今週の狩猟・ジビエニュースまとめ【10/5–10/11】

今週の狩猟・ジビエニュースまとめ【10/5--10/11】 未分類

最終更新: 2026-10-11

10月第2週(2026年10月5日〜10月11日)は、クマ対応の現場で浮かび上がる担い手不足の構造的な課題が目立った一週間だった。和歌山県古座川町と北海道でそれぞれ緊急銃猟が実施された一方、読売新聞は狩猟者登録数が20年前の6割まで減ったと報じている。宮城県では狩猟免許試験の申し込みが急増し抽選漏れも発生するなど、関心の高まりと現場の人手不足が同時に進む様子がうかがえた。ジビエ市場では駆除個体のビジネス化や新たなツアー企画も話題になった。今週も注目ニュースをカテゴリー別にお届けする。

狩猟行政・法改正ニュース

宮城県、狩猟免許試験の申し込み急増で抽選漏れ243人 会場不足で受験できず

宮城県で実施された狩猟免許試験の申し込みが急増し、会場の収容人数を超えたことから243人が抽選で漏れ、受験できなかったと河北新報が報じた。県内ではクマ・イノシシなど有害鳥獣対策への関心の高まりを背景に試験の当選倍率が1.8倍に達したとも報じられており、県は試験回数を増やす対応を模索している。申し込みが増えても受験の機会自体が狭まっているという今回の事態は、免許取得のハードルを下げたい業界にとって見過ごせない課題だ。試験の仕組みや対策については本サイトの狩猟免許試験は抽選に落ちることもある?宮城県の倍率1.8倍の事例と対策で詳しく解説している(情報元:河北新報)。

獣害対策ニュース

和歌山県で初の緊急銃猟 シカ用の「わな」にかかったクマが暴れる

和歌山県古座川町で、シカなどの捕獲用に設置された「くくりわな」に体長130センチのツキノワグマがかかり暴れたため、町の判断で散弾銃を発砲し駆除する「緊急銃猟」が実施された。緊急銃猟は人の生活圏に出没したクマやイノシシへの危害を防ぐために市町村長の判断で銃器使用を認める制度で、2025年9月の施行以来、和歌山県内で実施されたのは今回が初めてだという。近くに民家があり人への危害が及びかねない状況だったことが、県内初の発動に至った理由とみられる(情報元:読売テレビ)。

クマ出没は4〜9月で499件、狩猟者登録数は20年前の6割に

今年4月から9月までのクマ出没件数が499件に達した一方、クマ猟を担う狩猟者の登録数は20年前の6割まで減っていることが読売新聞の報道で明らかになった。記事では、小規模な市町村では自前のハンターだけでは対応が難しく、近隣自治体に応援を呼ばなければ緊急銃猟などに対応できない実態も指摘されている。狩猟者の減少とクマ対応の広域連携の必要性は、本サイトで解説しているクマ対応の狩猟者が20年で6割に減少|福井の事例と広域連携策でも取り上げている課題と重なる(情報元:読売新聞)。

「もう撃ちたくない一発」北海道初の緊急銃猟、引き金を引いたハンターの重圧

北海道で初めて緊急銃猟が実施された際、実際に引き金を引いたハンターが抱える精神的な重圧と、対応に欠かせない住民の協力について語った内容がYahoo!ニュースで報じられた。人の生活圏での発砲という判断の重さや、現場のハンター個人にかかる負担の大きさは、担い手確保を進めるうえでも無視できないテーマだ。この一件の詳細は本サイトの「もう撃ちたくない一発」緊急銃猟の現場でハンターが抱える重圧でも取り上げている(情報元:Yahoo!ニュース)。

ジビエ市場・新店ニュース

元食品メーカーの美食家が「狩猟×ジビエ料理」の原始食ツアーを企画

食品メーカーで約20年商品開発やマーケティングに携わった経験を持つ美食家が、ハンター免許を取得したことをきっかけに「狩猟」と「ジビエ料理」を組み合わせた「原始食ツアー」を企画し、2026年の日本アントレプレナー大賞エンタメ部門を受賞したことが賢者の選択サクセッションで紹介された。野生鳥獣被害という社会課題へのアプローチとしても評価されており、異業種からジビエ業界に新規参入する一例として注目される(情報元:賢者の選択サクセッション/Yahoo!ニュース)。

