「狩猟に興味があるけど、免許の取り方がわからない」「費用はどれくらいかかるの?」「試験は難しい?」——そんな疑問を抱えていませんか。
狩猟免許は、都道府県知事が実施する試験に合格することで取得できます。試験自体の合格率は80〜90%と高めですが、事前の準備なしでは技能試験で不合格になるケースも少なくありません。
この記事では、狩猟免許の取り方を初心者向けに完全ガイドします。4種類の免許の違い、費用の総額、試験内容と対策、取得後に必要な手続きまで、これを読めば狩猟免許取得までの道のりがすべてわかります。
狩猟免許とは?4種類の免許の違いを解説
狩猟免許とは、野生鳥獣を捕獲するために必要な資格です。鳥獣保護管理法に基づき、都道府県知事が交付します。狩猟免許の取り方を理解するには、まず4種類の免許それぞれの特徴を知ることが重要です。
4種類の狩猟免許一覧
| 免許の種類 | 使用できる猟具 | 特徴 | おすすめの人 |
| 第一種銃猟免許 | 散弾銃・ライフル銃・空気銃 | 最も汎用性が高い。大型獣の捕獲に適する | 本格的に狩猟を始めたい人 |
| 第二種銃猟免許 | 空気銃のみ | 銃の取り扱いが比較的容易 | 小型の鳥類を対象にしたい人 |
| わな猟免許 | くくり罠・箱罠・囲い罠など | 銃を使わず、設置型で捕獲 | 有害鳥獣駆除に関わりたい人 |
| 網猟免許 | むそう網・はり網・つき網など | 主に鳥類の捕獲に使用 | 鳥類の捕獲を目的とする人 |
どの免許を取るべきか
初心者に最もおすすめなのはわな猟免許です。理由は以下の通りです。
- 銃の所持許可が不要なため、取得までの手続きが少ない
- 試験の難易度が比較的低い
- 有害鳥獣駆除の現場で需要が高い
- イノシシやシカなど大型獣も捕獲可能
一方、本格的に猟を行いたい方は第一種銃猟免許とわな猟免許の同時取得が効率的です。散弾銃とわな罠を併用することで、さまざまな状況に対応できます。
なお、第一種銃猟免許を取得しても、それだけでは銃を所持できません。別途、公安委員会から猟銃所持許可を得る必要があります。この手続きには数ヶ月かかるため、早めの行動が大切です。
狩猟免許の取り方|取得までの5ステップ
狩猟免許の取り方は、大きく分けて5つのステップで進みます。各ステップの内容と所要期間を詳しく見ていきましょう。
ステップ1:受験する免許の種類を決める
まずは、自分が何を狩猟したいのか、どんな猟法で行いたいのかを明確にします。前述の4種類から選びましょう。複数の免許を同時に受験することも可能です。
ステップ2:事前講習会に参加する(強く推奨)
各都道府県の猟友会が、狩猟免許試験の前に事前講習会(予備講習会)を開催しています。参加は任意ですが、参加なしでの合格は極めて困難です。
| 項目 | 内容 |
| 主催 | 各都道府県の猟友会 |
| 費用 | 5,000〜10,000円程度(猟友会により異なる) |
| 期間 | 1日(約6〜8時間) |
| 内容 | 法令の要点解説、鳥獣の見分け方、猟具の取り扱い実習 |
| 受講効果 | 合格率が大幅に向上(未受講者との差が顕著) |
事前講習会では、技能試験で使用する猟具に実際に触れることができます。特にわな猟の場合、くくり罠の設置手順を練習できるため、本番で慌てずに済みます。
ステップ3:必要書類を準備して申し込む
狩猟免許試験の申し込みには、以下の書類が必要です。
- **申請書**(所定の様式、都道府県のウェブサイトからダウンロード可能)
- **医師の診断書**(精神疾患・薬物中毒等に該当しないことの証明、費用は約3,000〜5,000円)
- **写真**(申請前6ヶ月以内に撮影、縦3cm×横2.4cm)
- **返信用封筒**(受験票送付用)
- **収入証紙**(受験手数料5,200円分)
試験は各都道府県で年に複数回実施されています。試験日程は都道府県の環境関連部署のウェブサイトで確認できます。申し込み期限は試験日の2〜3週間前が一般的ですので、早めに確認しましょう。
ステップ4:狩猟免許試験を受験する
試験は1日で行われ、午前に知識試験と適性試験、午後に技能試験という流れが一般的です。試験の詳細は次の章で解説します。
ステップ5:合格後の手続き
試験に合格すると、狩猟免許が交付されます。しかし、免許を取得しただけでは実際に狩猟はできません。狩猟を行うには、さらに以下の手続きが必要です。
- **狩猟者登録**:出猟する都道府県ごとに登録が必要(登録手数料1,800円+狩猟税)
- **ハンター保険への加入**:3,000万円以上の損害賠償能力の証明が必要
- **猟銃所持許可の取得**(銃猟の場合):公安委員会への申請が別途必要
