最終更新: 2026-07-16
農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、全国のジビエ食肉処理施設が外食産業へ販売した数量は約40万6千kg(全体の27.7%)に上り、消費者への直接販売も約19万2千kg(13.1%)と年々拡大しています(e-Stat 統計表ID: 0002119996)。ジビエ消費は都市部だけでなく、自然に近い地域への”移住・観光消費”としても広がりを見せています。その好例が神奈川県の大船・鎌倉エリアです。
「大船でジビエを食べたいけど、どんな店があるのかわからない」「鎌倉・湘南ならではのジビエ体験がしたい」という声をよく聞きます。大船はJR東海道線・横須賀線・湘南新宿ライン・根岸線が集まる鎌倉市北部の交通拠点で、地元民から観光客まで多様な人が集まります。ジビエに関しても、「ジビエ専門居酒屋で気軽に熊肉カレーを食べる」から「鎌倉フレンチのコースで国産ジビエを味わう」まで、幅広いスタイルが存在します。
この記事では、大船・鎌倉エリアでジビエ料理を楽しめる厳選店を、アクセス・特徴・予算付きで比較します。地域ジビエの調達背景や旬のデータも交えながら、この地域ならではのジビエ体験の魅力をお伝えします。
大船・鎌倉エリアのジビエ事情|湘南の食材と野生肉が交わる地

神奈川県は古くから農業・漁業・林業が共存する多様な食文化圏です。三浦半島の海産物・鎌倉野菜・丹沢山系のジビエが、湘南エリアという食のステージで重なり合います。大船・鎌倉エリアはこの食材の豊かさを活かしたレストランが育ちやすい土壌を持っています。
農林水産省の調査では、全国のジビエ処理量はシカが5,605t(79.3%)、イノシシが1,467t(20.7%)ですが(e-Stat 統計表ID: 0002119971)、神奈川県周辺では丹沢・大山山系のシカ・イノシシが地産地消の流れで地域飲食店に供給されるケースも増えています。相模湾の魚介と山のジビエを同じ料理人が扱う「海と山の一皿」というコンセプトが、大船・鎌倉エリアのジビエシーンの最大の個性です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エリア | 大船(鎌倉市大船)〜鎌倉市内・逗子・藤沢 |
| 主な最寄り駅 | JR大船駅(東海道線・横須賀線・根岸線・湘南新宿ライン) |
| 主なジビエ食材 | 丹沢シカ・イノシシ、静岡・岐阜・宮崎のシカ、北海道エゾシカ、クマ |
| ベストシーズン | 11月〜2月(猟期。湘南の冬はシカが最も良質な時期) |
| 価格帯 | 1,500円(ランチ)〜18,000円(ディナーコース) |
| 向いている人 | 地産食材志向・鎌倉観光とあわせてジビエを楽しみたい人 |
特筆すべきは、「静岡県のジビエ肉加工所『湘南ジビエ』」のような神奈川・静岡の県境に位置する中小処理施設との連携が、大船周辺の飲食店に根付いているという点です。加工所から食卓までのルートが短く、鮮度を保ちながら届けられるジビエは、臭みが少なく質が高い傾向があります。
大船・鎌倉のジビエ料理おすすめ店を比較

大船・鎌倉エリアでジビエを楽しめる厳選店を、ジャンル・予算・おすすめシーンで比較しました。訪問前に公式サイトや予約サイトで最新の営業情報・メニューを必ずご確認ください。
| 店名 | 最寄り駅 | ジャンル | 予算目安 | おすすめシーン |
|---|---|---|---|---|
| 地元酒場 あじと | 大船駅徒歩2分 | ジビエ専門居酒屋 | 1,500〜3,500円(ランチ)/ 3,000〜6,000円(ディナー) | 一人飲み・カジュアルなグループ・ジビエ入門 |
| DRAQUIRE(ドラキア) | 鎌倉駅徒歩圏 | フレンチ | 8,000〜15,000円 | デート・食の冒険・特別な外食 |
| 肉とワイン みなもと | 鎌倉駅近 | 肉料理・バル | 5,000〜10,000円 | ワインと一緒にカジュアルに楽しみたい |
地元酒場 あじと|大船唯一のジビエ専門居酒屋で熊・鹿・猪を食べる
基本情報と店のコンセプト
「地元酒場 あじと」は、JR大船駅から徒歩わずか2分という絶好の立地にある、大船で唯一のジビエ専門居酒屋です。「くさみ0!!旨いジビエ」をキャッチコピーに、各地の信頼できるジビエ肉加工所から直送した新鮮な野生鳥獣の肉を、カジュアルに楽しめる居酒屋形式で提供しています。
