最終更新: 2026-06-14
2026年6月第2週は、北海道でエゾシカの狩猟期間延長が正式決定し、鳥獣管理の制度面で大きな動きがあった。栃木県宇都宮市では住宅街にクマが出没し緊急狩猟が実施されたほか、青森県ではイノシシ捕獲数が過去最多を更新した。また各地で狩猟の担い手確保に向けた講習会が相次いで開催されている。今週の主要ニュースをカテゴリ別に整理してお届けする。
狩猟行政・法改正
北海道でエゾシカの狩猟期間を最大2カ月延長へ
北海道は2026年度から、道内32市町村を対象にエゾシカの狩猟期間を半月から最大2カ月延長する方針を固めた。エゾシカによる農林業被害は依然として深刻な水準にあり、従来の猟期だけでは個体数管理が追いつかない状況が続いていた。
今回の延長措置は、地域ごとの被害実態に応じて柔軟に期間を設定できる仕組みとなっている。対象となる32市町村はいずれもシカの生息密度が高く、農業被害額が大きいエリアだ。猟期が延びることでハンターの捕獲機会が増え、個体数の抑制効果が期待される。
北海道では環境省が掲げる「シカ半減目標」の達成期限が2028年に延長されたばかりだ。行政としてはガバメントハンター制度と合わせ、猟期延長という制度面からも鳥獣管理の強化を図る狙いがある。第一種銃猟免許の取得を検討している方にとっても、猟期が延びることは実猟経験を積むチャンスの拡大につながるだろう。(情報元:北海道新聞デジタル)
獣害対策
宇都宮市の住宅街にクマ出没、麻酔銃による緊急狩猟を実施
栃木県宇都宮市の住宅街でクマの目撃情報が相次ぎ、行政は緊急狩猟の判断に踏み切った。現場では麻酔銃が使用されたとみられ、クマは2頭いた可能性も指摘されている。
住宅密集地でのクマ対応は、住民の安全確保と動物への配慮を同時に求められる極めて難しい判断だ。通常の銃猟では周囲への危険が伴うため、麻酔銃の使用が選択されたものとみられる。近年、全国的にクマの市街地出没が増加傾向にあり、各自治体はこうした緊急事態への対応マニュアルの整備を急いでいる。(情報元:FNNプライムオンライン)
青森県でイノシシ捕獲数が過去最多の428頭を記録
青森県が発表した2025年度の鳥獣捕獲実績によると、イノシシの捕獲数が428頭に達し、過去最多を更新した。シカの捕獲数も急増しており、両種ともに生息域が北方へ拡大していることを示すデータだ。
かつて青森県はイノシシやシカの生息域外とされていたが、温暖化や耕作放棄地の増加を背景に、ここ数年で急速に分布が北上している。農業被害の防止に向けて「対策を」との声が地元から強まっており、電気柵の設置などハード面での防除と、捕獲体制の強化を両輪で進める必要がある。(情報元:読売新聞)
今週の獣害関連ニュース一覧
| 日付 | 地域 | 内容 | 情報元 |
|---|---|---|---|
| 6/9 | 栃木県宇都宮市 | 住宅街にクマ出没、麻酔銃で緊急狩猟を実施 | FNNプライムオンライン |
| 6/13 | 青森県 | イノシシ捕獲最多428頭、シカも急増 | 読売新聞 |
業界トレンド
広島県福山市が狩猟の担い手確保へ初の講習会を開催
広島県福山市は、狩猟の担い手確保を目的としたプロハンターによる講習会を初めて開催した。鳥獣害の増加に対して捕獲班の高齢化が進む現状を受け、市として新たなハンター育成に乗り出した形だ。
講習会ではプロの猟師が狩猟技術や魅力を直接伝えるプログラムが組まれた。全国的に猟友会員の平均年齢が上昇し続けるなか、自治体主導で若い世代の参入を促す取り組みは重要性を増している。猟友会への入会方法について情報収集を始めている方には、こうした自治体の講習会が実践的な第一歩となるだろう。(情報元:読売新聞 / 山陽新聞)
新潟県で狩猟免許取得のための講習会を実施
新潟県では、イノシシなどによる農作物被害への対応力を強化する目的で、狩猟免許の取得を目指す講習会が開催された。農業従事者や地域住民を対象に、狩猟免許の種類や取得手順、実猟に必要な知識を体系的に学べる内容だ。
狩猟免許には第一種銃猟、第二種銃猟、わな猟、網猟の4種類がある。なかでもわな猟免許は銃砲所持許可が不要なため、農家や地域住民が獣害対策として最初に取得するケースが多い。こうした講習会の開催は、地域の自衛力を高める有効な手段として各地に広がりつつある。(情報元:Yahoo!ニュース / 日テレNEWS NNN)
まとめ
今週は、鳥獣管理の「制度」と「現場」の両面で注目すべきニュースが並んだ。北海道のエゾシカ猟期延長は、個体数管理における行政の本気度を示す施策であり、先週のガバメントハンター制度と合わせて鳥獣管理の新たなフェーズに入ったといえる。
獣害対策の面では、宇都宮のクマ緊急狩猟と青森のイノシシ・シカ急増が象徴的だ。野生鳥獣の生息域拡大は全国的なトレンドであり、従来は被害が少なかった地域でも対策の必要性が高まっている。
一方、福山市や新潟県での講習会開催は、狩猟の担い手不足という構造的な課題に対する地道な取り組みだ。制度を整えても、現場で動くハンターがいなければ獣害は止まらない。来週も各地の担い手確保策やジビエ市場の動向に注目していきたい。
参考記事
- 読売新聞「広島:狩猟の魅力プロに学ぶ 福山市 なり手増へ講習会」(2026年6月7日)
- Yahoo!ニュース「狩猟免許の取得目指す講習会 新潟」(2026年6月8日)
- 北海道新聞デジタル「エゾシカ狩猟期間、半月~2カ月延長へ 北海道内32市町村」(2026年6月8日)
- 読売新聞「ハンター求む、プロが狩猟の魅力PR…鳥獣害は増加、捕獲班は高齢化」(2026年6月8日)
- 山陽新聞「プロが狩猟技術伝える 福山市担い手確保へ初の講習会」(2026年6月8日)
- FNNプライムオンライン「クマの目撃情報が相次ぐ栃木・宇都宮の住宅街で麻酔銃」(2026年6月9日)
- 読売新聞「青森:イノシシ捕獲最多428頭 シカも急増、生息域拡大か」(2026年6月13日)

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