最終更新: 2026-09-26
北海道で猟師になるには、道内に住所がある人は住所地を管轄する振興局・総合振興局で狩猟免許試験を受験し、合格後に同じく振興局で狩猟者登録をする流れになります。道外に住んでいる人は、一般社団法人北海道猟友会(電話011-747-2006)を経由して申請する仕組みです。狩猟免許取得の全国共通のステップは狩猟免許の取り方|初心者向け5ステップ・費用・合格率【2026年】ですでに解説していますが、本記事では北海道ならではの事情、具体的にはエゾシカの急増とヒグマとの軋轢を背景にした新規ハンター需要、申請窓口が「振興局」単位になっている点、狩猟税が道の条例で定められている点、市町村独自の取得支援制度に絞って整理します(2026年9月時点の情報です)。
北海道で今、猟師が求められる理由

北海道は全国の中でも新規の担い手確保が急がれている地域です。背景にあるのがエゾシカとヒグマをめぐる人との軋轢の拡大です。
| 項目 | 数値 | 時点・出典 |
|---|---|---|
| エゾシカ推定生息数 | 約72万頭(前年度65万頭から増加) | 令和4年度・北海道庁環境生活部 |
| エゾシカによる農林業被害額 | 48億4,600万円 | 令和4年度・同上 |
| エゾシカ関連の交通事故 | 4,480件(過去最多) | 令和4年・同上 |
| エゾシカ緊急対策期間 | 令和6年1月〜令和8年12月 | 北海道庁が個体数と被害の同時増加を受けて設定 |
| ヒグマ推定生息数(中央値) | 1万2,324頭(前年比663頭増) | 2024年末時点 |
| ヒグマの10年間捕獲目標(2025〜2034年度) | 1万3,730頭に上方修正 | 2026年3月・北海道庁 |
エゾシカは平成30年度以降、個体数と農業被害額がそろって増加に転じており、北海道庁は「エゾシカ緊急対策期間」を設定して捕獲の強化を進めています。ヒグマについても2024年末の推定生息数が前年から663頭増えたことを受け、道は2025〜2034年度の10年間捕獲目標を1万2,540頭から1万3,730頭へ上方修正しました。どちらも「捕獲の担い手を増やす必要がある」という道の姿勢につながっており、これが後述する市町村独自の新人ハンター支援制度が北海道内で広がっている背景です。
なお、これらは生息数・被害の全道的な傾向であり、実際に有害鳥獣捕獲の担い手として活動できるかどうかは市町村や猟友会支部ごとの募集状況によって異なります。最新の状況は住所地の市町村担当課や北海道猟友会の支部に確認してください。
北海道で狩猟免許を取得する全体像

| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 受験資格 | 網猟・わな猟は18歳以上、銃猟(第一種・第二種)は20歳以上。統合失調症・そううつ病・てんかん等の欠格事由に該当しないこと |
| 試験実施時期 | 前期(6〜8月)と後期(10月〜翌1月)の年2回、地域ごとに複数回実施 |
| 申請受付期間の例 | 令和8年度後期試験は9月10日〜9月24日(道内在住者) |
| 試験手数料 | 1種類につき5,200円、同時に2種類申請する場合は10,400円(北海道収入証紙で納付) |
| 申請・登録窓口 | 道内在住者は住所地の振興局・総合振興局/道外在住者は北海道猟友会経由 |
| 狩猟税(登録時に別途納付) | わな猟・網猟5,500〜8,200円、第二種銃猟5,500円、第一種銃猟11,000〜16,500円(所得割課税の有無で税額が変わる) |
北海道は他の都府県と異なり、市町村ではなく「振興局・総合振興局」が狩猟免許試験の申請窓口になっている点が特徴です。石狩振興局(札幌市を含む)とそれ以外の振興局とで申請フォームが分かれているため、まず自分の住所地がどの振興局の管轄かを確認しておく必要があります。
北海道で猟師になる手順【ステップ解説】
Step 1: 受験資格を確認し、免許の種類を選ぶ