フレンチのコース料理では二の足を踏む方も、居酒屋形式なら気軽に一品から試せます。食べログ評価は3.28と、大船という地方都市のロケーションを考えると実力のある数字です。
取り扱い食材の特徴
あじとが使用する食材は、単一産地に依存しない多様な仕入れルートが強みです。
| ジビエの種類 | 主な産地 |
|---|---|
| シカ | 静岡県、岐阜県、宮崎県の各ジビエ加工所 |
| イノシシ | 千葉県、長崎県、岡山県の各ジビエ加工所 |
| クマ | 国産(季節限定) |
| その他 | 季節に応じて変動(ウサギ等) |
複数地域の処理施設と幅広く提携することで、特定地域の不猟や供給不足を補えるサプライチェーンを構築しています。静岡県のジビエ肉加工所「湘南ジビエ」からの直送品は特に評判が高く、下処理の丁寧さが臭みのなさに直結していると常連客から評価されています。
農林水産省の調査では、シカ食肉の販売金額は全国で約25億7千万円(令和5年度)と、ジビエの主役になっています(e-Stat 統計表ID: 0002119974)。あじとのシカ料理はこの流れを体験するのに最適な入口です。
メニューの充実度
あじとのメニューは「ジビエを食べ慣れていない人でも入りやすい」設計が徹底されています。
ランチメニューには熊モモ肉キーマカレーや鹿スネ肉ハヤシライスといった、ジビエを使いながらも日本人になじみ深い洋食の形式に落とし込んだ商品が並びます。ご飯は雑穀米を採用しており、鹿肉の赤身の旨みとよく合うと口コミで評判です。
ディナーでは以下のような料理が楽しめます。
- 鹿モモ肉のステーキ(「驚きの食感」と評される柔らかさが特徴)
- 熊肉の煮込みハンバーグ
- ローストディア(蝦夷鹿のロースト)
- ジビエのドリア・焼きカレー
- イノシシと季節野菜の煮込み
- ウサギのもも肉ロースト(入荷時限定)
調理スタイルはグリル・煮込み・カレー・ハンバーグと幅広く、「ジビエ独特の獣くささがない美味しさ」と多くのレビューで共通して指摘されています。
ドリンクと雰囲気
ドリンクメニューは100種類以上と充実しており、希少なクラフトビール、ジビエに合う厳選ワイン、限定日本酒・地酒が揃います。スタッフに相談すれば、注文した料理に最適なお酒を提案してもらえるサービスも魅力です。ジビエ×ワインのペアリングを手軽に体験できる貴重な場でもあります。
ジビエとワインのペアリングについては専門解説記事も参考にしてください。
店内は居酒屋らしいカジュアルな雰囲気で、一人・グループ・カップルどんな形式でも使いやすい設計です。大船駅徒歩2分という立地から、鎌倉観光の後や東海道線・横須賀線での帰り道に立ち寄るルートとして活用する客も多いようです。
アクセスと予約
- 住所: 神奈川県鎌倉市大船(大船駅から徒歩2分)
- 予約: ホットペッパーグルメ・食べログ等でオンライン予約可
- ランチ営業: あり(7月から昼営業開始)
- 公式サイト: ajito-ohuna.com
DRAQUIRE(ドラキア)|鎌倉フレンチで北海道ジビエのコース料理を
基本情報と店のコンセプト
DRAQUIRE(ドラキア)は、鎌倉の閑静な住宅街に佇むフランス料理店です。北海道のジビエをはじめとする全国の厳選食材を使い、湘南野菜・相模湾の新鮮魚介・国産ジビエをふんだんに使った月替わりコースで季節感溢れる料理を提供しています。
「鎌倉観光と本格フレンチジビエのディナーを組み合わせたい」という旅行者・地元の食通の双方から支持を受けているお店です。
ジビエメニューの特徴
DRAQUIREのジビエは月替わりコースの中に組み込まれており、季節に応じた食材が使われます。北海道産のエゾシカ・ヒグマのような大型ジビエから、鴨・キジといった鳥類ジビエまで、幅広い野生鳥獣をフランス料理の技法で仕上げます。
鎌倉という地域性を活かし、相模湾の鮮魚とジビエを同じコース内に組み込む「海と山のコース」スタイルが特徴です。月替わりなのでリピーターがついており、「毎月通っているが飽きない」という声もあります。
予約はぐるなびを中心としたグルメ予約サービスで受け付けています。コース主体のためグループや二名以上での訪問が基本です。鎌倉駅からのアクセスはタクシーまたは徒歩で確認を。
肉とワイン みなもと|鎌倉の気軽な肉バルでジビエのロースト&ワインを
基本情報と店のコンセプト
