最終更新: 2026-09-13
9月第2週(2026年9月7日〜9月13日)は、クマをめぐる行政・現場双方の動きが目立った一週間だった。環境省がクマ対策の一環として狩猟税の免除検討に入ったほか、埼玉・兵庫では出没件数の増加を受けた緊急対応が相次いで報じられた。担い手不足の現場では岩手・矢巾町の研修会が続報を呼び、免許を取っても実猟に踏み出せない新人ハンターの実情が改めて浮き彫りになった。今週も注目ニュースをカテゴリー別にお届けする。
狩猟行政・法改正ニュース
環境省、クマ対策で狩猟税の免除を検討
琉球新報デジタルが報じたところによると、環境省はクマによる被害拡大を受け、狩猟税の免除を検討し始めた。狩猟税は都道府県が徴収する税で、狩猟者登録時に一定額が課される仕組みになっている。免除が実現すれば、新規参入や継続的な狩猟活動のハードルが下がり、担い手不足の緩和につながる可能性がある。ただし免除の対象範囲や実施時期など詳細はまだ固まっておらず、今後の制度設計の行方が注目される(情報元:琉球新報デジタル)。
滋賀県、狩猟免許更新講習・狩猟者登録の案内を公開
滋賀県が公式サイトで、狩猟免許の更新講習および狩猟者登録に関する案内を更新した。狩猟免許は3年ごとの更新が必要で、更新講習を受講しないと失効してしまう。毎年この時期は各都道府県で同様の案内が相次ぐタイミングであり、既存ハンターにとっては手続き漏れがないよう早めの確認が欠かせない(情報元:滋賀県公式サイト)。
獣害対策ニュース
岩手・矢巾町の担い手研修会、「猟友会未加入」「捕獲未経験」の実情が続報に
岩手県矢巾町が開いた「捕獲の担い手研修会」が、TBS NEWS DIGによって改めて取り上げられた。参加者は模擬銃やわなに実際に触れて狩猟の現場を体感したが、報道が焦点を当てたのは免許を取得しても猟友会に加入せず、実際の捕獲を一度も経験していない新人が少なくないという実情だ。免許取得と実猟デビューの間にある壁は全国共通の課題であり、本サイトでも狩猟の担い手不足を解決する8つの対策ガイドで詳しく解説している(情報元:TBS NEWS DIG)。
埼玉県、クマ出没過去最多172件で緊急銃猟のハンター育成を開始
埼玉県内のクマ出没件数が過去最多の172件に達したことを受け、県は個体数を31年度末までに452頭から448頭に抑える目標を掲げ、緊急銃猟に対応できるハンターの育成を開始した。県内の研修拠点や育成の具体的な内容については、本サイトの埼玉県のクマ緊急銃猟とハンター育成|出没172件で始まった長瀞射撃場研修で詳しくまとめている(情報元:Yahoo!ニュース)。
兵庫県、クマ目撃情報が過去5年平均を大幅超過し11月から銃狩猟解禁
兵庫県では過去5年平均を大幅に超えるクマの目撃情報が寄せられており、県は個体数管理のため11月から1か月間の銃狩猟解禁に踏み切る方針だ。背景にはドングリの凶作があり、冬眠前のクマが餌を求めて人里近くまで出没しやすくなると予想されている。関西テレビの報道によれば、県は6月に神戸市内で初めてクマの生息を確認しており、対策会議を開いて約3年ぶりの狩猟解禁と合わせた総合的な個体数管理策を検討している。解禁の詳しい経緯は兵庫クマ狩猟解禁2026の詳細はこちら、今秋の出没傾向はクマ出没2026年秋の予測|ドングリ豊凶で読み解く警戒エリアも参照してほしい(情報元:Yahoo!ニュース/関西テレビ)。
クマに襲われ頭蓋骨を負傷した男性「クマは悪くない」と証言
クマに襲われて頭蓋骨をかみ砕かれるという重傷を負いながら生還した男性が、それでも「クマは悪くない」と明言しているとInfoseekが伝えた。人身被害が相次ぐなかでも、クマを一方的な加害者として捉えるのではなく、生息域の重なりや餌不足という構造的な要因に目を向けるべきだという当事者の声は、今後の獣害対策を議論するうえでも重みを持つ(情報元:Infoseek)。
業界トレンド・イベント
犬ぞりで日本人初の北極点到達、大島育雄さんが死去