狩猟者登録の際にかかる狩猟税は、免許の種類によって異なります。
| 免許の種類 | 狩猟税 | 減額適用時の税額 |
| 第一種銃猟 | 16,500円 | 11,000円 |
| 第二種銃猟 | 5,500円 | 5,500円 |
| わな猟 | 8,200円 | 5,500円 |
| 網猟 | 8,200円 | 5,500円 |
※減額適用は、県民税の所得割の納付を要しない方が対象
狩猟免許試験の内容と合格率・対策法
狩猟免許の取り方で最も気になるのが、試験の内容と難易度でしょう。試験は3つのパートに分かれています。
知識試験(筆記試験)
| 項目 | 内容 |
| 出題形式 | 三肢択一式(3つの選択肢から1つを選ぶ) |
| 出題数 | 30問(既に他の免許を持っている場合は10問) |
| 制限時間 | 90分(既存免許保有者は30分) |
| 合格基準 | 70%以上の正答率(21問以上正解) |
| 出題範囲 | 鳥獣保護管理法(13問)、猟具の知識(6問)、鳥獣の知識(9問)、その他(2問) |
知識試験の対策として、猟友会が発行する「狩猟読本」を繰り返し読み込むことが効果的です。過去問の傾向は毎年似ているため、事前講習会で配られる例題集を中心に勉強すれば十分に合格が狙えます。
適性試験
適性試験は、狩猟を安全に行える身体能力があるかを確認する検査です。
- **視力**:銃猟は両眼0.7以上かつ片眼0.3以上、わな猟・網猟は両眼0.5以上
- **聴力**:10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること
- **運動能力**:四肢の屈伸、挙手、手指の運動等が正常に行えること
眼鏡やコンタクトレンズの使用は認められています。通常の健康状態であれば問題なく通過できます。
技能試験
技能試験は最も難易度が高いパートです。持ち点100点からの減点方式で、減点が30点を超えると不合格になります。
銃猟免許の場合の試験内容:
1. 銃器の点検・分解・結合:安全な手順で銃の操作ができるか
2. 射撃姿勢:正しい構え方と照準の合わせ方
3. 団体行動時の銃器の取り扱い:他者への安全配慮
4. 距離の目測:300m、50m、30m、10mの距離を目測で判断
5. 鳥獣の判別:狩猟鳥獣と非狩猟鳥獣の見分け
わな猟免許の場合の試験内容:
1. 猟具の判別:使用可能な罠と禁止されている罠の識別
2. 猟具の架設:くくり罠や箱罠を制限時間内に正しく設置
3. 鳥獣の判別:狩猟鳥獣と非狩猟鳥獣の見分け
合格率と難易度
狩猟免許試験の合格率は全体で約80〜90%です。ただし、これは事前講習会を受講した人を含む数字です。事前講習会を受けずに受験した場合、特に技能試験での不合格率が高くなります。
免許の種類別に見ると、わな猟免許が最も合格率が高く、第一種銃猟免許は技能試験の難易度から若干合格率が下がる傾向にあります。
狩猟免許の取得にかかる費用の総額
狩猟免許の取り方を検討するうえで、費用は大きな判断材料です。取得から実猟開始までにかかる費用をまとめました。
わな猟免許の場合の初期費用
| 費用項目 | 金額 | 備考 |
| 事前講習会受講料 | 5,000〜10,000円 | 猟友会主催、任意だが強く推奨 |
| 医師の診断書 | 3,000〜5,000円 | 病院により異なる |
| 受験手数料(収入証紙) | 5,200円 | 1免許につき |
| 狩猟者登録手数料 | 1,800円 | 都道府県ごと |
| 狩猟税 | 8,200円 | わな猟の場合 |
| ハンター保険 | 5,000〜8,000円 | 年間保険料 |
| 猟友会費 | 5,000〜15,000円 | 地域により異なる |
| 罠・装備品 | 20,000〜50,000円 | くくり罠数基+装備一式 |
| **合計** | **約53,200〜107,200円** |
第一種銃猟免許の場合の初期費用
銃猟の場合は、狩猟免許に加えて猟銃所持許可の費用もかかります。
| 費用項目 | 金額 | 備考 |
| 狩猟免許関連費用 | 約20,000〜30,000円 | 講習会+診断書+受験料 |
| 猟銃等講習会受講料 | 6,900円 | 公安委員会主催 |
| 教習射撃費用 | 30,000〜40,000円 | 射撃場での実技教習 |
| 銃砲所持許可申請手数料 | 10,500円 | |
| 銃の購入費 | 100,000〜300,000円 | 中古散弾銃の場合 |
| ガンロッカー・装弾ロッカー | 30,000〜50,000円 | 法定の保管設備 |
| 狩猟者登録・保険等 | 30,000〜40,000円 | |
| **合計** | **約227,400〜477,400円** |