「肉とワイン みなもと」は鎌倉駅近くのバル系レストランで、シカや猪のローストを中心とした肉料理とワインのペアリングを気軽に楽しめる店です。専門のフレンチほど敷居が高くなく、「本格的な肉料理をワインとともに楽しみたい」という層に向いています。
ジビエメニューの特徴
みなもとのジビエは、ローストを得意とする料理スタイルが特徴です。鹿肉は低温ローストで火を入れることで、臭みがなく旨みが凝縮した仕上がりになります。猪のローストはしっかりした食感と脂の甘みが特徴で、赤ワインとの相性が抜群です。
ジビエに合うワインも多数取り揃えており、スタッフが料理に合わせたペアリングを提案してくれます。気軽な価格帯でジビエとワインの組み合わせを体験できる、エントリーレベルの肉バルとして鎌倉エリアで一定の支持を集めています。
大船・鎌倉でジビエを楽しむための3つのポイント
ポイント1: 「大船駅直結」の利便性と「鎌倉散策」を組み合わせる
大船・鎌倉エリアのジビエは、観光と組み合わせやすいという地理的優位性があります。東京・横浜から大船は電車で約30〜50分とアクセスが良く、鎌倉の古刹巡り・湘南海岸ドライブ・江ノ電観光のついでに立ち寄れます。
あじとを昼食に使い、夕方に鎌倉散策、DRAQUIREでディナーコース、というプランも現実的です。
ポイント2: 「地産地消ジビエ」の物語を聞く
大船・鎌倉エリアのジビエ店の多くは、食材の産地と仕入れルートをスタッフが語れる文化を持っています。「湘南ジビエ(静岡)からの鹿」「丹沢山系のイノシシ」「北海道の猟師から直送の熊」といった産地の物語は、料理の味を豊かにする文脈です。積極的にスタッフに仕入れについて質問してみることをおすすめします。
ポイント3: 「旬の時期」を押さえる
ジビエの旬は猟期(11月〜2月)に重なります。この時期は各地の処理施設への搬入量が増え、フレッシュな個体が流通します。大船・鎌倉の店は夏季にも冷凍ジビエを高いクオリティで提供していますが、「旬のジビエで驚く体験」は11月以降の訪問が最もおすすめです。
| 時期 | ジビエの特徴 | 大船・鎌倉エリアの状況 |
|---|---|---|
| 11月〜2月 | フレッシュ・猟期最盛期 | あじと・DRAQUIREともに入荷最多 |
| 3月〜5月 | 猟期終了・冷凍在庫活用 | 最高品質冷凍ロットを活用 |
| 6月〜10月 | 夏季・冷凍中心 | 臭みなし・安定品質の冷凍ジビエ提供 |
ジビエ産業の最新データと湘南エリアの位置づけ
農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)の主要データをまとめます。
| 指標 | データ | 備考 |
|---|---|---|
| 全国ジビエ食肉処理施設数 | 統計対象全施設 | 1施設平均販売金額 約7億1千万円 |
| シカの搬入重量 | 5,605t(79.3%) | ジビエの主力 |
| イノシシの搬入重量 | 1,467t(20.7%) | 鍋・燻製・煮込みで人気 |
| 全国ジビエ販売金額(食肉) | 約44億円 | うちシカ 25.7億・イノシシ 16.4億 |
| 消費者への直接販売 | 約19万2千kg(13.1%) | 通販需要も拡大中 |
| 外食産業への販売 | 約40万6千kg(27.7%) | 飲食店消費が牽引 |
(出典: e-Stat 統計表ID: 0002119974・0002119996、農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査 令和5年度)
神奈川県は、丹沢山系を抱える内陸部での有害鳥獣捕獲数が多く、地域内処理・地域内消費の循環が形成されつつある都道府県です。大船・鎌倉エリアのジビエ料理店は、この神奈川産ジビエの重要な出口であり、「地産地消の食卓」の担い手でもあります。
ジビエの種類と各肉の特徴については専門記事を参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 大船駅周辺でジビエが食べられる店は「あじと」だけですか?
現時点では大船駅の至近距離にジビエを専門とする店は「地元酒場 あじと」が中心です。鎌倉市内を含めると、DRAQUIREや肉とワインみなもとなど複数の選択肢が広がります。最新情報は各グルメサイトで「大船・鎌倉 ジビエ」と検索してご確認ください。
Q2. ランチでジビエを楽しめますか?