犬ぞりで日本人として初めて北極点に到達した冒険家・大島育雄さんが79歳で死去したと読売新聞が報じた。大島さんはグリーンランドの村に定住し、半世紀以上にわたって狩猟を中心とした生活を送ってきた人物として知られる。極地という特殊な環境の中で狩猟と共に生きた足跡は、狩猟文化の多様性を考えるうえでも示唆に富む(情報元:読売新聞)。
『ウェイ オブ ザ ハンター2』PS5パッケージ版が11月26日発売
猟犬を相棒に北米とアフリカの大自然でハンティングを楽しめるゲーム『ウェイ オブ ザ ハンター2』のPS5パッケージ版が、11月26日に発売されることがファミ通の報道で明らかになった。狩猟をテーマにしたゲーム作品は、実際の狩猟に触れたことのない層に業界の魅力を伝える入口としても機能しており、若年層への裾野拡大という観点で注目に値する(情報元:ファミ通)。
フランスの狩猟私有地で野生動物の「集団墓地」発見、大富豪が裁判に
フランスの狩猟用私有地で野生動物の「集団墓地」が発見され、組織的な殺害が疑われる事態にまで発展していると Yahoo!ニュースが報じた。土地を所有する大富豪が裁判にかけられる見通しで、欧州における狩猟倫理・野生動物保護の在り方を問う事例として波紋を広げている。日本国内の狩猟とは制度も文化的背景も異なるが、海外で狩猟倫理が厳しく問われている実情は、国内の議論にとっても参考になる(情報元:Yahoo!ニュース)。
今週のニュースまとめ
| カテゴリー | トピック | 地域 | 注目度 |
|---|---|---|---|
| 狩猟行政・法改正 | 環境省がクマ対策で狩猟税免除を検討 | 全国 | 高 |
| 狩猟行政・法改正 | 滋賀県が狩猟免許更新講習・登録案内を公開 | 滋賀県 | 中 |
| 獣害対策 | 矢巾町・担い手研修会「猟友会未加入」続報 | 岩手県 | 中 |
| 獣害対策 | 埼玉県クマ出没過去最多172件・ハンター育成開始 | 埼玉県 | 高 |
| 獣害対策 | 兵庫県クマ目撃急増・11月から銃狩猟解禁 | 兵庫県 | 高 |
| 獣害対策 | クマに襲われた男性「クマは悪くない」と証言 | 全国 | 中 |
| 業界トレンド | 犬ぞり北極点到達の大島育雄さん死去 | 海外 | 低 |
| 業界トレンド | 『ウェイ オブ ザ ハンター2』PS5版11月発売 | 全国 | 低 |
| 業界トレンド | フランス狩猟私有地で集団墓地発見・裁判へ | 海外 | 中 |
まとめ
今週は環境省の狩猟税免除検討という制度面の動きと、埼玉・兵庫という二つの県で相次いだクマ出没への緊急対応が並走した一週間だった。ドングリの凶作という自然要因が、冬眠前のクマの行動を予測不能にし、行政に前倒しの判断を迫っている構図が全国的に広がりつつある。一方で、矢巾町の続報が示すように、免許を取得しても実猟に踏み出せない新人ハンターの多さは変わらぬ課題として残り続けている。
制度(狩猟税免除の検討)と現場(緊急銃猟の担い手育成)の両輪が同時に動き出したことは、クマ問題が一過性の話題ではなく、構造的な政策課題として位置づけられ始めた証しとも言える。来週以降も、各地の解禁動向や担い手育成の進捗を追いかけていきたい。
参考記事
- 環境省、クマ対策で狩猟税免除を検討(琉球新報デジタル)
- 狩猟免許更新講習・狩猟者登録の案内(滋賀県公式サイト)
- 免許取得も「猟友会に入らない」「捕獲未経験」の実情(TBS NEWS DIG)
- クマ出没が過去最多172件…埼玉県ハンター育成開始(Yahoo!ニュース)
- 兵庫県、11月から1か月間銃狩猟解禁(Yahoo!ニュース)
- 兵庫県が対策会議、6月に神戸で生息確認(関西テレビ/Yahoo!ニュース)
- クマに頭蓋骨をかみ砕かれた男性「クマは悪くない」(Infoseek)
- 犬ぞりで日本人初の北極点到達、大島育雄さん死去(読売新聞)
- 『ウェイ オブ ザ ハンター2』PS5版11月26日発売(ファミ通)
- フランス狩猟私有地で野生動物の集団墓地発見(Yahoo!ニュース)

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