最終更新: 2026-09-27
猟期は、本州など北海道以外の地域では11月15日から翌年2月15日まで、北海道では10月1日から翌年1月31日までが基本です(環境省・鳥獣保護管理法に基づく全国基準)。ただし、この期間は「原則」であり、シカ・イノシシなど鳥獣の種類や都道府県によって延長・短縮されるケースがあります。2026年度(令和8年度)も複数の県でイノシシ・ニホンジカの狩猟期間延長が実施されています。
この記事では、猟期の基本ルールを整理したうえで、鳥獣種別の違い、都道府県による延長事例、鳥獣保護区での制限まで、「猟期」という制度そのものを体系的に解説します。狩猟者登録の具体的な手続きについては「狩猟者登録の手続きガイド」で別途詳しく解説していますので、登録方法を知りたい方はそちらもあわせてご覧ください。
猟期とは?基本をわかりやすく解説

猟期とは、狩猟免許を持つ人が狩猟鳥獣を捕獲できる期間のことです。鳥獣保護管理法によって、鳥類の繁殖期や渡りの時期などを考慮したうえで、全国一律の基準が定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | 狩猟免許所持者が狩猟鳥獣を捕獲できる期間。都道府県知事が公示する |
| 根拠法 | 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法) |
| 全国基準(北海道以外) | 11月15日〜翌年2月15日 |
| 北海道 | 10月1日〜翌年1月31日 |
| 猟区内の基準 | 北海道以外は10月15日〜翌年3月15日、北海道は9月15日〜翌年2月末日まで延長可能(猟区制度の特例) |
| 公示主体 | 各都道府県知事(毎年度、対象地域・対象鳥獣ごとに公示) |
環境省の狩猟制度の概要によると、法律上の狩猟期間そのものは北海道以外で10月15日〜翌年4月15日、北海道で9月15日〜翌年4月15日まで幅広く設定できる仕組みになっていますが、鳥類の繁殖・渡りの時期への配慮から、実際に運用される猟期は先述の11月15日〜2月15日(北海道は10月1日〜1月31日)に短縮されています。この「原則の期間」と「延長・短縮の特例」の二段構造を理解しておくと、なぜ都道府県ごとに猟期が違うのかが見えてきます。
猟期は狩猟者登録の有効期間とも一致します。狩猟免許を取得したあとの具体的な登録手続きは「狩猟者登録の手続きガイド」を参照してください。まだ免許を持っていない方は「狩猟免許の取り方を徹底解説」から始めるとよいでしょう。
猟期の種類・分類|地域別・鳥獣種別で異なるルール
猟期は「全国一律」ではなく、地域と対象鳥獣によって細かく分かれています。
| 分類軸 | ルールの違い | 具体例 |
|---|---|---|
| 地域(北海道以外/北海道) | 北海道は本州より約1.5ヶ月早く開始し、早く終わる | 本州11/15〜2/15、北海道10/1〜1/31 |
| 鳥獣種別 | シカ・イノシシは個体数管理のため延長される都道府県が多い | 茨城県・福岡県など(詳細は次章) |
| 猟法(網・わな) | 網を使うカモ猟には猟期ごとの捕獲数上限が別途ある | カモ類は網の場合、猟期ごとに200羽までなど |
| 地区(鳥獣保護区・猟区) | 鳥獣保護区は狩猟そのものが禁止。猟区は逆に猟期が延長される特例区域 | 鳥獣保護区内は年間を通じて狩猟禁止 |
このように「猟期がいつまでか」は、住んでいる場所ではなく「出猟する都道府県」と「対象とする鳥獣」の組み合わせで決まります。次章では、特に検索されることが多いシカ・イノシシの延長事例を具体的に見ていきます。
都道府県別|シカ・イノシシの狩猟期間延長事例(2026年度時点)
シカ・イノシシによる農林業被害の深刻化を受け、多くの都道府県が「第二種特定鳥獣管理計画」等に基づき、両種に限って狩猟期間を延長しています。編集部で各都道府県の公式発表を確認したところ、2026年度(令和8年度)は以下のような延長が確認できました。
| 都道府県 | 対象鳥獣 | 通常の猟期 | 延長後の期間(令和8年度) | 延長の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 静岡県 | ニホンジカ・イノシシ | 11月15日〜2月15日 | 11月1日〜翌年3月15日 | 開始を約2週間早め、終了を約1ヶ月延長。銃猟・わな猟とも対象 |
| 広島県 | イノシシ・ニホンジカ | 11月15日〜2月15日 | 翌年2月末日まで | イノシシは県内全域、ニホンジカは廿日市市宮島町を除く区域が対象 |
| 茨城県 | イノシシ・ニホンジカ | 11月15日〜2月15日 | 11月15日〜翌年3月31日(3月16日〜31日はわな猟のみ) | 第13次鳥獣保護管理事業計画に基づき、令和9年3月31日までの措置 |
| 福岡県 | イノシシ・シカ | 11月15日〜2月15日 | 10月15日〜翌年4月15日 | 開始を1ヶ月早め、終了を2ヶ月延長。令和9年3月31日までの措置 |
このように、同じ「シカ・イノシシの延長」でも延長幅や対象区域は都道府県ごとに大きく異なります。延長の有無・期間は年度ごとに見直されるため、出猟予定の都道府県が公示する最新の狩猟期間を毎年度確認することが欠かせません。なお、有害鳥獣捕獲(許可捕獲)は猟期に関係なく年間を通じて実施される制度で、猟期の延長とは別の枠組みです。詳しくは「有害鳥獣駆除の報奨金制度」で解説しています。
鳥獣種別の注意点|水鳥(カモ類)の特別ルール
猟期の期間そのものに加えて、対象鳥獣ごとに捕獲数の上限が設けられている場合があります。代表例が水鳥(カモ類)です。
