最終更新: 2026-10-28
2026年10月27日、奈良県宇陀市でクマの親子2頭が「緊急銃猟」により駆除されました。市内では初めての緊急銃猟です。今回はイノシシ用の箱罠にクマがかかった状態での対応で、2026年7月に同じ奈良県の東吉野村で行われた事例(住宅の納屋で発見し麻酔銃で捕獲後、薬剤で殺処分)とは駆除の方法が異なります。何が違いを生んだのか、公表されている経緯から整理します。
宇陀市で何が起きたのか

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日 | 2026年10月27日 |
| 場所 | 奈良県宇陀市榛原内牧(国道369号沿い) |
| 通報 | 午前10時37分、住民から「イノシシ用のおりにクマの親子がかかっている」と通報 |
| クマの詳細 | 親(雌・全長110cm・体重36.5kg)、子(雌・全長62cm・体重6.5kg) |
| 対応 | 市が県と協議し、市長判断で緊急銃猟を実施。猟銃を計5発発砲 |
| 死亡確認 | 午後1時55分 |
出典: 伊賀タウン情報YOU「宇陀市で初の『緊急銃猟』 クマの親子2頭を駆除」(2026年10月27日掲載、2026年10月28日確認)
なぜ麻酔銃ではなく猟銃だったのか

市は、クマの親子が暴れて箱罠が壊れ、そのまま逃げ出す恐れがあると判断し、麻酔銃を使った捕獲ではなく、罠にかかった状態のまま猟銃で駆除する方法を選びました。緊急銃猟は市町村長の判断で実施できる制度ですが、どの手段を使うかは現場の状況(対象が拘束されているか、逃走・反撃のリスクがどの程度か)によって個別に判断されています。緊急銃猟そのものの制度設計(4つの要件や市町村長の権限)は緊急銃猟とは?4つの要件・市町村長の権限・施行1年で81件の実態と課題を解説で解説しています。
東吉野村の事例との違い

同じ奈良県内では、2026年7月11日に東吉野村でも緊急銃猟が実施されています。こちらは状況が異なりました。
| 項目 | 宇陀市(10月27日) | 東吉野村(7月11日) |
|---|---|---|
| 発見時の状況 | イノシシ用の箱罠にかかった状態 | 住宅の納屋の中(未拘束) |
| 駆除手段 | 猟銃を直接発砲(計5発) | 麻酔銃で捕獲後、薬剤で殺処分 |
| 対象 | 親子2頭(雌・雌) | 単独1頭(雄、推定10〜15歳) |
| 位置づけ | 宇陀市内で初の緊急銃猟 | 奈良県内で初の緊急銃猟(複数の報道で近畿地方初とも) |
出典: 奈良新聞デジタル「【速報】奈良県東吉野村でクマ1頭を駆除 県内初の緊急銃猟」(2026年7月11日掲載、2026年10月28日確認)
東吉野村の事例では、クマが納屋の中にいるだけでまだ動き回れる状態だったため、まず麻酔銃で動きを止めて捕獲し、その後に薬剤で処分する手順が取られました。一方、宇陀市の事例ではクマが既に箱罠の中で拘束されていましたが、暴れて罠が壊れる危険があったため、麻酔銃で改めて対応する時間的余裕よりも、罠の中にいる状態での即時の発砲駆除が選ばれたとみられます。どちらも「緊急銃猟」という同じ制度の範囲内ですが、対象の行動自由度によって現場の判断が変わることがうかがえます。
同じ宇陀市榛原地区で5日前にも別の捕獲があった

宇陀市榛原内牧周辺では、今回の事案の5日前にあたる10月22日にも、子グマ1頭がアライグマ用のおりにかかり、薬剤で処分される事案が起きていました。同地区では蜂の巣箱が壊される被害も確認されており、親子とみられるクマが周辺に出没を繰り返していた状況がうかがえます。
出典: 伊賀タウン情報YOU(前掲記事、2026年10月28日確認)
まとめ:宇陀市の事例から見えること
- 2026年10月27日、奈良県宇陀市で市内初の緊急銃猟が実施され、箱罠にかかったクマの親子2頭(雌・雌)が駆除された
- 市は「罠が壊れて逃げ出す恐れ」を理由に、麻酔銃ではなく猟銃での直接駆除を選択し、計5発を発砲した
- 2026年7月の東吉野村の事例(住宅の納屋で発見、麻酔銃で捕獲後に薬剤処分)とは、対象の拘束状況と駆除手段が異なる
- 同じ榛原地区では5日前の10月22日にも別個体がおりにかかり処分されており、被害が連続していた
地域全体のクマ出没の傾向はクマ出没2026年秋の予測|ドングリ豊凶で読み解く警戒エリア、捕獲後に放獣か殺処分かを分ける判断基準はクマは放獣か殺処分か?秦野市の再出没事例と判断基準で解説しています。
参考情報
- 宇陀市で初の「緊急銃猟」 クマの親子2頭を駆除|伊賀タウン情報YOU — 発生経緯・駆除方法・過去の出没状況について参照(2026年10月27日掲載、2026年10月28日確認)
- 【速報】奈良県東吉野村でクマ1頭を駆除 県内初の緊急銃猟|奈良新聞デジタル — 東吉野村の事例の経緯・駆除方法について参照(2026年7月11日掲載、2026年10月28日確認)

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