今週の狩猟・ジビエニュースまとめ【10/12–10/18】

今週の狩猟・ジビエニュースまとめ【10/12--10/18】 未分類

最終更新: 2026-10-18

10月第3週(2026年10月12日〜10月18日)は、クマと大型イノシシの出没が各地で相次いだ一週間だった。広島県では箱わなに捕獲済みのクマに対して県内初の緊急銃猟が実施され、兵庫県南あわじ市では体重149kgという「聞いたことがないサイズ」のイノシシが箱わなにかかった。愛知県では密猟事件の逮捕も報じられている。一方で埼玉県は規制区域の指定解除に動き、愛媛県や山口県下関市は担い手確保のための募集・体験イベントを進めるなど、現場の対応と制度の両面で動きがあった。今週も注目ニュースをカテゴリー別にお届けする。

狩猟行政・法改正ニュース

広島県初の緊急銃猟、箱わなのクマを猟銃で駆除

2026年10月12日、広島市安佐北区可部町で広島県内初の「緊急銃猟」が実施された。対象となったのは体長1.1メートルのクマで、47NEWSなどの報道によると、人の生活圏に近い場所で発見され、箱わなに捕獲された状態だったにもかかわらず駆除には猟銃が用いられたという。箱わな捕獲済みの個体になぜ緊急銃猟が適用されたのか、経緯と制度上の位置づけは本サイトの広島県初の緊急銃猟|箱わなのクマはなぜ猟銃で駆除されたのかで詳しく解説している(情報元:47NEWS)。

埼玉県、青少年野外活動センター特定猟具使用禁止区域(銃)を解除

埼玉県は、秩父市内・横瀬町内にまたがる233.0ヘクタールの「青少年野外活動センター特定猟具使用禁止区域(銃)」を2026年11月1日付で解除すると発表した。区域内にあった施設は2016年3月に廃止されており、秩父市長・横瀬町長からの要望を受けて利害関係者の同意を得たうえでの解除となる。解除後は狩猟期間中、この区域でも銃による狩猟が可能になる(情報元:埼玉県)。

愛知県春日井市で密猟事件、ベトナム国籍の男を逮捕

愛知県春日井市で、ニホンジカの切断面と大量の酒の空き缶が見つかったことから駐在の警察官が不審に気づき、ベトナム国籍の男が無許可の狩猟・違法なジビエ処理の疑いで逮捕されたとdメニューニュースが報じた。狩猟者登録や捕獲許可を受けずに野生鳥獣を捕獲すれば密猟として鳥獣保護管理法違反に問われる。合法な狩猟との違いや罰則の具体的な内容は、本サイトの密猟とは?合法な狩猟との違いと罰則を実際の事件から解説で整理している(情報元:dメニューニュース)。

獣害対策ニュース

福島市の工場侵入クマ、麻酔銃が効かず猟銃で対応

福島市が2026年10月9日に公開した工場侵入クマの映像では、麻酔銃が命中しても効果が出ず、クマが興奮して車に突進する様子が記録されていた。屋内に可燃物があったことから猟銃も使えない状況が続き、最終的な対応に時間を要したという。麻酔銃がクマに効かないことがある理由は、本サイトの麻酔銃がクマに効かない理由|福島市工場侵入事案の映像公開から考えるで整理している(情報元:Yahoo!ニュース/共同通信)。

兵庫・南あわじ市で体重149kgの巨大イノシシを箱わなで捕獲

兵庫県南あわじ市倭文地区で、体重149kg・体長150センチの雄イノシシが箱わなにかかり捕獲された。神戸新聞NEXTの報道によると、捕獲したのは市有害鳥獣捕獲隊・緑捕獲班員の木曽勝己さん(40)で、10月11日夜に果樹園へ仕掛けた箱わなに翌朝かかっているのを発見。箱わなは設置場所から約10メートル移動しており、最後まで中で暴れていたという。市の担当者は「駆除されるイノシシの多くは40kg以下、大型でも100kg余り。これほどのサイズは聞いたことがない」と驚きを語った(情報元:神戸新聞NEXT/Yahoo!ニュース)。

愛媛県、イノシシ・ヒヨドリによる柑橘被害が続きハンターを募集

愛媛県では高級柑橘を含む果樹園でイノシシとヒヨドリによる被害が相次いでおり、朝日新聞の報道によると県はハンターの確保に力を入れているという。捕獲を担う猟友会員が限られる中、免許がなくても参加できる養成塾の仕組みや松山市の捕獲実績データは、本サイトの愛媛県のみかんを守れ|イノシシ・ヒヨドリ被害とハンター養成塾で解説している(情報元:朝日新聞/Yahoo!ニュース)。

