猟 | 約25〜34万円 | 約5〜6万円 | 最も汎用性が高いが費用も最大 |
| 第二種銃猟 | 約19〜42万円 | 約3〜4万円 | 空気銃本体の価格差が大きい |
| わな猟 | 約7〜13万円 | 約3〜4万円 | 最も低コスト。副業向き |
| 網猟 | 約6〜10万円 | 約3万円 | 取得者数が少ない。鳥類中心 |
| わな猟+第一種銃猟 | 約30〜40万円 | 約7〜8万円 | 最も実践的な組み合わせ |
都道府県別・狩猟免許の費用差を比較
狩猟免許の費用合計は、実は住んでいる地域によって差が出る。主な変動要因は「予備講習会の受講料」「猟友会費」「自治体の助成金・補助金」の3つだ。
予備講習・猟友会費の地域差
狩猟免許試験の申請手数料(5,200円)や狩猟税は全国統一だが、猟友会が主催する予備講習会の費用は都道府県ごとに異なる。一般的に8,000〜12,000円の範囲で設定されており、初心者向けのテキスト代込みか別途購入かでも金額が変わる。
また、猟友会費も都道府県猟友会と地区猟友会の2段階で徴収されるため、合計金額に地域差がある。年間10,000〜20,000円が相場だ。
助成金・補助金が充実している自治体
近年、有害鳥獣被害が深刻化している地域では、新規ハンターの確保を目的とした助成金制度が充実している。以下は2025年時点で確認できた主な助成制度だ。
| 自治体 | 助成対象 | 助成金額(上限) | 対象免許 |
|---|---|---|---|
| 山口県 | 免許取得経費 | 取得経費の一部を助成 | 第一種銃猟・わな猟 |
| 弘前市(青森県) | 講習・試験・射撃教習等 | 上限29,200円(射撃関連)+諸費用 | 銃猟全般 |
| 一関市(岩手県) | 免許取得・猟銃購入 | 経費の一部を補助 | 第一種銃猟・わな猟 |
| 掛川市(静岡県) | 免許取得費 | 上限20,000円 | 全種 |
| 阿南市(徳島県) | 免許取得費等 | 補助金あり(要問合せ) | わな猟・銃猟 |
| その他多数の市町村 | 受験手数料・診断書代等 | 5,000〜80,000円 | 種別により異なる |
助成金を活用すると、実質的な自己負担をゼロに近づけられるケースもある。特に中山間地域や鳥獣被害の深刻な市町村では手厚い補助が用意されていることが多い。自分の住む自治体や、移住を検討している地域の鳥獣対策担当課に問い合わせることを強くおすすめする。
初年度〜5年目の累積費用ロードマップ
「初年度の費用はわかったけど、5年間続けたらトータルでいくらになるの?」という疑問に答えるために、3つのパターンで累積費用をシミュレーションした。ここまで長期の費用推移を可視化した情報は、他のメディアではほとんど見かけない。
パターンA: わな猟のみ(ミニマルコース)
費用を最小限に抑え、くくり罠でイノシシやシカを捕獲するスタイル。副業や趣味として始める人に最適だ。
- 初年度: 免許取得18,000円 + 狩猟者登録28,000円 + 装備50,000円 = 約96,000円
- 2年目: 登録28,000円 + 維持費15,000円 = 約43,000円
- 3年目: 登録28,000円 + 維持費15,000円 + 免許更新2,900円 = 約46,000円
- 4年目: 登録28,000円 + 維持費15,000円 = 約43,000円
- 5年目: 登録28,000円 + 維持費15,000円 = 約43,000円
- 5年間累計: 約271,000円(約27万円)
パターンB: 第一種銃猟+わな猟(標準コース)
最も人気のある組み合わせ。散弾銃とくくり罠の両方を使い分ける本格派。中古銃を選ぶ前提で試算。
- 初年度: 免許取得22,000円 + 銃所持許可75,000円 + 狩猟者登録50,000円 + 装備200,000円 = 約347,000円
- 2年目: 登録50,000円 + 維持費40,000円 = 約90,000円
- 3年目: 登録50,000円 + 維持費40,000円 + 免許更新2,900円 + 銃検査5,800円 = 約99,000円
- 4年目: 登録50,000円 + 維持費40,000円 + 銃所持許可更新10,200円 = 約100,000円
- 5年目: 登録50,000円 + 維持費40,000円 = 約90,000円
- 5年間累計: 約726,000円(約73万円)
パターンC: フル装備・本格コース
新品散弾銃に良質な装備を揃え、初年度から複数の猟場を回る本格スタイル。
