最終更新: 2026-11-02
社員ハンターとは、企業が従業員の狩猟免許(主に第一種銃猟免許)取得を後押しし、地元猟友会に所属してクマなどの駆除活動に参加してもらう取り組みの通称です。法律上の正式な制度名ではなく、報道で使われている呼び方です。岐阜県ではクマの出没が相次ぐ一方で、銃猟免許を持つハンターの減少と高齢化が進んでおり、揖斐川町の総合建設業「久保田工務店」が自社の従業員をハンターとして育成する取り組みを進めていることが2026年11月1日に中日新聞Webで報じられました。
社員ハンターが必要とされる背景

岐阜県では、クマを駆除できる第一種銃猟免許の所持者数が1989年度の4,228人から2025年度には1,470人まで減少しています。約65%の減少です。さらに、狩猟免許所持者全体のうち60歳以上が占める割合も、1989年度の16%から2025年度には53%まで上昇しており、担い手の減少と高齢化が同時に進んでいます。
一方でクマの出没件数は高止まりしています。岐阜県内では2026年度の4〜9月の半年間で607件のクマ出没が確認され、2023年度・2024年度の同じ期間(660件・674件)に次ぐ高い水準となっています。
(情報元:中日新聞Web「相次ぐクマ出没、頼みの綱は『社員ハンター』 猟師減る岐阜県、免許取得を後押しの企業も」2026年11月1日)
猟友会任せでは担い手不足に対応しきれなくなっている地域で、「企業が自社の従業員を地域の駆除活動に送り出す」という発想が出てきている背景には、こうした数字の裏付けがあります。
久保田工務店の取り組み

岐阜県揖斐川町の総合建設業・久保田工務店は、2025年夏から従業員の狩猟免許取得を後押しする取り組みを始めました。免許を取得した従業員は、地元の猟友会に所属してクマなどの駆除活動に参加しています。
建設業は地域の土木・インフラ工事を通じて山林や中山間地域と接点が多く、従業員も地元在住者が中心であることから、本業と並行して地域の鳥獣対策を担う人材を社内で育てやすいという事情があります。
企業が免許取得を支援する他のパターンとの違い

企業による狩猟免許取得支援は、久保田工務店に限った話ではありません。本サイトで過去に紹介した猟師になるのは未経験からでも大丈夫?求人・育成制度の実態では、求人サイトに「狩猟免許取得を希望される場合はご相談ください(費用会社負担)」と記載する企業が複数あることを紹介しました。
このケースとの違いは、対象が「新規採用時点から狩猟業務を前提とした人材」ではなく「既存の従業員」であること、そして目的が「自社の事業」ではなく「地域の鳥獣対策への貢献」である点です。久保田工務店の場合、従業員は本業の建設業を続けながら、地元猟友会の一員として地域のクマ対策に参加する形になっています。
まとめ:社員ハンターのポイント
- 社員ハンターとは、企業が従業員の狩猟免許取得を後押しし、地元猟友会で駆除活動をしてもらう取り組みの通称(法律上の正式な制度名ではない)
- 岐阜県では第一種銃猟免許所持者が1989年度の4,228人から2025年度は1,470人へ約65%減少し、60歳以上の割合も16%から53%へ上昇
- クマ出没は2026年度4〜9月で607件と高止まりしており、担い手不足への対応が課題になっている
- 揖斐川町の久保田工務店は2025年夏から従業員の免許取得を後押しし、地元猟友会での活動につなげている
- 企業の狩猟免許取得支援は求人・育成制度の実態でも紹介している。免許取得そのものの流れは狩猟免許の取り方|初心者向け5ステップ・費用・合格率【2026年】を参照
参考情報
- 相次ぐクマ出没、頼みの綱は「社員ハンター」 猟師減る岐阜県、免許取得を後押しの企業も(中日新聞Web、2026年11月1日) — 久保田工務店の取り組み、第一種銃猟免許所持者数・高齢化率・クマ出没件数のデータについて参照(2026年11月2日確認)

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