銃猟は初期費用が高額ですが、自治体によっては狩猟免許取得にかかる費用の補助金制度を設けている場合があります。お住まいの自治体に確認してみましょう。
狩猟免許取得後にやるべきこと
狩猟免許を取得した後も、実際に猟に出るまでにはいくつかの準備が必要です。
猟友会への加入
猟友会への加入は任意ですが、以下のメリットがあるため加入を強くおすすめします。
- ベテラン猟師から猟場や技術を学べる
- グループ猟(巻き狩り)に参加できる
- ハンター保険の団体加入で保険料が安くなる
- 有害鳥獣駆除の案件情報が得られる
装備の準備
実際に猟に出るには、猟具のほかにも揃えるべき装備があります。
- ハンターベスト(オレンジ色の目立つもの)
- トレッキングシューズまたは長靴
- ナイフ・止め刺し用具
- GPS端末またはスマートフォン(地図アプリ)
- 応急処置キット
ジビエの活用
狩猟で得た獲物は、適切に処理すれば美味しいジビエ料理として楽しめます。特に鹿肉は高タンパク・低脂質で栄養価が高く、近年注目が集まっています。鹿肉の調理に興味がある方は、初心者でもできる鹿肉レシピもあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1: 狩猟免許は何歳から取得できますか?
狩猟免許は、網猟・わな猟免許は18歳以上、第一種・第二種銃猟免許は20歳以上から受験できます。上限年齢はありません。近年は60代以上で新規取得する方も増えています。
Q2: 狩猟免許の有効期間はどのくらいですか?
狩猟免許の有効期間は3年間です。有効期間満了日は、取得日から3年後の9月14日です。更新する場合は、有効期間内に更新申請を行い、適性試験に合格する必要があります。更新を忘れると失効し、再度試験を受け直す必要があるため注意しましょう。
Q3: 狩猟免許試験はどこで受けられますか?
狩猟免許試験は、住所地の都道府県が実施します。試験会場は各都道府県によって異なりますが、県庁所在地や主要都市で開催されることが多いです。試験日程は年に複数回設定されており、都道府県の環境関連部署のウェブサイトで確認できます。
Q4: 複数の種類の狩猟免許を同時に取得できますか?
はい、複数の免許を同時に受験・取得することが可能です。例えば、わな猟免許と第一種銃猟免許を同時に申し込めます。同時受験の場合、受験手数料は1免許あたり5,200円で、2種類なら10,400円です。事前講習会も2種類分を受講する必要があります。
Q5: 狩猟免許試験に落ちたらどうなりますか?
不合格になった場合でも、次回以降の試験を再受験できます。再受験の回数に制限はありません。試験は各都道府県で年に複数回実施されているため、不合格になってもすぐに再チャレンジが可能です。再受験時にも受験手数料5,200円が必要です。
Q6: 女性でも狩猟免許を取得している人はいますか?
はい、近年は女性の狩猟免許取得者が増加しています。環境省の統計によると、狩猟免許を持つ女性は年々増えており、特にわな猟免許の取得者が多い傾向にあります。「狩りガール」という言葉も生まれ、女性向けの狩猟体験イベントも各地で開催されています。
Q7: 狩猟免許を取得したら、すぐに猟に出られますか?
いいえ、狩猟免許の取得後に**狩猟者登録**を行う必要があります。狩猟者登録は出猟する都道府県ごとに必要で、登録手数料1,800円と狩猟税(わな猟の場合8,200円)がかかります。また、銃猟の場合は別途猟銃所持許可の取得が必要です。
まとめ
狩猟免許の取り方について、重要なポイントを振り返りましょう。
- **4種類の免許**があり、初心者にはわな猟免許がおすすめ
- **費用の総額**は、わな猟で約5〜10万円、銃猟で約23〜48万円が目安
- **試験の合格率は80〜90%**だが、事前講習会への参加が合格の鍵
- 試験は**知識試験・適性試験・技能試験**の3つで構成される
- 免許取得後には**狩猟者登録**と**装備の準備**が必要
狩猟免許は、自然と向き合う第一歩です。近年は有害鳥獣対策の担い手不足もあり、新規ハンターを歓迎する自治体が増えています。補助金制度を設けている自治体もありますので、まずはお住まいの地域の猟友会や都道府県の窓口に問い合わせてみてください。
狩猟を始めることで、ジビエ料理や山の暮らしなど、新たな世界が広がります。獲物を美味しくいただくことも狩猟の大きな魅力です。鹿肉の調理法については鹿肉の簡単レシピまとめで詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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