ジビエ市場・新店ニュース

ジビエレザーブランド「Impronte」が鹿・猪革の二つ折り財布を開発

駆除された鹿・猪の革を活用するブランド「Impronte(インプロンテ)」が、新たに二つ折り財布を開発し、クラウドファンディングサービス「Makuake」での展開を予定していることがニコニコニュースで報じられた。これまで食肉処理の過程で廃棄されがちだった皮を資源化する取り組みの広がりについては、本サイトのジビエレザーとは?駆除された鹿・猪の革を資源化する取り組みで詳しく解説している(情報元:ニコニコニュース)。

業界トレンドニュース

山口県下関市、新規捕獲隊員確保へ銃猟・わな猟の体験ツアーを募集

山口県下関市は、新しい捕獲隊員の確保を目的に「狩猟体験イベント」の参加者を募集している。銃猟(巻き狩り)体験ツアーは11月21日・22日と12月5日・6日の2回開催、各回5名を抽選で選び参加費は1万円。わな猟体験ツアーも別日程で予定されている。こうした自治体主催の体験イベントの全体像は、本サイトの自治体の狩猟体験イベント5選|フェスタ・オンラインを比較で紹介している(情報元:選挙ドットコム)。

猟師・黒田未来雄さん、北海道新聞のコラムで人とクマの関わり方を語る

本サイトでも経歴を紹介した猟師・黒田未来雄さんのインタビューが、北海道新聞デジタルのコラム「はなし抄」に掲載された。見出しは「人間の怖さ クマ同士で学ぶ環境を」というもので、三菱商事・NHKディレクターを経て北海道で猟師に転身した黒田さんの視点が改めて注目されている。転身の経緯については本サイトの三菱商事→NHK→猟師。黒田未来雄さんの転身とカナダ先住民の教えで整理している(情報元:北海道新聞デジタル)。

『ヤマケイ新書 増補改訂版 クマ問題を考える』が刊行

山と溪谷社から、狩猟文化研究所を主宰する民俗学者・田口洋美さんによる『ヤマケイ新書 増補改訂版 クマ問題を考える』が刊行された。2017年刊行の内容を増補改訂したもので、クマ問題を動物学・生態学だけでなく社会学の視点から読み解く内容になっているとPR TIMESが伝えている。クマ対応の現場では制度や捕獲技術の話題が中心になりがちだが、人間側の暮らし方・社会構造に目を向ける視点として注目したい一冊だ(情報元:PR TIMES)。

今週のニュースまとめ

カテゴリー トピック 地域 注目度
狩猟行政・法改正 広島県初の緊急銃猟、箱わなのクマを猟銃で駆除 広島県広島市 高
狩猟行政・法改正 特定猟具使用禁止区域(銃)233haを解除 埼玉県秩父市・横瀬町 中
狩猟行政・法改正 密猟事件でベトナム国籍の男を逮捕 愛知県春日井市 中
獣害対策 工場侵入クマに麻酔銃が効かず対応に苦慮 福島県福島市 高
獣害対策 体重149kgの巨大イノシシを箱わなで捕獲 兵庫県南あわじ市 高
獣害対策 柑橘被害が続きイノシシ・ヒヨドリ対策でハンター募集 愛媛県 中
ジビエ市場・新店 ジビエレザー「Impronte」が二つ折り財布を開発 静岡県伊東市 中
業界トレンド 新規捕獲隊員確保へ狩猟体験ツアーの参加者募集 山口県下関市 中
業界トレンド 黒田未来雄さんが人とクマの関わり方を語る 北海道 低
業界トレンド 『クマ問題を考える』増補改訂版が刊行 全国 低

まとめ

今週は、広島県での緊急銃猟と兵庫県南あわじ市の149kg巨大イノシシ、福島市の麻酔銃失敗事案など、クマ・イノシシの現場対応に関する報道が目立った。駆除現場では想定を超える個体や、麻酔銃が効かないケースへの対応の難しさが浮き彫りになっている一方、愛媛県や山口県下関市では新たな担い手を確保するための募集・体験イベントが進み、埼玉県では規制区域の指定解除という制度面の動きもあった。

ジビエ市場では、駆除個体の革を資源化するジビエレザーの取り組みが新商品の開発段階まで進んでいる。密猟事件の逮捕報道は、合法な狩猟とそうでない行為の境界線を改めて考えさせる内容だった。来週も、現場対応と担い手確保策の両面を追いかけていきたい。

参考記事


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