最終更新: 2026-10-15
ジビエレザーとは、有害鳥獣駆除や狩猟で捕獲された鹿・猪などの皮を鞣し加工した革のことです。これまで多くは食肉処理の過程で廃棄されていましたが、近年はこの皮を財布やバッグなどの革製品に活用するブランドが登場しています。本記事では、静岡県伊東市のブランド「Impronte(インプロンテ)」の事例を基に、ジビエレザーの現状と市場規模を解説します。
ジビエレザーとは?定義と市場規模

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 有害鳥獣駆除・狩猟で捕獲された鹿・猪等の皮を鞣し加工した革 |
| 主な用途 | 財布、バッグ、キーケースなどの革小物 |
| これまでの扱い | 食肉処理の過程で多くが廃棄されていた |
| 近年の動き | 皮を資源として活用するブランドが複数登場 |
農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)」によると、食肉処理施設が野生鳥獣の処理で得た金額のうち、皮革としての販売金額は全国で約1,400万円(処理金額全体の0.3%)にとどまります。食肉(81.5%)やペットフード(16.4%)に比べると皮革の活用はごく少数派ですが、実際に事業化する動きが出てきています。
事例:静岡県伊東市のブランド「Impronte」

2026年10月、ジビエレザーを扱うブランド「Impronte」が、駆除された鹿と猪の革で作った二つ折り財布「curva(クルヴァ)」をクラウドファンディングサービスMakuakeで発表したことが報じられました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ブランド名 | Impronte(インプロンテ) |
| 設立年 | 2019年 |
| 創業者の経歴 | 元静岡県伊東市の地域おこし協力隊として約10年間、有害鳥獣駆除業務に携わった |
| 革の産地 | 静岡県伊東市産(野生の鹿・猪の皮) |
| 商品名 | curva(クルヴァ、二つ折り財布) |
創業者は地域おこし協力隊として有害鳥獣駆除に携わった経験から、「駆除された個体を単なる対策の対象ではなく、活用できる資源として見直す」という考えに至ったとされています。この経緯は、本サイトの読者層でもある「有害鳥獣駆除の仕事から次のキャリアを考えたい」という層にとって、具体的な展開先の一例といえます。
curvaウォレットの特徴とクラウドファンディングの結果

curvaは、カーブを描くデザインとバイカラーの配色が特徴の二つ折り財布で、コンパクトなサイズながらコイン・カードを収納できる設計になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格帯 | 19,800円(スーパーアーリーバード)〜30,000円(正規価格) |
| Makuake目標金額 | 10万円 |
| 結果 | 目標金額100%超えを達成、全リターンが完売(受付終了) |
| 販売終了日 | 2026年11月29日 |
目標金額自体は10万円と大きくありませんが、全リターンが完売した点から、ジビエレザー製品への一定の需要があることがうかがえます。
ジビエレザーが広がる背景

ジビエの食肉処理では、シカ・イノシシの搬入重量に占める皮の重さは小さくないものの、鞣し加工の工程やコストの問題から、多くの処理施設では皮を資源化せず廃棄しているのが実情です。前述の農水省統計でも皮革の販売金額は0.3%にとどまり、鹿角製品(1.7%)よりも低い水準です。
Impronteのような取り組みが広がる背景には、次のような要素があります。
- 有害鳥獣駆除の件数自体は高水準で推移しており、捕獲後の個体の活用先を増やす必要性が指摘されている
- 食肉・ペットフードに次ぐ「もう一つの資源化先」として皮革に注目するブランドが出てきている
- 地域おこし協力隊など、駆除の現場経験を持つ人材が自らブランドを立ち上げるケースがある
ジビエレザーの取り組みに関わるには

ジビエレザーの事業化は、狩猟免許や解体スキルだけでなく、革の鞣し加工や製品デザイン・販路開拓など食肉処理とは異なる専門性が必要になります。有害鳥獣駆除や加工施設での勤務を通じて個体の扱いに慣れてから、資源化の分野に進むというキャリアの選択肢も考えられます。加工施設での求人情報は「ジビエ加工施設の求人」で紹介しています。
まとめ:ジビエレザーのポイント
- ジビエレザーとは、有害鳥獣駆除・狩猟で捕獲された鹿・猪の皮を鞣し加工した革のこと
- 農水省統計(令和5年度)では、皮革の販売金額は野生鳥獣処理金額全体の0.3%(約1,400万円)と少数派
- 静岡県伊東市のブランド「Impronte」は、地域おこし協力隊として10年間有害鳥獣駆除に携わった経験から2019年に設立
- 財布「curva」はMakuakeで目標金額100%超えを達成し、全リターンが完売
- 食肉・ペットフードに次ぐ資源化先として、皮革を活用する動きが少しずつ広がっている
有害鳥獣駆除の仕事内容や収入については「猟師の年収リアル事情」もあわせてご覧ください。狩猟・ジビエ業界の統計は狩猟・ジビエ業界データまとめで定期更新しています。
参考情報
- 静岡新聞アットエス「ジビエレザーを扱うブランド『Impronte』駆除された鹿と猪の革で出来た二つ折り財布を開発。早くもMakuakeにて目標金額100%超えを達成!」(PR TIMES配信、確認日: 2026年10月15日)https://www.at-s.com/feed/article/pr_times/2076093.html
- PR TIMES「ジビエレザーを扱うブランド『Impronte』駆除された鹿と猪の革で出来た二つ折り財布を開発」(確認日: 2026年10月15日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000192182.html
- Makuake「curva(クルヴァ)」プロジェクトページ(確認日: 2026年10月15日)https://www.makuake.com/project/curvawallet
- 農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査」確報(令和5年度)食肉処理施設の販売実績等(全国)野生鳥獣を処理して得た金額(確認日: 2026年10月15日)https://www.e-stat.go.jp/

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