地元酒場 あじとでは2026年7月からランチ営業を開始しており、熊モモ肉キーマカレーや鹿スネ肉ハヤシライスといったランチメニューで気軽にジビエが楽しめます。鎌倉のフレンチ系は夜のコース主体ですが、ランチコースを設けている店もあるため公式サイトで確認を。
Q3. ジビエははじめてですが、どの店が入りやすいですか?
地元酒場 あじとが最もハードルが低く、居酒屋形式なので一品から試せます。シカのステーキや鹿スネ肉ハヤシライスは「臭みがなく食べやすい」と評判です。[ジビエの臭みを抑える知識はこちら](https://kariudo.jp/gibier/gibier-odor-removal-methods/)もあわせてご覧ください。
Q4. 熊肉は大船でも食べられますか?
地元酒場 あじとでは、クマ肉を季節によって仕入れています。熊モモ肉のキーマカレーなどのメニューで提供されることがあります。熊肉は捕獲頭数が少なく供給が限られるため、入荷状況は事前に問い合わせるのがおすすめです。
Q5. 大船・鎌倉のジビエに使われているシカはどこの産地ですか?
あじとでは静岡・岐阜・宮崎の各ジビエ加工所から調達しており、産地ごとの特徴が異なります。神奈川に近い静岡産のシカは輸送距離が短く鮮度に優れる傾向があり、岐阜・宮崎産は山間部ならではの筋肉質な旨みが特徴です。入荷状況は日替わりになる場合もあるため、来店時にスタッフに産地を確認してみてください。
Q6. ジビエを通販で入手することはできますか?
大船の専門店で気に入った食材を後日自宅で調理したい場合、ジビエ通販が選択肢になります。農水省の調査でも消費者への直接販売(インターネット含む)が伸びており、鹿肉や猪肉の冷凍品を各処理施設から取り寄せることができます。[ジビエ通販おすすめガイドはこちら](https://kariudo.jp/gibier/gibier-online-shopping-recommended/)。
Q7. 子連れでジビエを楽しめるお店はありますか?
地元酒場 あじとはカジュアルな居酒屋のため、雰囲気的には家族連れに比較的向いています。ただし、アルコール中心の居酒屋ですので、子どもへの配慮については来店前に確認するのが安心です。鹿肉ハンバーグや鹿カレーは子どもでも食べやすいメニューです。
関連記事: 五反田のジビエ料理おすすめ店ガイド|品川・大崎エリアの名店を徹底比較【2026年版】
関連記事: ジビエはフランス語?語源・意味・分類をわかりやすく解説【gibier完全ガイド】
関連記事: 高円寺のジビエ料理おすすめ5選|猟師直営バーから杉並フレンチまで【2026年版】
まとめ:大船・鎌倉のジビエは「食材の物語」が楽しめる
大船・鎌倉エリアのジビエ料理は、以下の3つの選択肢が中心です。
地元酒場 あじと(大船駅徒歩2分)
大船唯一のジビエ専門居酒屋。静岡・岐阜・宮崎のシカ、千葉・長崎・岡山のイノシシ、国産クマなど多様な食材を居酒屋価格で楽しめる。ランチ営業もあり。食べログ評価3.28。
DRAQUIRE(鎌倉フレンチ)
北海道ジビエ・湘南野菜・相模湾魚介を組み合わせた月替わりコース。「海と山のフレンチ」を鎌倉という舞台で体験したい食通向け。
肉とワイン みなもと(鎌倉)
鹿・猪のローストと厳選ワインのペアリングを気軽に楽しめる肉バル。ワイン好きのカジュアルジビエ入門に最適。
「大船でジビエを食べる」のは、都市圏では体験しにくい「地産地消の食の循環」を肌で感じることでもあります。産地の担い手(猟師・処理施設)から食卓までのルートが短い湘南ジビエを、ぜひ現地で体験してみてください。
参考情報
- 農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)— 搬入重量・体重(e-Stat 統計表ID: 0002119971、2023年度時点)
- 農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)— 野生鳥獣を処理して得た金額(e-Stat 統計表ID: 0002119974、2023年度時点)
- 農林水産省 野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)— 販売先別販売数量(e-Stat 統計表ID: 0002119996、2023年度時点)
- 地元酒場あじと 公式サイト (ajito-ohuna.com)
- ジビエポータルサイト「ジビエト」— 地元酒場 あじと(2025年時点)
- 食べログ「地元酒場 あじと(大船/ジビエ料理)」— 評価3.28(2025年時点)
- FM横浜 saveandeat「地元酒場あじと ジビエ料理をもっとカジュアルに楽しもう!」(2023年5月)
- ぐるなび「DRAQUIRE(鎌倉/フレンチ)」
- 一休.comレストラン「肉とワイン みなもと(鎌倉)」

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