認定鳥獣捕獲等事業者とは?法人が都道府県の認定を受ける仕組みとメリット

認定鳥獣捕獲等事業者とは?法人が都道府県の認定を受ける仕組みとメリット 猟師の暮らし

最終更新: 2026-10-06

認定鳥獣捕獲等事業者とは、鳥獣の捕獲等を行う法人・団体のうち、安全管理体制や従事者の技能・知識が一定の基準を満たしていると都道府県知事から認定を受けた事業者を指します。2026年2月28日時点で全国179事業者が認定を受けており、各地の猟友会が認定を取得して自治体の捕獲事業を受託するケースが増えています。

この制度は個人の狩猟免許とは別物です。法人・団体を対象にした事業者単位の認定であり、取得すると都道府県が主体となる「指定管理鳥獣捕獲等事業」など公的な捕獲業務の委託先として選ばれやすくなります。ジビエ業界での就職・独立を考える人にとっては、個人で免許を取るだけでなく「所属する組織が認定事業者かどうか」も仕事の受けやすさに関わる要素になります。この記事では、制度の目的・認定基準・メリット・認定状況を環境省の一次資料に基づいて整理します。

認定鳥獣捕獲等事業者制度とは?基本の仕組み

2026 10 06 nintei choju hokaku jigyosha guide h2 00

項目 内容
制度の対象 鳥獣の捕獲等をする事業を実施する法人(個人は対象外)
認定主体 都道府県知事
制度の目的 主に公的な鳥獣捕獲等事業の委託・請負業務の担い手となる事業者を育成・確保すること
認定基準 捕獲等に係る安全管理体制、従事者の技能及び知識が一定の基準に適合していること
人数要件 認定を受けようとする猟法につき、原則4人以上の捕獲従事者を有していること
全国の認定事業者数 179事業者(2026年2月28日時点)

出典: 環境省「認定鳥獣捕獲等事業者制度」をもとに編集部作成(2026年10月確認)

制度の目的に明記されているとおり、この認定は「公的な鳥獣捕獲等事業の委託又は請負業務の担い手となる鳥獣捕獲等事業者を育成・確保すること」にあります。都道府県が実施する指定管理鳥獣捕獲等事業は、全部または一部を認定鳥獣捕獲等事業者その他環境省令で定める者に委託できる仕組みになっており、認定事業者はその受託先として位置づけられています。制度創設の背景にある指定管理鳥獣捕獲等事業そのものについては「指定管理鳥獣捕獲等事業とは」で解説しています。

誰が認定を受けているのか|猟友会も対象

2026 10 06 nintei choju hokaku jigyosha guide h2 01

個人ではなく法人・団体が認定の対象になるため、実際に認定を受けているのは次のような組織です。

  • 各都道府県・市町村の猟友会(組織として認定を取得し、支部の会員が従事者として活動する例)
  • 捕獲・鳥獣管理を専門に行う民間企業
  • NPO法人など、鳥獣捕獲等の事業を行う非営利団体

山口県猟友会や京都府猟友会のように、都道府県単位の猟友会がこの認定を受け、指定管理鳥獣捕獲等事業を受託している例が各地にあります。狩猟免許を持つ個人がこの事業に関わりたい場合、自分で事業者認定を取るのではなく、認定を受けた猟友会や事業者に所属し、従事者として活動に加わるのが現実的なルートです。猟友会そのものの入会メリットは「猟友会への入り方とメリット」で解説しています。

認定を受けるメリット

2026 10 06 nintei choju hokaku jigyosha guide h2 02

メリット 内容
公的事業の受託資格 指定管理鳥獣捕獲等事業など、都道府県・市町村が発注する捕獲業務の委託先として選定されやすくなる
対外的な信頼性 安全管理体制と従事者の技能が行政によって確認済みであることの証明になる
組織的な捕獲体制の構築 認定基準を満たす過程で、安全管理のルール整備や従事者教育の体制が組織内に整う