- 初年度: 免許取得22,000円 + 銃所持許可85,000円 + 狩猟者登録55,000円 + 装備350,000円 = 約512,000円
- 2年目: 登録55,000円 + 維持費60,000円 = 約115,000円
- 3年目: 登録55,000円 + 維持費60,000円 + 免許更新2,900円 + 銃検査5,800円 = 約124,000円
- 4年目: 登録55,000円 + 維持費60,000円 + 銃所持許可更新10,200円 = 約125,000円
- 5年目: 登録55,000円 + 維持費60,000円 = 約115,000円
- 5年間累計: 約991,000円(約99万円)
| 年次 | パターンA(わな猟のみ) | パターンB(銃猟+わな猟) | パターンC(フル装備) |
|---|---|---|---|
| 初年度 | 約96,000円 | 約347,000円 | 約512,000円 |
| 2年目累計 | 約139,000円 | 約437,000円 | 約627,000円 |
| 3年目累計 | 約185,000円 | 約536,000円 | 約751,000円 |
| 4年目累計 | 約228,000円 | 約636,000円 | 約876,000円 |
| 5年目累計 | 約271,000円 | 約726,000円 | 約991,000円 |
こうして見ると、わな猟のみなら5年で約27万円、銃猟も加えた標準コースでも約73万円。月額換算すると、パターンAで約4,500円/月、パターンBで約12,000円/月だ。スポーツジムの月会費程度の投資で「猟師」というキャリアを手に入れられると考えれば、決して高い投資ではないだろう。
費用を抑える5つの節約テクニック
狩猟免許の費用を合計で抑えたい人向けに、現場で実践されている節約のコツをまとめた。
1. 自治体の助成金・補助金をフル活用する
前述の通り、多くの市町村で狩猟免許取得に対する助成制度が整備されている。「スマート補助金」などのサイトで自治体名と「狩猟免許」で検索すると、最新の制度を確認できる。特に地域おこし協力隊として採用されれば、免許取得費用が全額負担されるケースもある。
2. 中古銃を検討する
散弾銃の新品は10万〜40万円と幅があるが、中古なら5万円前後から手に入る。銃砲店で状態の良い中古銃を選べば、性能面で大きな差はない。初心者のうちは中古銃で十分であり、経験を積んでからグレードアップするのが賢い選択だ。
3. わな猟から段階的にステップアップする
いきなり銃猟を始めると費用負担が大きいが、まずわな猟免許だけ取得して経験を積み、翌年以降に銃猟免許を追加するという段階的アプローチも有効だ。わな猟なら初年度10万円以下で始められる。
4. 複数免許の同時受験で手続き費用を削減する
同日に2種類以上の免許を受験すれば、2種目以降の受験料は3,900円(通常5,200円から1,300円割引)。さらに診断書1通で兼用でき、交通費も1回分で済む。
5. 狩猟税の減免制度を確認する
対象鳥獣捕獲員として有害鳥獣駆除に従事している場合、狩猟税が減免される制度がある。県民税の所得割の納付を要しない方も、狩猟税が軽減される(第一種銃猟: 16,500円 → 11,000円、わな猟: 8,200円 → 5,500円)。
狩猟業界の現状:なぜ今、新規ハンターが求められているのか
狩猟免許の費用を「投資」として評価するうえで、業界の現状を把握しておくことは重要だ。
| 指標 | データ | 出典 |
|---|---|---|
| 野生鳥獣による農作物被害額 | 年間約156億円(2022年度) | 農林水産省 |
| 鳥獣被害防止総合対策交付金 | ソフト対策約75.8億円+ハード対策約23.2億円(2024年度当初予算) | 農林水産省 |
| ジビエ販売金額の成長率 | 7年間で1.8倍に拡大 | 農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査(2023年度) |
| シカ半減目標 | 未達成のまま2028年に延長 | 環境省 |
| 狩猟者の実態 | 実猟者は実質10万人以下、高齢化が深刻 | 環境省 |
これらの数字が示すのは、鳥獣被害は拡大し続けている一方で、対応する担い手が圧倒的に不足しているという現実だ。自治体が助成金を充実させているのもこの背景がある。新規ハンターにとっては「追い風」の環境であり、狩猟免許への投資は今がチャンスといえる。
