最終更新: 2026-10-08
ポンプ式(スライドアクション)散弾銃は、先台を手前に引いて前に戻す動作で排莢・装填を行う手動連発式の散弾銃です。1882年に発明された古い方式ですが、構造がシンプルで壊れにくく、価格も比較的安いことから、現在も上下二連・自動銃と並ぶ選択肢として国内の猟師に使われています。この記事では、ポンプ式の構造とメリット・デメリット、上下二連・自動銃との違い、狩猟での向き不向きを整理します。散弾銃3タイプの基本的な価格帯・装弾数の比較は「初心者向け散弾銃おすすめ5選|猟銃の選び方を徹底比較」の比較表でも紹介していますが、本記事ではポンプ式に絞って一段深く掘り下げます。
ポンプ式散弾銃の構造と操作の流れ

ポンプ式は、引き金を引いて発射したあと、銃身下の先台(フォアエンド)を手前にスライドさせて空の薬莢を排出し、再び前にスライドさせて次弾を薬室へ装填する方式です。チューブ状の弾倉に複数の弾を収納できるため、上下二連(2発)より多くの弾数を持てる点が特徴です。
| 項目 | ポンプ式の特徴 |
|---|---|
| 排莢・装填 | 先台を手前→前へスライドさせる手動操作 |
| 装弾数 | 3〜5発程度(チューブ弾倉) |
| 動力源 | 不要(ガスや反動を利用しない手動式) |
| 代表的な用途 | 大物猟(スラッグ弾での連続射撃)、鳥猟 |
Wikipediaの解説によれば、ポンプ式は発明当初から「構えを崩さない連続速射が可能になった」方式として評価されており、半自動式(自動銃)を手掛けるメーカーが並行して製造することが多いとされています。実際に、自動銃でも知られるレミントン社はポンプ式のM870シリーズも製造しています。
上下二連・自動銃との違い

散弾銃の動作方式は大きく3つに分かれます。それぞれの違いを整理すると次のようになります。
| 比較項目 | 上下二連 | 自動銃(セミオート) | ポンプ式 |
|---|---|---|---|
| 装弾数 | 2発 | 3発 | 3〜5発 |
| 排莢・装填方式 | 折って手動で2発セット | 発射の反動・ガス圧で自動排莢 | 先台を手動でスライド |
| 構造 | シンプル・故障が極めて少ない | やや複雑(ジャムの可能性あり) | シンプル・手動ゆえ確実 |
| 新品価格帯 | 15〜80万円 | 15〜40万円 | 5〜15万円 |
| クレー射撃 | 公式競技可 | 大会によってはトラップ不可 | 公式競技では使用不可のことが多い |
出典: 「初心者向け散弾銃おすすめ5選」記事の比較表(2026年時点の価格帯)。
ポンプ式最大の特徴は、上下二連より多い装弾数を、自動銃より安い価格帯と高い信頼性で実現している点です。一方で、排莢・装填を手動で行うため連射速度は自動銃に劣り、スライド操作中に銃口の向きがぶれやすいという弱点もあります。上下二連と自動銃の違いをより詳しく知りたい方は「上下二連散弾銃と自動銃の違い|狩猟での選び方を構造から解説」も参照してください。
ポンプ式散弾銃のメリット・デメリット

メリット
- 新品でも5〜15万円程度から購入できる価格帯で、初めての1丁として予算を抑えやすい
- ガスや反動を利用する機構がないため、寒冷地や悪天候でも動作が安定しやすい
- 手動で1発ずつ薬室に送るため、散弾とスラッグ弾を状況に応じて混ぜて使うことができる
- 構造がシンプルな分、故障・ジャムが少ない
デメリット
- 排莢・装填の都度先台をスライドさせる必要があり、自動銃より連射速度が遅い
- スライド操作のタイミングで銃口・照準がぶれやすく、動く獲物への連続射撃では自動銃に劣る場面がある
- クレー射撃の公式競技では使用できない大会が多く、射撃練習の選択肢が狭まる
狩猟での向き不向き・国内の代表モデル

ポンプ式は、価格を抑えつつ大物猟でも使える弾数(3〜5発)を確保したい人や、悪天候・寒冷地での使用頻度が高い人に向いています。国内の銃砲店の人気モデル紹介記事では、レミントン「M870マリンマグナム」(3インチマグナム対応、錆びにくいニッケルメッキ仕上げ、米国の警察や自衛隊でも採用)が、北海道の冬でも確実にスライド操作ができる銃として紹介されています。同様にモスバーグ「M500コンボ」は、ハーフライフル銃身と散弾用銃身の2本が付属し、エゾシカ猟・カモ猟・クレー射撃を1丁でまかないたい初心者向けのモデルとして紹介されています。
ハーフライフル銃身を使う場合の所持許可・技能講習の扱いについては「猟師が使える銃の種類|散弾銃・ライフル・空気銃を解説」で解説しているので、併せて確認してください。銃を選ぶ際は価格や装弾数だけでなく、実際に銃砲店で構えてフィッティングを確認することも重要です。装弾の号数選びについては「散弾銃の号数選び方|獲物・距離・季節別の早見表」で解説しています。
まとめ
ポンプ式散弾銃は、先台を手動でスライドさせて排莢・装填を行う方式で、上下二連より多い装弾数を、自動銃より安い価格帯と高い信頼性で実現できる点が特徴です。一方で連射速度や操作中の銃口のぶれには注意が必要で、クレー射撃の公式競技で使えない場合もあります。予算を抑えつつ悪天候でも安定して使える銃を探している人には有力な選択肢です。他の方式との違いや号数選びも合わせて確認し、自分の猟のスタイルに合った1丁を選んでください。
参考情報
- Wikipedia「散弾銃」(動作方式の歴史・構造について確認、2026年10月確認)
- シューティングサプライ「ポンプアクション式銃とは?構造・操作・ボルトアクションとの違いをわかりやすく解説」(2026年10月確認)
- シューティングサプライ「散弾銃、メーカーの人気ランキングを銃砲店が紹介」(レミントンM870マリンマグナム・モスバーグM500コンボの紹介箇所、2026年10月確認)
- 猟人編集部「初心者向け散弾銃おすすめ5選|猟銃の選び方を徹底比較」(散弾銃3タイプの比較表、既公開記事)


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