猟師になるには?狩猟免許の取り方・費用・収入まで完全ロードマップ【2026年版】

猟師になるには?狩猟免許の取り方・費用・収入まで完全ロードマップ【2026年版】 未分類

猟師になりたい——その一歩を踏み出すための完全ガイド

「自然の中で生きたい」「食の安全・自給自足に興味がある」「農業被害対策に携わりたい」「副業・移住先で猟師を始めたい」——。

近年、そんな思いから狩猟に興味を持つ20〜40代が急増している。農林水産省の統計によると、日本の農業被害は年間約156億円(令和4年度)にのぼり、鳥獣被害対策の担い手不足は深刻だ。一方でジビエ(野生鳥獣の食肉)の市場規模は7年間で1.8倍に拡大し(農水省2023年度調査)、ジビエ業界で生きるチャンスも広がっている。

しかし、「猟師になるには何から始めれば?」という疑問に、わかりやすく答えてくれる情報はなかなか見つからない。

本記事では、猟師になるための完全ロードマップを、未経験者向けに丁寧に解説する。免許の種類から費用・試験内容・猟友会の入り方・実猟デビューまで、必要な情報をすべて網羅した。

猟師になるための5ステップ

猟師になるプロセスは大きく5つのステップに分かれる。

ステップ 内容 目安時期
STEP 1 狩猟の種類を決める(銃猟 or わな猟) 即日
STEP 2 狩猟免許を取得する 約2〜3か月
STEP 3 猟友会に入会し、先輩猟師に弟子入りする 免許取得後
STEP 4 狩猟者登録を行い、猟期を迎える 毎年10〜11月
STEP 5 実猟を重ねてスキルアップし、収入化を目指す 猟期(11月〜2月)

この5ステップを踏めば、誰でも猟師になることができる。ただし、銃猟の場合は「銃砲所持許可」の取得という追加プロセスが必要になる。それぞれ詳しく見ていこう。

狩猟免許の種類と特徴

日本の狩猟免許には4種類がある。まず自分が何の猟をやりたいかを決めることが、猟師への第一歩だ。

免許の種類 使用できる猟具 対象鳥獣 難易度 初期費用目安
第一種銃猟免許 装薬銃(散弾銃・ライフル銃) シカ・イノシシ・クマ・カモ等 高い 40〜100万円以上
第二種銃猟免許 空気銃 カモ・キジバト等の小型鳥獣 中程度 5〜20万円
わな猟免許 くくり罠・箱罠等 シカ・イノシシ等(鳥類以外) 低〜中程度 5〜30万円
網猟免許 むそう網・霞網等 カモ類・ヤマドリ等 高い 10〜50万円

未経験者に最もおすすめのルート

初心者にはわな猟免許からスタートすることを強くすすめる。

理由は3つある。

1. 費用が安い:罠の購入費だけで始められ、銃のような高額な初期費用が不要

2. 取得が比較的容易:試験の技能試験でライフルの取り扱いを問われないため、学習ハードルが低い

3. 有害鳥獣駆除の需要が高い:シカ・イノシシ対策でわな猟師を求める自治体が多く、活躍の場が広い

「有害鳥獣対策のプロになりたい」「クマも対応できるようになりたい」という方は、わな猟免許を取得後に第一種銃猟免許へとステップアップするルートが王道だ。

狩猟免許の取り方:試験の内容と合格のコツ

試験の申し込み方法

狩猟免許の試験は、都道府県が主催している。以下の手順で申し込む。

1. 自分が住む都道府県の農林・環境担当部局(農政事務所、環境局など)のHPを確認

2. 試験日程・申請書類を確認し、申し込みを行う

3. 受験料(都道府県によって異なるが概ね5,200〜8,200円程度)を納付

4. 試験当日を迎える

試験は通常、年に2〜3回実施される(都道府県によって異なる)。多くの場合、7〜9月に第一回、10月に第二回が行われる。

試験の内容

狩猟免許の試験は3科目で構成される。

試験科目 内容
知識試験(筆記) 鳥獣保護管理法・捕獲禁止鳥獣・猟具の仕組み・保護区・鳥獣の見分け方
技能試験 猟具の取り扱い・装填・分解(銃猟)、罠の設置・解除(わな猟)など
適性試験 視力・聴力・運動能力など身体的な適性の確認

合格率はどのくらい?