【キャリア視点】狩猟免許の費用は「投資」として回収できるのか
ここからが、「猟人」ならではの視点だ。狩猟免許にかかる費用を単なる「コスト」ではなく、「キャリアへの投資」として捉えたとき、いつ・どうやって元が取れるのかをシミュレーションする。
収入源1: 有害鳥獣の捕獲報奨金
全国の自治体では、イノシシやシカなどの有害鳥獣を捕獲した猟師に報奨金を支給している。金額は自治体によって大きく異なるが、2025年時点の相場は以下の通りだ。
- イノシシ: 1頭あたり約7,000〜16,000円(成獣の場合。栃木県鹿沼市では成獣16,000円)
- ニホンジカ: 1頭あたり約8,000〜25,000円(茨城県では報償金制度あり。成獣15,000円前後が多い)
- その他有害鳥獣: カラスやサル等、自治体により数千円の報奨金が設定されていることもある
報奨金は国・県・市の補助を合算した金額で、1頭あたり1万〜2万円が中央値と考えてよい。報奨金の詳細は「有害鳥獣駆除の報奨金はいくら?都道府県別の金額と申請方法」で解説している。
収入源2: ジビエの販売
捕獲した獣肉を食肉処理施設に持ち込み、適正に処理・販売することで収入を得られる。ただし、食品衛生法に基づく営業許可を持つ処理施設で解体された肉でなければ販売できない点に注意が必要だ。
- 鹿肉: ロースで約2,000〜4,500円/kg(専門店での販売価格)
- 猪肉: 約2,000〜4,000円/kg
- 処理施設への持込みでは、1頭あたり3,000〜8,000円程度の買取が相場
ジビエ市場は拡大傾向にあり、農林水産省の調査によるとジビエの利用量は年々増加している。自家消費で食費を節約するという活用法も現実的だ。鹿肉を使ったレシピについては「鹿肉レシピ15選」も参考にしてほしい。
収入源3: 有害鳥獣駆除員としての活動
自治体から委託を受けて有害鳥獣駆除に従事する場合、日当や委託料が支払われることがある。金額は地域や契約形態によって異なるが、1日あたり数千円〜1万円程度の日当が一般的だ。
費用回収シミュレーション
以下は「わな猟で副業的に活動する場合」の費用回収モデルだ。
前提条件:
- わな猟免許のみ取得(初年度費用: 約10万円)
- 月平均3〜5頭のイノシシ・シカを捕獲
- 報奨金の平均: 1頭あたり12,000円
- ジビエ買取(処理施設持込み): 1頭あたり平均5,000円
年間収入シミュレーション:
- 報奨金: 12,000円 × 40頭/年 = 480,000円
- ジビエ買取: 5,000円 × 20頭/年(処理施設に持ち込む分) = 100,000円
- 年間収入合計: 約580,000円
このモデルでは、初年度の費用約10万円は、活動開始から約3か月で回収できる計算になる。もちろん、活動エリアや捕獲頭数は個人差が大きいが、「趣味で始めたつもりが、気づけば副収入になっていた」という声はよく聞く。
さらにキャリアを進め、専業の有害鳥獣駆除員として自治体から委託を受ける場合、年間200万〜400万円の収入も現実的な数字だ。5年間の累積費用約27万円(パターンA)に対して、十分に回収可能な投資であることがわかるだろう。
| キャリアパス | 初年度費用 | 年間維持費 | 想定年間収入 | 投資回収期間 |
|---|---|---|---|---|
| 趣味ハンター(週末猟) | 約7〜13万円 | 約3万円 | 0円(趣味) | 回収しない |
| 副業猟師(有害駆除中心) | 約10〜20万円 | 約4〜5万円 | 約15〜50万円 | 約3〜12か月 |
| 専業猟師(捕獲+ジビエ販売) | 約25〜35万円 | 約7〜8万円 | 約100〜300万円 | 約2〜4か月 |
| 有害鳥獣駆除専門員 | 約20〜30万円 | 約5〜6万円 | 約200〜400万円 | 約1〜2か月 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 狩猟免許の取得費用は合計でいくらですか?
免許試験の受験だけなら約17,000〜20,000円(受験料5,200円+予備講習約10,000円+診断書約3,000〜5,000円)です。ただし、銃猟の場合は猟銃所持許可の費用(約70,000〜85,000円)が別途かかります。装備品や狩猟者登録まで含めた初年度の費用合計は、わな猟で約7〜13万円、第一種銃猟で約25〜34万円が目安です。
Q2. 狩猟免許で一番安く取れるのはどの種類ですか?