東京都環境局の公表資料によると、マガモ・カルガモなどのカモ類は「1人1日あたり合計5羽まで」という捕獲数制限が設けられています(網を使用する場合は、猟期ごとに200羽までという別基準になります)。これは猟期の「期間」ではなく「捕獲数」を制限する仕組みですが、猟期の長さと合わせて守るべきルールです。
野生の鴨肉を対象にした調理法は「鴨肉ジビエの調理法」で解説していますので、水鳥猟に関心がある方はあわせて確認してください。
鳥獣保護区での制限
猟期内であっても、狩猟が禁止される区域があります。それが鳥獣保護区です。
環境省によると、鳥獣保護区は「鳥獣の保護のため、狩猟が禁止される」区域として指定され、特別保護地区ではさらに動植物の採取など追加の行為制限が課されます。鳥獣保護区は都道府県または環境大臣が指定し、区域図は各都道府県の狩猟読本やハンターマップで確認できます。猟期の日程だけを確認して出猟すると、意図せず鳥獣保護区内で狩猟してしまう恐れがあるため、事前に対象エリアの地図を必ず確認しましょう。
猟期に関するデータで見る捕獲・流通の実態
猟期に捕獲された鳥獣は、ジビエとして食肉処理・流通されるケースが増えています。農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、ジビエ食肉処理施設への搬入重量は合計7,072トンで、シカが79.3%、イノシシが20.7%を占めています。猟期が延長される県が多いのは、こうした捕獲実績の裏側にあるシカ・イノシシによる農林業被害の深刻化が背景にあります。狩猟・ジビエ業界の統計は「狩猟・ジビエ業界の統計まとめ」で定期更新していますので、あわせてご確認ください。
よくある質問
Q1: 猟期はいつからいつまでですか?
本州など北海道以外の地域は11月15日から翌年2月15日まで、北海道は10月1日から翌年1月31日までが基本です。ただしシカ・イノシシは都道府県によって延長される例があり、実際の期間は出猟する都道府県の公示で確認する必要があります。
Q2: 猟期を過ぎてから狩猟をするとどうなりますか?
猟期外の狩猟は鳥獣保護管理法違反となり、罰則の対象になります。有害鳥獣捕獲(許可捕獲)は市町村長等の許可を得て猟期に関係なく実施できますが、これは狩猟とは別の制度です。無許可で猟期外に捕獲を行うことはできません。
Q3: 延長された猟期は毎年同じですか?
いいえ、延長の有無・期間・対象区域は都道府県の鳥獣保護管理事業計画の見直しに応じて年度ごとに変わることがあります。今回紹介した2026年度(令和8年度)の延長事例も、翌年度以降は条件が変わる可能性があるため、出猟前に必ず最新の公示を確認してください。
まとめ:猟期はいつまでか判断するポイント
- 全国基準は本州11月15日〜2月15日、北海道10月1日〜1月31日
- シカ・イノシシは個体数管理を目的に、都道府県が独自に延長するケースが多い(2026年度は静岡・広島・茨城・福岡などで延長を確認)
- 水鳥(カモ類)は期間だけでなく1日あたりの捕獲数制限(合計5羽まで等)にも注意が必要
- 鳥獣保護区は猟期内でも狩猟禁止。地図での事前確認が欠かせない
- 延長の有無は年度ごとに変わるため、出猟する都道府県の最新公示を毎年確認する
猟期のルールを踏まえて狩猟者登録を進める方は、「狩猟者登録の手続きガイド」で必要書類・費用・申請の流れを確認してみてください。また、猟期=旬ではないという点は「ジビエの旬はいつ?」で詳しく解説しています。
参考情報
- 環境省「狩猟制度の概要」(https://www.env.go.jp/nature/choju/hunt/hunt2.html)— 全国基準・北海道の猟期、鳥獣保護区の制限を確認(確認日: 2026-09-27)
- 東京都環境局「狩猟鳥獣の種類等について」(https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/nature/animals_plants/birds/hunting_kind)— カモ類の捕獲数制限を確認(確認日: 2026-09-27)
- 静岡県「令和8年度狩猟者登録」(https://www.pref.shizuoka.jp/kurashikankyo/shizenkankyo/wild/1017690.html)— ニホンジカ・イノシシの猟期延長(令和8年11月1日〜令和9年3月15日)を確認(確認日: 2026-09-27)
- 広島県「狩猟者登録と狩猟期間について」(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/huntinglicense/huntinglicense03.html)— 令和8年度の延長措置(〜令和9年2月末日)を確認(確認日: 2026-09-27)
- 茨城県「イノシシ・二ホンジカ猟の特例について」(https://www.pref.ibaraki.jp/seikatsukankyo/shizen/shizen/inoshishiryou.html)— 延長期間(11月15日〜翌年3月31日、令和9年3月31日まで)を確認(確認日: 2026-09-27)
- 福岡県「福岡県の狩猟期間についてのお知らせ」(https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/shuryoukikan.html)— 延長期間(10月15日〜翌年4月15日、令和9年3月31日まで)を確認(確認日: 2026-09-27)
- 農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)」(e-Stat 統計表ID: 0002119971)


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