猟友会の入り方とメリット|入会手順・費用・活動内容を徹底解説

猟友会の入り方とメリット|入会手順・費用・活動内容を徹底解説 狩猟文化

最終更新: 2026-04-16

最盛期の1978年には約42万人を数えた猟友会会員数ですが、近年は高齢化により減少が続いています。一方で、わな猟免許を取得する若年層や女性が増加傾向にあり、「猟友会に入りたいけれど、どうすればいいかわからない」という声も多く聞かれるようになりました。

「入会に推薦人は必要?」「費用はいくらかかる?」「そもそも猟友会に入るメリットはあるの?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、猟友会の入り方を5つのステップで具体的に解説し、入会にかかる費用、メリット・デメリット、そして実際の活動内容までを網羅的にお伝えします。まず猟友会の基本を押さえたうえで、入会手順を順番に見ていき、最後に「入るべきか」の判断材料をお届けします。

猟友会の入り方:始める前に知っておくこと

猟友会とは、狩猟者が任意で加入する全国組織です。正式名称は「一般社団法人 大日本猟友会」で、その歴史は明治時代にまでさかのぼります。全国に約1,200の地区猟友会(支部)があり、都道府県猟友会を経て大日本猟友会へとつながるピラミッド型の組織構造を持っています。

ここで押さえておきたいのは、猟友会への入会は「任意」であるという点です。法律上、狩猟を行うために猟友会への加入は義務ではありません。ただし、後述するように実際の狩猟活動では猟友会に所属していることが大きなアドバンテージになります。

項目 内容
正式名称 一般社団法人 大日本猟友会
設立 明治期(現在の法人格は2013年に一般社団法人化)
組織構造 地区猟友会(支部)→ 都道府県猟友会 → 大日本猟友会
加入の性質 任意加入(法的義務ではない)
全国の支部数 約1,200支部(2025年時点)
入会に必要な資格 [狩猟免許](https://kariudo.jp/hunting/hunting-license-how-to-get/)(銃猟の場合は銃所持許可も必要)

猟友会の入り方【5ステップで解説】

Step 1: 狩猟免許を取得する

猟友会に入会するための大前提は、狩猟免許を所持していることです。狩猟免許には4つの種類があり、自分が行いたい猟のスタイルに合わせて選びます。

免許の種類 対象 試験の概要
第一種銃猟免許 散弾銃・ライフルを使う猟 知識試験・適性検査・技能試験
第二種銃猟免許 空気銃を使う猟 知識試験・適性検査・技能試験
わな猟免許 くくり罠・箱罠などを使う猟 知識試験・適性検査・技能試験
網猟免許 網を使う猟 知識試験・適性検査・技能試験

銃猟(第一種・第二種)を行う場合は、狩猟免許に加えて猟銃の所持許可を公安委員会から取得する必要があります。わな猟・網猟の場合は狩猟免許のみで入会できます。

狩猟免許の取り方や費用の詳細については、別記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

Step 2: 入会する支部(地区猟友会)を決める

狩猟免許を取得したら、次に入会する支部を決めます。猟友会は居住地の支部に入会するのが一般的ですが、必ずしも居住地に限定されるわけではありません。実際に猟を行うエリアの支部に入会するケースもあります。

支部の探し方は主に以下の3つです。

  • 都道府県猟友会の公式サイトで支部一覧を確認する
  • 狩猟免許試験の会場で連絡先一覧表をもらう
  • 地元の銃砲店で紹介してもらう

都道府県猟友会に電話で問い合わせると、最寄りの支部と支部長の連絡先を教えてもらえます。「どの支部が自分に合っているかわからない」という場合は、都道府県猟友会の事務局に相談するのが確実です。