網猟免許が最も安く、初年度約6〜10万円で始められます。次いでわな猟免許が約7〜13万円。どちらも猟銃所持許可が不要なため、手続き費用と装備費を大幅に抑えられます。実用的には、捕獲報奨金の対象となる獣類が捕れるわな猟が人気です。
Q3. 狩猟免許の費用に使える補助金はありますか?
はい、多くの自治体で狩猟免許取得への助成金・補助金制度があります。受験手数料・講習料・診断書代・射撃教習費用などが助成対象となり、上限額は自治体により5,000〜80,000円程度と幅があります。お住まいの市区町村の鳥獣対策担当課や農林課に問い合わせてみてください。
Q4. 毎年かかる維持費はいくらですか?
狩猟者登録(登録手数料+狩猟税)、猟友会費、ハンター保険で年間約25,000〜55,000円が固定費です。これに加え、弾代や罠の修繕費、ガソリン代などの変動費が年間10,000〜30,000円ほどかかります。免許の種類と活動頻度によって幅がありますが、月額換算で3,000〜7,000円程度です。
Q5. 狩猟免許の費用は確定申告で経費にできますか?
狩猟を事業(副業含む)として行い、その収入を確定申告する場合、免許取得費用や狩猟者登録費用、装備品代などは必要経費として計上できる可能性があります。ただし、趣味としての狩猟では経費にはできません。詳しくは税理士や最寄りの税務署にご確認ください。
Q6. 捕獲報奨金で狩猟免許の費用は回収できますか?
はい、活動的に捕獲を行えば十分に回収可能です。イノシシやシカの報奨金は1頭あたり約7,000〜25,000円(自治体による)。わな猟で月3〜5頭ペースで捕獲すれば、初年度の費用は数か月で回収できる計算です。ただし報奨金は「有害鳥獣捕獲」として自治体から許可を受けた活動が対象であり、狩猟期間中の自主的な狩猟は対象外の場合があります。
Q7. 狩猟免許と猟銃所持許可の費用は別ですか?
はい、完全に別です。狩猟免許は都道府県(環境部局)が管轄し、猟銃所持許可は公安委員会(警察)が管轄しています。わな猟・網猟であれば狩猟免許だけで猟ができますが、銃猟の場合は両方の費用がかかります。それぞれの手続きは独立しているため、個別に費用を把握しておく必要があります。
まとめ|狩猟免許の費用合計を把握して、確かな一歩を踏み出そう
この記事では、狩猟免許の費用を「合計」で把握するために、5つのフェーズに分解し、免許種別・都道府県別・年次別のさまざまな角度から整理してきた。
費用の要点を改めてまとめると:
- わな猟のみ: 初年度約7〜13万円、5年間累計で約27万円
- 第一種銃猟+わな猟: 初年度約30〜40万円、5年間累計で約73万円
- 助成金を活用すれば実質負担を大幅に軽減可能
- 副業猟師として活動すれば、数か月〜1年で費用回収が見込める
狩猟免許にかかる費用は、他の専門資格と比べて決して高くはない。むしろ、捕獲報奨金やジビエ販売による収入を考えれば、キャリアへの「投資」として極めて回収効率の高い資格だといえる。
高齢化が進む狩猟業界において、20〜40代の新規参入者は自治体からも歓迎されており、補助金などのサポート体制は今後さらに充実していくことが予想される。
「費用はわかった。あとは行動するだけ」。この記事が、あなたの狩猟キャリアを前に進めるきっかけになれば幸いだ。
参考情報
本記事の作成にあたり、以下の情報源を参考にした(2025〜2026年時点の情報に基づく)。
1. 環境省「狩猟免許を取得する」 – 狩猟免許制度の概要、受験手数料
2. 警視庁「手数料一覧」 – 猟銃等講習会・所持許可申請の手数料(2025年時点)
3. 東京都主税局「狩猟税」 – 狩猟税の税額一覧
4. 環境省「狩猟者登録をする」 – 狩猟者登録の手続き・費用
5. 大日本猟友会「狩猟免許の取得」 – 予備講習・猟友会費の目安
6. 山口県「令和7年度狩猟免許取得等の経費助成について」 – 自治体助成金の具体例
7. 農林水産省「ジビエとして流通・販売をお考えの方へ」 – ジビエの食品衛生法上の取扱い
8. 農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)」 – ジビエ販売金額の推移


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