最終更新: 2026-10-03
散弾銃の弾(装弾)選びで最初につまずくのが「号数」だ。結論から言うと、号数は数字が大きくなるほど散弾の粒が小さくなり、鳥猟には3〜7.5号、イノシシ・シカ・クマなどの大物猟には号数で表すバードショットではなくスラッグ弾やバックショットを使うのが基本になる。この記事では、号数の仕組みから獲物別・季節別の選び方、クレー射撃との違いまで、装弾選びで迷わないための判断基準を整理する。
散弾銃の弾の種類|号数・バックショット・スラッグの違い

散弾銃の弾は大きく3種類に分かれる。まずこの分類を理解しておくと、号数だけで迷うことがなくなる。
| 弾の種類 | 構造 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| バードショット(号数) | 小さな粒が多数入った散弾 | カモ・キジ・ヤマドリなどの鳥猟、クレー射撃 | 数字が大きいほど粒が小さく、散布範囲が広がる。最も命中させやすい |
| バックショット | 大粒の散弾(号数より粗い) | シカなどの中型獣(巻き狩りでの使用例) | バードショットより威力が強いが、竹藪などでの跳弾リスクがあり、使用を控える猟師も増えている |
| スラッグ弾 | 粒ではなく単体の弾丸 | イノシシ・シカ・クマなどの大物猟 | ライフル弾に近い単発弾で、最大到達距離は約700mに達する。散弾ではないため命中させる難易度は上がる |
つまり「号数」はバードショットだけの話であり、大物猟で使うスラッグ弾・バックショットは号数の体系とは別物として扱われている。
号数の仕組み|数字が大きいほど粒が小さくなる理由

散弾銃を選ぶ際の「番(12番・20番など)」と、弾の「号数(2号・6号など)」は別の指標であり、ここを混同する初心者が多い。
| 指標 | 意味 | 数字が大きい場合 |
|---|---|---|
| 番(ゲージ) | 銃本体・薬莢の口径を表す | 数字が大きいほど口径は小さくなる(12番>20番) |
| 号数 | バードショット1粒の直径を表す | 数字が大きいほど粒は小さくなる(2号>6号>9号) |
号数が小さい(粒が大きい)ほど1発あたりの威力が増し、最大到達距離も伸びる。号数が1つ増えるごとに最大到達距離はおおむね10〜15m程度短くなるとされ、2号で約300m、6号で約250m前後が目安になる。威力と散布密度はトレードオフの関係にあり、大きい粒ほど命中時の威力は高いが、散布する粒数が減るため命中させる難易度は上がる。
獲物別|号数の選び方早見表