狩猟免許試験の合格率は一般的に70〜80%程度といわれており、きちんと準備すれば合格は難しくない。

ただし、鳥獣の見分け(識別)が苦手な受験者が多い。試験では標本や写真を見て「この鳥は捕獲可能か」を答えさせるため、事前に狩猟鳥獣図鑑などで徹底的に覚えておくことが重要だ。

猟師志望者向け講習会の活用

各都道府県では、試験前に「狩猟免許事前講習会」を実施している。この講習会を受講することを強くすすめる。

  • 試験の出題傾向を把握できる
  • 鳥獣の識別を実物や標本で学べる
  • 猟友会のベテランから直接アドバイスをもらえる
  • 同期の受験者とつながれる(入会後の仲間作りにも有効)

講習会の受講費は5,000〜7,000円程度(都道府県によって異なる)。

猟師になるための費用:初期費用とランニングコスト

「猟師になるにはどのくらいお金がかかるの?」という質問は多い。正直に言うと、選ぶ猟の種類によって費用は大きく異なる。

初期費用の比較(わな猟 vs 銃猟)

項目 わな猟 第一種銃猟(散弾銃)
狩猟免許試験受験料 約5,200〜8,200円 約5,200〜8,200円
事前講習会受講費 約5,000〜7,000円 約5,000〜7,000円
猟友会入会費 約5,000〜20,000円 約5,000〜20,000円
銃砲所持許可申請 不要 約6,000〜8,000円
散弾銃購入費 不要 15〜50万円以上
銃用ロッカー購入費 不要 約3〜10万円
罠購入費(初期) 3〜10万円 1〜5万円(罠も使用する場合)
狩猟者登録料 約8,000〜1万5千円/年 約8,000〜1万5千円/年
猟友会年会費・保険料 約2〜5万円/年 約2〜5万円/年
**初年度合計目安** **約12〜31万円** **約28〜74万円以上**

毎年かかるランニングコスト

猟師として毎年発生する費用の目安は以下の通り。

  • **狩猟者登録料**:8,000〜1万5千円(猟種・都道府県によって異なる)
  • **猟友会年会費・狩猟保険料**:2〜5万円
  • **わな・弾薬・消耗品費**:1〜10万円(猟の種類・規模による)
  • **交通費・燃料費**:1〜10万円以上(猟場の距離による)

合計すると、毎年5〜30万円程度のランニングコストが発生する。

実猟デビューまでの道のり

免許を取得しただけでは猟師になれない。免許は「狩猟ができる資格」であり、実際に狩猟を行うためには以下のプロセスが必要だ。

銃猟の場合:追加の手続きが必要

銃猟(第一種・第二種)の場合、狩猟免許取得後に「銃砲所持許可」を取得しなければならない。これは都道府県の警察署(生活安全課)が管轄する手続きで、審査には概ね3〜6か月かかる。

手続きの流れ:

1. 警察署で申請書類を入手・作成

2. 身元照会・精神科医の診断書の取得

3. 射撃教習の受講(初回取得時は義務)

4. 所持許可申請

5. 銃砲店で銃を購入し、銃の確認

猟友会への入会が事実上の必須条件

免許・許可が揃ったら、次は「猟友会」への入会だ。正確には猟友会への加入は任意だが、事実上の必須条件と考えておいたほうがよい。

理由は以下の通り。

  • **猟場の情報が猟友会を通じて共有される**
  • **先輩猟師から技術を学べる**(独学での独り立ちは非常に難しい)
  • **狩猟保険への加入**が猟友会経由で行いやすい
  • **有害鳥獣駆除の仕事**は猟友会を通じて紹介されることが多い

猟友会への入会は「猟師」としての最初のコミュニティへの参加を意味する。先輩猟師に弟子入りし、2〜3シーズンかけて一人前の猟師として独り立ちするのが一般的なルートだ。

猟期を迎える:狩猟者登録

狩猟免許を取得したあと、実際に猟をするためには毎年「狩猟者登録」を行う必要がある。狩猟者登録は猟をする都道府県の農林担当部局に申請し、登録料(鳥獣保護区や猟種によって異なるが概ね8,000〜1万5千円程度)を支払う。

日本の猟期は原則11月15日〜翌2月15日(北海道は10月1日〜4月30日)。この期間内であれば、登録した都道府県内で狩猟が可能だ。

猟師の仕事と収入の実態

猟師の収入は「狩猟だけ」では成り立たない

正直に言おう。日本で「猟師だけ」で生計を立てるのは、現時点では非常に難しい。

理由は明確だ。猟期は約3か月(11月〜2月)しかなく、この期間外は原則として狩猟ができない。捕獲した鳥獣を「ジビエ」として販売するには、食肉処理施設を経由する必要がある。