山口県、料理人向けジビエ研修会を初開催 消費拡大へ

山口県が、シカ肉・イノシシ肉の需要拡大を目的に料理人向けのジビエ料理研修会を初めて開催し、約40人が参加したと中国新聞が報じた。2025年度に県内で捕獲されたイノシシ・シカはそれぞれ1万頭を超えており、講師には日本ジビエ振興協会代表理事の藤木徳彦さんが招かれ、基礎知識や調理方法が説明された。捕獲数の多さに消費の裾野が追いついていない地域での、供給と消費をつなぐ典型的な取り組みといえる(情報元:中国新聞)。

駆除したシカ・イノシシが「ビジネス」に 畑を荒らす野生動物の資源化

農作物を荒らす野生動物として駆除されたシカ・イノシシが、ジビエ肉や皮革製品として商品化され新たなビジネスになっている動きがジェトロ(日本貿易振興機構)で取り上げられた。駆除個体を単なる処分対象ではなく地域資源として活用する発想は、本サイトで解説しているジビエの6次産業化とは?猟師が「収入源」にする仕組みと成功事例を完全解説の内容と重なる動きだ(情報元:ジェトロ)。

業界トレンドニュース

高知市で「狩猟フェスタ」、シカ肉カレーや模擬ハンティングでにぎわう

高知市で開催された「狩猟フェスタ」が、シカ肉を使ったカレーの販売や子ども向けの模擬ハンティング体験でにぎわったとNHKニュースと高知新聞が報じた。同イベントは、農作物を荒らすシカ・イノシシなどの有害鳥獣を捕獲するハンターの担い手を増やす目的で県が4年前から開催しているもので、高知県内の狩猟登録者は高齢化により年々減少しているため、県は年間300人の新規登録を目標に掲げている。こうした体験型イベントの位置づけは、本サイトの自治体の狩猟体験イベント5選|フェスタ・オンラインを比較でも紹介している(情報元:NHKニュース/高知新聞)。

「男は狩り、女は採集」はどこまで本当? 過去100年の調査で約8割に女性の狩り

「男は狩り、女は採集」という定説を検証した学術研究が改めて注目され、過去100年間の63の狩猟採集社会のうち約8割(50社会)で女性が狩りを行っていた記録が見つかったとITmediaが報じた。女性の狩りは植物採集の延長で偶然得たものではなく、多くの社会で最初から獲物を狙って計画的に行われていたことが指摘されており、乳児を連れて狩りに出た例もあったという。性別による役割分担の固定観念を見直す視点は、担い手の多様化を考える上でも興味深い(情報元:ITmedia)。

今週のニュースまとめ

カテゴリー トピック 地域 注目度
狩猟行政・法改正 狩猟免許試験の申し込み急増で抽選漏れ243人 宮城県 高
獣害対策 シカ用の「わな」にかかったクマで緊急銃猟(県内初) 和歌山県古座川町 高
獣害対策 クマ出没499件、狩猟者登録数は20年前の6割 全国 高
獣害対策 北海道初の緊急銃猟、ハンターが語る重圧 北海道 中
ジビエ市場・新店 元食品メーカー美食家が「原始食ツアー」を企画 全国 中
ジビエ市場・新店 料理人向けジビエ研修会を初開催 山口県 中
ジビエ市場・新店 駆除したシカ・イノシシが資源化ビジネスに 全国 中
業界トレンド 「狩猟フェスタ」がシカ肉カレーや模擬体験でにぎわう 高知県 中
業界トレンド 「男は狩り、女は採集」の定説を検証する調査 海外 低

まとめ

今週は、和歌山県・北海道で相次いだ緊急銃猟と、読売新聞が報じた「狩猟者登録数は20年前の6割」というデータが示すように、クマ対応の現場と担い手不足の構造的な問題が同時に浮かび上がった一週間だった。宮城県では狩猟免許試験への関心が高まり申し込みが急増している一方、受験機会そのものが会場の規模で頭打ちになっているという矛盾も明らかになっている。

ジビエ市場では、異業種から参入した美食家による「原始食ツアー」や、駆除個体を資源化するビジネスの広がり、山口県の料理人向け研修会など、捕獲と消費をつなぐ取り組みが各地で進んでいる。高知の「狩猟フェスタ」のような体験型イベントは次世代の担い手確保にもつながる動きだ。来週も、クマ対応の現場負担と担い手確保策の両面を追いかけていきたい。

参考記事


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