北海道内に住所があり、網猟・わな猟なら18歳以上、銃猟(第一種・第二種)なら20歳以上であることが受験の前提です。統合失調症、そううつ病、てんかん等により狩猟を安全に行うことに支障を来すおそれがある場合や、麻薬中毒者、過去3年以内に鳥獣保護管理法等の違反で罰金以上の刑に処せられた者は受験できません。年齢条件の詳しい例外や未成年が取得する際の注意点は狩猟免許は何歳から?年齢条件を種類別に解説で個別に解説しています。初めて狩猟をする場合、費用と難易度の面ではわな猟が選ばれやすい傾向にありますが、広域を移動するエゾシカの捕獲やヒグマ対応も見据えるなら銃猟免許も検討の対象になります。
Step 2: 振興局に狩猟免許試験を申請する
北海道の狩猟免許試験は、電子申請または郵送のいずれかで申し込みます。前期試験(6〜8月実施)と後期試験(10月〜翌1月実施、地域ごとに複数回)に分かれており、たとえば令和8年度後期試験では9月10日〜9月24日が道内在住者の申請受付期間でした。申請は1人1回のみで、重複申請はできません。申請書類として住民票、医師の診断書、写真、受験料(北海道収入証紙)が必要です。試験日程・会場・申請様式は年度ごとに更新されるため、必ず北海道庁「狩猟免許試験のお知らせ」ページの最新情報を確認してください。
Step 3: 知識・適性・技能の3試験を受ける
試験は知識試験(法令・猟具・鳥獣に関する筆記)、適性試験(視力・聴力・運動能力)、技能試験(猟具の操作、鳥獣判別、距離の目測など。銃猟は知識・適性に合格した人のみ技能試験に進めます)の3種で構成されます。第一種銃猟免許の出題範囲や実技のポイントは第一種銃猟免許の試験内容を徹底解説|出題範囲・実技・合格率にまとめているので、事前対策の参考にしてください。
Step 4: 狩猟者登録をする
免許取得後、実際に北海道内で狩猟をするには別途「狩猟者登録」が必要です。道内在住者は住所地の振興局・総合振興局、道外在住者は北海道猟友会(電話011-747-2006)を経由して申請します。登録申請の受付開始は例年8月下旬〜9月上旬で、令和8年度は道外からの郵送申請が8月25日から始まりました。登録の際には狩猟者登録申請書のほか、鳥獣保護区等位置図の添付が必要です。登録手続きの必要書類や費用の全国共通の内訳は狩猟者登録の手続き|必要書類7点・費用1万円〜と受付期限で詳しく解説しています。北海道では現在、エゾシカ猟に使う鉛弾の使用・所持が禁止されている点にも注意してください。
Step 5: 狩猟税を納め、猟友会への加入を検討する
狩猟者登録の際には、住所地を管轄する振興局・総合振興局の納税(税務)課で狩猟税を現金で納めます(北海道収入証紙は使用できません)。北海道の狩猟税は免許の種類と所得割課税の有無によって税額が変わり、わな猟・網猟が5,500〜8,200円、第二種銃猟が5,500円、第一種銃猟が11,000〜16,500円です。実猟の同行指導や猟場情報を得るために、多くの新人猟師は地域の北海道猟友会支部にも加入します。入会窓口・会費は支部ごとに異なるため、活動したい地域の支部へ直接問い合わせる必要があります。
失敗しないためのコツ・注意点
| よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 申請期間を逃す | 前期・後期とも申請受付期間が2週間前後と短い | 北海道庁の狩猟免許試験ページをこまめに確認し、公告が出たらすぐ申請する |
| 振興局の管轄を間違える | 都府県の市町村窓口とは異なり、北海道は振興局単位で申請先が分かれる | 申請前に自分の住所地がどの振興局管内か北海道庁ページで確認する |
| 免許取得だけで狩猟できると思い込む | 免許=狩猟可ではなく、狩猟者登録と狩猟税納付が別途必要 | 免許取得直後に登録の要件と受付期間を確認する |
| 狩猟税を収入証紙で払おうとする | 試験手数料と狩猟税で納付方法が異なる(狩猟税は現金) | 狩猟者登録時は現金を用意し、振興局の税務課窓口で納付する |
| 鉛弾を使ってしまう | 北海道はエゾシカ猟における鉛弾の使用・所持が禁止されている | 使用する弾の材質を事前に確認し、非鉛弾を用意する |
費用・コストの目安
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 試験手数料 | 5,200円(同時2種申請は10,400円) | 全国共通、北海道収入証紙で納付 |
| 事前講習会 | 1万円前後 | 任意だが技能試験対策として推奨されることが多い |
| 医師の診断書 | 数千円程度 | 医療機関により異なる |