しかし、複数の収入源を組み合わせることで、猟師として生きる道は十分にある。

猟師の収入モデル(年収の目安)

タイプ 収入源 年収目安
専業猟師 有害鳥獣駆除報酬+ジビエ販売+補助金 220〜350万円
兼業猟師 本業収入+有害鳥獣駆除報酬 本業+50〜150万円
農業+猟師 農業収入+自家食肉・被害防止 農業収入で変動
ガバメントハンター 自治体給与(正規・会計年度任用) 200〜350万円

収入を得るための主なルート

1. 有害鳥獣駆除の報酬

自治体や農家から依頼を受けて、シカ・イノシシ等を駆除する。報酬は1頭あたり数千〜数万円(鳥獣の種類・自治体の補助制度による)。農業被害対策の予算が年間約99億円規模で継続的に投下されており、需要は安定している。

2. ジビエの販売

農林水産省の「野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)」によると、国内のジビエ販売金額は約54億円(e-Stat統計表ID: 0002119974)。食肉処理施設と連携してシカ・イノシシを販売することで収入が得られる。

3. ガバメントハンター・捕獲官への転身

安定収入を求めるなら、ガバメントハンター・捕獲官として自治体に雇用されるルートも有望だ。

4. 猟師としての体験・スクール事業

自らの経験を活かして、狩猟体験ツアーや、新規猟師向けの指導・スクール事業を行う猟師も増えている。

よくある質問

Q1. 猟師免許は何歳から取れますか?

狩猟免許の取得に年齢制限の下限はありません(未成年でも取得可能)。ただし、第一種銃猟免許の場合は「銃砲所持許可」の取得に20歳以上という要件があります。

Q2. 女性でも猟師になれますか?

もちろんです。近年は女性猟師(「狩女子」とも呼ばれる)が増えています。体力的なハードルはありますが、わな猟では女性でも十分に活躍できます。

Q3. 狩猟免許の試験はどのくらい難しいですか?

合格率は都道府県・猟種によって異なりますが、概ね70〜80%程度です。事前講習会を受講したうえで、鳥獣の識別と猟具の取り扱いをしっかり練習すれば、独学でも十分合格を目指せます。

Q4. 猟師は1人でもできますか?

独り立ちするまでには先輩猟師の指導が必要です。特に銃を使った巻き狩りは複数人で行うのが原則です。わな猟は比較的1人でも管理しやすいですが、最初は猟友会の先輩について学ぶことを強くすすめます。

Q5. 猟師になるのに何年かかりますか?

免許取得自体は最短2〜3か月で可能です。ただし「独り立ちして自分で獲物を仕留めること」ができるようになるには、通常2〜3シーズン(2〜3年)の実猟経験が必要です。

Q6. 猟師に向いている人の特徴は?

自然が好きで体を動かすことが苦にならない人、粘り強く諦めない忍耐力のある人、動物の行動・習性に興味がある人が向いています。また、地域コミュニティとの連携も重要なため、コミュニケーション能力も大切です。

Q7. 農業被害対策として猟師になりたいのですが?

素晴らしい動機です。農業被害対策には特にわな猟が重視されています。地域の農家や自治体と連携することで、有害鳥獣駆除の依頼を受けながら経験を積むことができます。猟師の転職・キャリアチェンジの観点でも、農業被害対策専門の猟師は今後の需要が期待できます。

関連記事: 捕獲官とは?仕事内容・採用要件・ガバメントハンターとの違いを徹底解説【2026年版】

まとめ:今すぐできる「猟師への第一歩」

猟師になることは、決して難しくない。

最初の一歩は「狩猟免許試験の申し込み」だ。居住地の都道府県の農林・環境担当部局のホームページを検索し、次回の試験日程を確認してほしい。多くの場合、試験は7〜10月に実施されており、今から準備を始めれば今シーズンの猟期(11月〜)に間に合う可能性がある。

農林水産省による鳥獣被害対策予算は年間約99億円規模で継続投下されており、担い手不足のなかで猟師の社会的価値はますます高まっている。ジビエ販売額も7年で1.8倍(農水省令和5年度調査)と成長が続いており、猟師として生計を立てるチャンスも広がっている。

「猟師の生活」の具体的なイメージをつかみたい方は「猟師の生活と収入の実態」もあわせてお読みください。

あなたの猟師ライフが充実したものになることを願っている。



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