対象とする獲物の大きさに応じて、号数の目安は以下のように整理できる。
| 対象 | 号数の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| カモ類(マガモなど) | 3〜4号が基本、環境により5〜7.5号 | 小さすぎる弾は仕留めきれず半矢(手負い)にするリスクがある |
| カモより小型の鳥 | 4号より小さい号数 | 対象鳥の大きさに合わせて粒を小さくする |
| キジ・ヤマドリ | 6号前後 | クレー射撃のトラップ競技でも使われる号数に近い |
| カラス | 3号が選ばれることが多い | 警戒心が強く距離が開きやすいため、やや大きめの粒が好まれる |
| イノシシ・シカ・クマ | 号数ではなくスラッグ弾(巻き狩りの状況によってはバックショット) | 大物猟では号数体系のバードショットは使用しない |
号数選びの大原則は「対象が大きい・遠いほど粒を大きく(号数を小さく)、対象が小さい・近いほど粒を小さく(号数を大きく)する」という点に尽きる。弾を小さくしすぎると、致命傷を与えられず獲物を苦しめる「半矢」のリスクが高まるため、迷ったときは一段階大きい粒を選ぶ考え方が安全側に働く。
カモ猟における号数の使い分け|季節・距離別
カモ猟は号数選びが最も細かく分かれる猟の一つだ。猟期を通じて環境が変化するため、時期によって推奨される号数が変わる。
| 時期 | 号数の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 猟期はじめ(10月〜11月頃) | 4号〜7.5号 | 鴨がまだ警戒心が薄く、近距離での射撃機会が多い |
| 降雪前後 | 3〜4号 | 鴨の行動範囲が広がり、やや大きめの粒で対応する |
| 真冬(池が凍る時期) | 2〜3号 | ため池が凍結して鴨の目撃自体が減るため、限られた機会に威力重視の粒を選ぶ |
距離別では、近距離での射撃が中心になる場合は5〜6号を使う猟師も多く、距離が開くほど号数を小さく(粒を大きく)していくのが基本の考え方になる。猟期ごとの環境変化を踏まえて号数を調整する視点は、カモ猟そのものの基本とあわせて押さえておくと実践しやすい。カモ猟の具体的なやり方は「カモ猟のやり方・コツを徹底解説」で詳しく解説している。
クレー射撃で使う号数との違い
狩猟とクレー射撃では、同じバードショットでも使われる号数の傾向が異なる。
| 種目 | 号数の目安 |
|---|---|
| トラップ射撃 | 7.5号が主流 |
| スキート射撃 | 9号が主流 |
クレー射撃は動くクレー(的)を狙うため、狩猟よりも小さい粒で散布密度を高める傾向がある。狩猟用の装弾とクレー射撃用の装弾は号数の選び方の発想が異なる点を理解しておくと、射撃教習や練習の際に装弾を選びやすくなる。射撃教習の内容・費用については「射撃教習の内容と費用」を参考にしてほしい。
号数選びで注意すべきポイント
号数の基本を押さえたうえで、実際の装弾選びで注意したい点を整理する。
- 号数を小さくしすぎると、致命傷を与えられず獲物を苦しめる「半矢」のリスクが高まる。迷ったら一段階大きい粒を選ぶ
- バックショットは威力が強い分、竹藪など障害物の多い環境では跳弾事故のリスクがあり、使用を控える猟師も増えている
- スラッグ弾は最大到達距離が約700mと長く、周囲の安全確認をより慎重に行う必要がある
- 号数の最適解は猟場の環境(開けた水田か、藪の多い山林か)によっても変わるため、地元猟友会の先輩や銃砲店に自分の猟場の条件を伝えて相談するのが確実
散弾銃本体の選び方については「初心者向け散弾銃おすすめ5選」、上下二連銃と自動銃の違いについては「上下二連銃と自動銃の違い」で解説している。大物猟を予定している場合は、こちらもあわせて確認しておくと装弾選びの判断がしやすくなる。
よくある質問
Q1: 号数が分からないとき、とりあえず何号を選べばいいですか?
対象を決めずに一律で選ぶべき号数はない。カモなど一般的な鳥猟であれば3〜4号が基準になるが、対象の大きさ・距離・時期によって調整が必要になる。迷った場合は、地元の銃砲店や猟友会の先輩に猟場の条件を伝えて相談するのが確実だ。
Q2: イノシシ猟でバードショットの号数を使ってもいいですか?
推奨されない。イノシシやシカなどの大物猟では、号数で表すバードショットではなく、単体弾のスラッグ弾や大粒のバックショットを使うのが基本だ。バードショットでは致命傷を与えられず、獲物を苦しめるだけでなく危険な反撃を招くリスクがある。
Q3: 号数と「番(ゲージ)」は同じものですか?
別の指標だ。番(12番・20番など)は銃本体・薬莢の口径を表し、数字が大きいほど口径は小さくなる。号数(2号・6号など)は弾の粒の大きさを表し、数字が大きいほど粒は小さくなる。この2つを混同すると装弾選びで誤った判断をしやすいので注意したい。
まとめ:散弾銃の号数で迷ったら
- 号数は数字が大きいほど粒が小さくなり、「番(ゲージ)」とは別の指標
- カモなど一般的な鳥猟は3〜4号が基準。対象が小さいほど号数を大きく、大きい・遠いほど号数を小さくする
- カモ猟は猟期はじめ・降雪前後・真冬で号数の目安が変わる
- イノシシ・シカ・クマの大物猟は号数体系のバードショットではなく、スラッグ弾やバックショットを使う
- 迷ったときは一段階大きい粒を選ぶ方が、半矢のリスクを避けやすい
装弾選びとあわせて銃本体を検討している方は「初心者向け散弾銃おすすめ5選」も参考にしてほしい。
参考情報
- Mさんの四方山話「第一種猟銃(散弾銃)の号数と口径の覚え方」(https://m-san-yomoyama.hatenablog.com/entry/2016/12/28/003755)— 号数と最大到達距離の関係を確認(確認日: 2026-10-03)
- シューティングサプライ「鴨撃ちに有効な散弾の号数は3号〜7.5号!」(http://www.s-supply.net/contents/?p=8125)— カモ猟の季節・距離別の号数目安を確認(確認日: 2026-10-03)
- シューティングサプライ「散弾銃の弾の構造・仕組み・種類を銃砲店が解説」(https://s-supply.net/contents/?p=7238)— バードショット・バックショット・スラッグ弾の用途区分を確認(確認日: 2026-10-03)


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