愛媛県のみかんを守れ|イノシシ・ヒヨドリ被害とハンター養成塾

愛媛県のみかんを守れ|イノシシ・ヒヨドリ被害とハンター養成塾 獣害対策

最終更新: 2026-10-18

愛媛県はみかんをはじめとする柑橘類の有数の産地だが、その柑橘園をイノシシやヒヨドリによる食害が悩ませている。一方で、捕獲を担う猟友会員は高齢化・減少が進み、地域によっては対応が追いつかない状況もある。この構造的なギャップを埋めるため、愛媛県は狩猟免許を持たない人でも参加できる「有害鳥獣ハンター養成塾」を開催している。本記事では、松山市が公表している捕獲実績データと、養成塾の参加方法を整理する。

愛媛県の鳥獣被害:イノシシとヒヨドリが主な相手

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hw-control.or.jp が愛媛県公表資料「令和5年度鳥獣による農作物等の被害状況について」を引用した記事によると、愛媛県内の鳥獣による農作物被害額は次のように推移している(確認日: 2026年10月18日)。

鳥獣 令和1年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度
イノシシ 2億2,435万円 2億741万円 2億2,103万円 2億825万円 1億9,014万円
ヒヨドリ 3,795万円 3,701万円 3,891万円 3,968万円 3,855万円

イノシシの被害額は5年間でやや減少傾向にあるものの、依然として鳥獣被害の中で最も大きい。ヒヨドリは毎年おおむね3,700万〜4,000万円の範囲で推移しており、柑橘類を中心に一定規模の被害が続いていることがわかる。被害額の年度ごとの増減には天候や個体数変動など複数の要因が関わるため、この数値単独で対策の効果を断定することはできない。

松山市の捕獲実績:シカは増加、イノシシは年度でばらつき

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被害に対応する捕獲の現場はどうなっているか。松山市公式サイトが公表している「主な有害鳥獣の捕獲実績(令和3年度〜令和7年度)」によると、次のような実績になっている(確認日: 2026年10月18日)。

鳥獣 令和3年度 令和4年度 令和5年度 令和6年度 令和7年度
イノシシ 2,582頭 3,831頭 2,534頭 3,788頭 1,998頭
シカ 497頭 617頭 690頭 769頭 846頭
サル 124頭 170頭 113頭 171頭 101頭

松山市はこの捕獲実績について「市内の猟友会の協力により、捕獲を実施」と説明している。シカの捕獲数は5年連続で増加しており、生息域の拡大や個体数増加が背景にあると考えられる。一方でイノシシは年度によって2,000頭台から3,800頭台まで振れが大きく、捕獲圧だけでなく気象条件や個体数そのものの変動が影響している可能性がある。いずれにしても、捕獲を担うのは「市内の猟友会」、つまり限られた人数の既存ハンターだという点が実務上の課題になる。

愛媛県有害鳥獣ハンター養成塾:免許がなくても参加できる

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この担い手不足に対応するため、愛媛県(伊予市農業振興センターが募集窓口のひとつ)は「有害鳥獣ハンター養成塾」を開催している。募集ページによると、概要は次の通りだ(確認日: 2026年10月18日)。

項目 内容
講座名 狩猟の魅力まるわかり講座
開催頻度 年4回
対象者 過去に本塾を受講していない、狩猟免許受験資格を保有し、県内での有害鳥獣捕獲活動に意欲がある人(第一種銃猟免許・銃砲許可またはわな猟免許を既に持つ人は対象外)
受講定員 50名程度
内容 狩猟・有害鳥獣捕獲の基礎知識の学習、現役ハンターとの意見交換、捕獲技術の現場体験
費用補助 狩猟免許取得にかかる経費(申請手数料5,200円〜講習受講料40,000円まで)を10/10(全額)補助

ポイントは、この講座自体は狩猟免許を持っていない人を対象にしていることだ。つまり「免許がないから捕獲の現場に関われない」という人にとって、免許取得前の段階から現役ハンターと接点を持ち、費用面のハードルも下げられる入り口になっている。募集期間や開催地は年度・回によって異なるため、参加を検討する場合は愛媛県または各地域の農業振興センターの最新の募集案内を確認してほしい。

狩猟免許そのものの取得手順や費用の全体像を先に知りたい人は、「狩猟免許の取り方|初心者向け5ステップ・費用・合格率」もあわせて確認してほしい。

まとめ:被害対策は「捕獲の担い手確保」までが一体

  • 愛媛県ではイノシシ・ヒヨドリによる農作物被害が続いており、令和5年度もイノシシ約1億9,014万円、ヒヨドリ約3,855万円の被害額が報告されている
  • 松山市の捕獲実績ではシカが5年連続で増加傾向、イノシシは年度でばらつきがある
  • 捕獲を担うのは地域の猟友会員であり、担い手を広げる取り組みとして愛媛県は免許未所持者でも参加できる「有害鳥獣ハンター養成塾」を開催している
  • 狩猟免許取得費用を全額補助する仕組みもあり、捕獲の担い手不足に関心がある人には現実的な入り口になる

鳥獣被害対策を広く比較したい人は、「狩猟の担い手不足を解決する8つの対策」も参考にしてほしい。統計で見る狩猟・ジビエ業界の全体像は「狩猟・ジビエ業界の統計まとめ」でも定期更新中。

参考情報

  • 松山市「有害鳥獣による被害の防止に向けた取組」(確認日: 2026年10月18日) https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/sangyo/noringyo/choju/tyoujuu.html
  • 伊予市農業振興センター「有害鳥獣ハンター養成塾の受講者募集について」(確認日: 2026年10月18日) https://iyo-agri.jimdofree.com/%E9%B3%A5%E7%8D%A3%E5%AE%B3%E5%AF%BE%E7%AD%96/%E6%9C%89%E5%AE%B3%E9%B3%A5%E7%8D%A3%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E9%A4%8A%E6%88%90%E5%A1%BE%E3%81%AE%E5%8F%97%E8%AC%9B%E8%80%85%E5%8B%9F%E9%9B%86%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/
  • hw-control.or.jp「愛媛県にはどんな害獣が生息している?」(愛媛県公表資料「令和5年度鳥獣による農作物等の被害状況について」を引用、確認日: 2026年10月18日) https://hw-control.or.jp/guide/19686


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