Step 3: 支部長にコンタクトを取る

入会したい支部が決まったら、支部長に連絡を取ります。電話が一般的で、「狩猟免許を取得したので、入会を希望しています」と伝えれば問題ありません。

この段階で確認しておくべきポイントは次のとおりです。

  • 入会に推薦人が必要かどうか(支部によって異なります)
  • 入会申込書の入手方法
  • 入会時に必要な書類
  • 初回の顔合わせや研修の日程

支部によっては推薦人(既存会員1~2名)が必要な場合があります。知り合いにハンターがいない場合でも、支部長に相談すれば紹介してもらえることがほとんどです。

Step 4: 必要書類を準備して入会申請する

支部長との面談後、入会に必要な書類を揃えて申請します。

必要書類 備考
入会申込書 支部から入手
狩猟免許証のコピー 全種別分
銃所持許可証のコピー 銃猟の場合のみ
身分証明書のコピー 運転免許証など
証明写真 支部による
入会金・年会費 現金またはで振込

書類を支部に提出し、入会金・年会費を支払えば手続きは完了です。多くの支部では、書類が揃えば即日~数日で入会が認められます。

Step 5: 狩猟者登録を行う

猟友会に入会したら、猟期前に「狩猟者登録」を行います。これは猟友会が代行してくれる手続きの一つで、入会の大きなメリットです。

狩猟者登録には、狩猟を行う都道府県ごとに登録が必要です。登録費用(狩猟税)は免許の種類と地域によって異なりますが、猟友会が一括して手続きを代行してくれるため、個別に役所を回る必要はありません。

猟友会の入会にかかる費用

猟友会の費用は「大日本猟友会」「都道府県猟友会」「地区猟友会(支部)」の3層構造になっており、それぞれに会費が発生します。地域による差が大きいため、目安としての金額を紹介します。

費用項目 金額の目安(2025年時点) 備考
大日本猟友会 会費 2,300~4,800円/年 免許の種類で変動
都道府県猟友会 会費 2,500~5,000円/年 都道府県により異なる
地区猟友会(支部)会費 4,000~10,000円/年 支部により大きく異なる
狩猟事故共済保険 会費に含まれる場合が多い 大日本猟友会の制度
入会金(初回のみ) 2,000~5,000円 支部による

合計すると、年間の猟友会関連費用は約13,000~20,000円程度が一般的です。

都道府県別の費用比較(主要エリア)

以下は主要な都道府県の猟友会費用の参考例です。正確な金額は各都道府県猟友会にお問い合わせください。

都道府県 年会費合計(目安) 特記事項
北海道 約15,000~18,000円 エゾシカ猟が盛ん。支部によって差が大きい
東京都 約13,000~15,000円 地区会費4,000~10,000円
兵庫県 約13,000~16,000円 第一種銃猟9,300円、わな猟6,800円(県猟友会費)
長野県 約14,000~17,000円 ニホンジカ対策の活動が活発
福岡県 約12,000~15,000円 イノシシ駆除の需要が高い

なお、猟友会費用のほかに狩猟税(都道府県税)が別途かかります。第一種銃猟で16,500円、わな猟で8,200円(対象鳥獣が異なる場合あり)が標準的な額です。狩猟を始めるまでの費用の全体像は狩猟免許の費用まとめで確認できます。

猟友会に入るメリット5つ

メリット1: 狩猟事故共済保険に加入できる

猟友会に入るメリットとして最も大きいのが、大日本猟友会の「狩猟事故共済保険」に自動加入できる点です。この保険は対人補償の限度額が4,000万円で、狩猟者登録時に必要な「3,000万円以上の損害賠償能力」の要件を満たすことができます。

猟友会に入らずに狩猟者登録を行う場合は、民間の保険に個別に加入する必要があり、手続きの手間と保険料の面で猟友会のほうが有利です。

メリット2: 狩猟者登録の手続きを代行してもらえる

猟友会に所属していると、毎年の狩猟者登録を猟友会が代行してくれます。個人で行う場合は各都道府県の窓口に出向く必要がありますが、猟友会経由なら書類を提出するだけで完了します。

特に複数の都道府県で狩猟を行う方にとって、この代行サービスは大きな時間の節約になります。

メリット3: 先輩ハンターから技術指導を受けられる

猟友会に入ることで、経験豊富な先輩ハンターとのつながりが生まれます。巻き狩りの勢子の動き方、くくり罠の仕掛け方、獲物の解体方法など、書籍やインターネットだけでは学べない実践的な技術を直接教えてもらえる環境は、特に初心者にとって貴重です。