出典: 環境省「認定鳥獣捕獲等事業者制度」の制度目的に関する記載をもとに編集部作成

認定を受けたからといって自動的に仕事が発注されるわけではなく、個別の事業ごとに都道府県・市町村との契約や入札が必要です。ただし、認定を受けていない事業者と比べて、安全管理体制が行政に確認済みという点で選定の際に優位になりやすいと考えられます。

認定事業者で働くという選択肢

2026 10 06 nintei choju hokaku jigyosha guide h2 03

ジビエ業界への就職・転職を考える人にとって、認定鳥獣捕獲等事業者(またはその認定を目指す法人)に就職するという道は、個人で狩猟免許を取って独立するルートとは別のキャリアパスになります。事業者の従事者として活動すれば、個人で自治体の捕獲事業を直接受注する難しさを回避しつつ、公的事業の捕獲経験を積めるというメリットがあります。ジビエ加工処理施設の求人動向は「ジビエ加工処理施設の仕事」、自治体が職員として雇用する「ガバメントハンター」については「新潟県でガバメントハンター導入が加速」でそれぞれ解説しています。認定事業者の従事者は自治体職員ではなく、事業者に雇用される(または委託業務の対価を受け取る)立場である点が異なります。

よくある質問

Q1: 個人の猟師でも認定鳥獣捕獲等事業者になれますか?

なれません。この制度は法人・団体を対象とした事業者単位の認定です。個人の猟師がこの事業に関わる場合は、認定を受けた猟友会や事業者に所属し、従事者として活動するのが一般的なルートです。

Q2: 認定を受けるには何人の従事者が必要ですか?

認定を受けようとする猟法につき、原則4人以上の捕獲従事者を有していることが要件とされています。これに加えて安全管理体制や従事者の技能・知識の基準も満たす必要があります。

Q3: 認定を受けると自治体の仕事が自動的にもらえますか?

自動的に発注されるわけではありません。認定は公的事業の委託先として選ばれるための前提条件であり、個別の事業ごとに都道府県・市町村との契約や入札手続きが必要です。

Q4: 全国にどれくらいの認定事業者がありますか?

環境省の情報によると、2026年2月28日時点で179事業者が認定を受けています。認定事業者の一覧は2026年8月31日に更新されています。

まとめ:認定鳥獣捕獲等事業者制度のポイント

  • 法人・団体を対象に、捕獲の安全管理体制と従事者の技能・知識が基準を満たすと都道府県知事が認定する制度
  • 目的は指定管理鳥獣捕獲等事業など公的な捕獲業務の担い手となる事業者の育成・確保
  • 原則4人以上の捕獲従事者を要件とし、2026年2月時点で全国179事業者が認定済み
  • 猟友会が組織として認定を受け、所属会員が従事者として公的事業に関わる例が各地にある
  • 個人の猟師がこの仕組みに関わるには、認定事業者に所属して従事者として活動するのが現実的なルート

自分が所属する猟友会や就職を検討している事業者が認定を受けているかどうかは、都道府県の自然環境担当部署が公開する認定事業者一覧で確認できます。公的事業への関わり方をさらに知りたい場合は「指定管理鳥獣捕獲等事業とは」もあわせてご覧ください。

この記事は猟人編集部が執筆しました。猟人 -KARIUDO- は猟師・ジビエ業界に特化した専門メディアです。

参考情報

  • 環境省「認定鳥獣捕獲等事業者制度の概要」https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/gaiyou_outline.html(確認日: 2026-10-06)
  • 環境省「認定鳥獣捕獲等事業者制度」https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/capture5.html(確認日: 2026-10-06)
  • 山口県「認定鳥獣捕獲等事業者/認定鳥獣捕獲等事業者制度の概要」https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/41/20706.html(確認日: 2026-10-06)
  • 京都府「鳥獣捕獲等事業の認定」https://www.pref.kyoto.jp/choujyu/tyoujuhokakunintei.html(確認日: 2026-10-06)



コメント

タイトルとURLをコピーしました