狩猟を始めたばかりの方が独学で山に入るのはリスクが高いため、猟友会での技術指導は安全面でも重要な意味を持ちます。

メリット4: 有害鳥獣駆除に参加でき報酬を得られる

猟友会会員は、市町村からの要請による有害鳥獣駆除に参加する機会が得られます。国の鳥獣被害防止総合対策交付金では、イノシシやニホンジカの成獣1頭あたり8,000円が支給され、これに都道府県・市町村の報奨金が上乗せされます。

地域によって異なりますが、シカ1頭で5,000~36,000円、イノシシで数千円~20,000円程度の報奨金が出るケースが一般的です。猟友会に所属していることで、こうした駆除活動への参加ルートが開かれます。有害鳥獣駆除の報奨金の詳細も確認しておくとよいでしょう。

農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、ジビエの食肉販売金額は全国合計で約44億円に達しています(e-Stat 統計表ID: 0002119974)。ジビエ市場が拡大するなか、猟友会を通じた有害駆除への参加は収入源としても注目されています。

メリット5: 狩猟用装備品の配布と情報提供

入会時には狩猟用の帽子やベストが配布されます(初回のみ)。これらは猟場での安全確認に使われるオレンジ色の装備で、山での誤射事故を防ぐ役割があります。

また、猟友会を通じて以下のような情報が定期的に提供されます。

  • 鳥獣保護法の改正情報
  • 猟期や禁猟区域の変更
  • 射撃大会や研修会の案内
  • 狩猟に関する安全講習

猟友会のデメリット・注意点

猟友会への入会にはメリットが多い一方で、知っておくべきデメリットもあります。

デメリット 詳細 対処法
年会費がかかる 年間13,000~20,000円程度 有害駆除の報奨金で一部を回収可能
集会や行事への参加が求められる 総会・射撃大会・安全講習など 支部によって頻度は異なる。事前に確認を
人間関係の付き合いがある グループ猟が基本の支部も多い 単独猟派は支部の雰囲気を事前に確認
支部によって活動スタイルが異なる 活発な支部と休眠状態の支部がある 複数の支部を比較検討する

特に注意したいのは「支部による差」です。同じ都道府県内でも、支部によって活動頻度、雰囲気、年齢構成が大きく異なります。入会前に支部長と直接話をして、活動内容やメンバーの雰囲気を確認することが重要です。

猟友会に入らなくても狩猟はできる?

法律上、猟友会への入会は狩猟の必須条件ではありません。ただし、猟友会に入らずに狩猟を行うには、以下を自力で対応する必要があります。

項目 猟友会会員 非会員
狩猟者登録 猟友会が代行 自分で各都道府県に申請
損害賠償保険 共済保険に自動加入 民間保険に個別加入(年間数万円)
猟場の情報 先輩から共有される 自力で開拓
有害駆除への参加 猟友会経由で参加可能 自治体に直接申し込み(採用されにくい)
安全講習・研修 猟友会主催で受講 自分で情報収集

特に初心者の段階では、猟場の情報や安全に関する知識を先輩から学べる猟友会のメリットは大きいといえます。ある程度の経験を積み、自分の猟スタイルが確立してから脱退を検討するハンターもいますが、多くのベテランハンターは「最初の数年間は猟友会で基礎を固めるべき」と口を揃えます。

実際に入会してみると…(現場の声)

猟友会への入会を決めた方の多くが、最初に驚くのは「地域密着のコミュニティ」としての側面です。猟友会は単なる手続き代行組織ではなく、地域の山や自然を守るための住民活動という性格を持っています。

入会初年度は先輩会員について山に入り、猟場の地形や獣道の見方を教わることが一般的です。書籍では学べない「この山のこの尾根にはシカが通る」「この時期のこの沢にはイノシシが降りてくる」といったローカルな知識は、猟友会のネットワークでしか得られない情報です。

一方で、「年配の会員が多く、若手が意見を言いにくい」「飲み会が多い」という声もあります。支部の雰囲気は千差万別であり、合わないと感じたら別の支部に移ることも選択肢の一つです。

脱サラや地方移住をきっかけに猟友会に入会する方も増えています。猟師として移住する場合の自治体支援を活用すれば、入会金や装備費の補助を受けられるケースもあります。狩猟を本業にしたい方、副業として取り組みたい方のいずれにとっても、猟友会は業界への入り口として機能しています。

猟友会の入り方に関するよくある質問

Q1: 猟友会への入会に年齢制限はありますか?

猟友会自体に年齢制限はありませんが、狩猟免許の取得には20歳以上(網猟・わな猟は18歳以上)である必要があります。免許を持っていれば、年齢の上限なく入会できます。近年は20~40代の入会者が増加傾向にあります。

Q2: 猟友会に入るのに推薦人は必要ですか?

支部によって異なります。推薦人が必要な支部もあれば、不要な支部もあります。推薦人が必要な場合でも、支部長に相談すれば既存会員を紹介してもらえるケースがほとんどです。まずは支部長に連絡を取ることが第一歩です。

Q3: 猟友会の年会費はいくらですか?

大日本猟友会・都道府県猟友会・地区猟友会の3層の会費を合計して、年間約13,000~20,000円が目安です。ただし、地域や免許の種類によって変動します。なお、狩猟税(第一種銃猟で16,500円、わな猟で8,200円)は別途かかります。

Q4: 居住地以外の猟友会に入会できますか?

入会できるケースがあります。実際に猟を行う地域の支部に入会するハンターもいます。ただし、支部によっては居住地の制限を設けている場合もあるため、事前に確認が必要です。

Q5: 猟友会を途中で辞めることはできますか?

いつでも退会できます。退会届を支部に提出すれば手続きは完了です。ただし、年度途中で退会しても年会費の返金がない支部がほとんどです。狩猟事故共済保険も退会と同時に失効するため、猟期中の退会は慎重に判断してください。

Q6: 女性でも猟友会に入れますか?

もちろん入会できます。近年は女性ハンターの増加に伴い、女性会員を歓迎する支部も増えています。大日本猟友会も女性ハンターの育成を積極的に推進しています。「目指せ!狩りガール」というプロジェクトも展開されており、女性の狩猟参入を後押しする取り組みが広がっています。

Q7: 猟友会に入ると有害駆除に参加しなければなりませんか?

有害鳥獣駆除への参加は任意です。ただし、駆除活動は猟友会の重要な社会的役割であり、参加を推奨している支部は多くあります。駆除に参加すれば報奨金も得られるため、実猟経験と収入の両面でメリットがあります。

まとめ:猟友会の入り方のポイント

猟友会への入会手順と費用、メリット・デメリットについて解説しました。要点を整理します。

  • 猟友会への入会は任意だが、初心者にとって技術指導・保険・手続き代行のメリットは大きい
  • 入会の流れは「狩猟免許取得 → 支部選び → 支部長連絡 → 書類提出・入金 → 狩猟者登録」の5ステップ
  • 年間費用は約13,000~20,000円(別途狩猟税あり)
  • 有害鳥獣駆除への参加で、シカ1頭5,000~36,000円の報奨金を得られる可能性がある
  • 支部による雰囲気の違いが大きいため、入会前に支部長と直接話をすることが重要

これから狩猟を始めたいと考えている方は、まず狩猟免許の取り方を確認し、免許取得の準備から始めてみてください。狩猟の世界への第一歩として、猟友会は心強いパートナーになるはずです。

狩猟・ジビエ業界の専門用語が気になる方は用語集も参考にしてください。また、マタギの文化と歴史を知ることで、日本の狩猟文化への理解がより深まります。

参考情報

  • 大日本猟友会 公式サイト「猟友会に入ろう!」(http://j-hunters.com/about/member.php)
  • 環境省「狩猟者数の推移」(http://j-hunters.com/info/suii.php)
  • 農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)(e-Stat 統計表ID: 0002119974)
  • 東京都猟友会「入会について」(https://www.toryo.org/)
  • マイナビ農業「ハンターが教える、猟友会のすべて」(https://agri.mynavi.jp/2020_02_04_104717/)



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