| 狩猟者登録手数料・関連書類 | 数千円程度 | 振興局への申請時に必要 |
| 狩猟税(登録時) | わな猟・網猟5,500〜8,200円/第二種銃猟5,500円/第一種銃猟11,000〜16,500円 | 所得割課税の有無で税額が変動。捕獲従事者は減免措置あり(2029年3月31日まで) |
| ハンター保険 | 数千円程度 | 損害賠償能力を証明する保険への加入が必要 |
| 猟友会入会費・年会費 | 支部により異なる | 実猟の指導・猟場情報を得るために加入する人が多い |
免許の種類別の全国共通の費用総額は狩猟免許の費用は合計いくら?わな猟7万〜銃猟39万円の全内訳で詳しく解説しています。北海道の場合はこれに加えて、狩猟税の税額が全国一律ではなく道の条例で定められている点、猟友会入会費が支部ごとに幅がある点を踏まえて予算を見積もってください。
北海道ならではの新人ハンター支援制度
エゾシカ・ヒグマ対策の担い手を増やす目的で、北海道内の複数の市町村が独自の狩猟免許取得支援制度を設けています。制度の有無・内容は市町村ごとに異なるため、代表的な2例を紹介します。
| 自治体 | 対象者 | 対象経費 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| せたな町 | 町内在住で新たに第一種狩猟免許を取得した人 | 試験予備講習受講料、試験申請手数料、銃所持許可の初心者講習・射撃教習関連費用、猟銃・ガンロッカー等購入費(上限25万円)など8項目 | 北海道猟友会檜山北部支部に所属し、町が委嘱する有害鳥獣捕獲員として活動できること。1人1回限り |
| 上士幌町 | 町内在住・町税を滞納しておらず、令和7年4月1日以降に新規で狩猟免許等を取得した人 | わな猟・第一種銃猟免許の取得費用、鉄砲所持許可取得費用、各種物品購入費 | 北海道猟友会上士幌支部に入会し、補助金交付後5年間は町の有害鳥獣駆除に従事すること(実施期間:令和7年4月1日〜令和10年3月31日) |
このほかにも森町・余市町・根室市など、道内の複数の自治体が同種の助成制度を実施しています。補助上限額や対象経費、有害鳥獣駆除への従事義務の有無は自治体によって異なり、多くは「北海道猟友会の該当支部への入会」を条件にしています。狩猟を始めたい市町村が決まっている場合は、その自治体の農林担当課に制度の有無を直接確認することをおすすめします。
よくある質問
Q1: 北海道外に住んでいても北海道で狩猟免許試験・狩猟者登録はできますか?
できます。狩猟免許試験・狩猟者登録とも、道外在住者は一般社団法人北海道猟友会(電話011-747-2006)を経由して申請する仕組みになっています。ただし道外在住者の狩猟者登録の申請受付開始は道内在住者より遅く、令和8年度は8月25日からとなっていました。年度ごとに受付期間が変わるため、事前に北海道庁または北海道猟友会に確認してください。
Q2: わな猟と銃猟、北海道で始めるならどちらがよいですか?
費用や難易度の面では、わな猟の方が銃猟より取得しやすいとされています(全国共通の傾向は[狩猟免許の取り方|初心者向け5ステップ・費用・合格率【2026年】](https://kariudo.jp/hunting/hunting-license-how-to-get/)を参照)。ただし広域を移動するエゾシカの捕獲や、ヒグマへの対応を含む有害鳥獣捕獲に関わりたい場合は、銃猟免許も視野に入れて検討する人が多いです。実際にどちらが自分の目的に合うかは、活動したい市町村や猟友会支部の実情によって異なるため、支部への相談も有効です。
まとめ:北海道で猟師になるための次の一歩
- 北海道は住所地により道内在住者は振興局、道外在住者は北海道猟友会経由で狩猟免許試験・狩猟者登録を申請します
- 背景には、エゾシカの生息数急増(令和4年度72万頭)とヒグマとの軋轢拡大(2024年末推定1万2,324頭)による捕獲の担い手不足があります
- 狩猟税は道の条例で定められており、免許の種類と所得割課税の有無で5,500〜16,500円の幅があります
- せたな町・上士幌町をはじめ、複数の市町村が新規取得者向けの補助制度を設けています
- 全国共通の免許取得ステップ・費用総額・試験対策は関連記事もあわせてご確認ください
まずは北海道庁「狩猟免許試験のお知らせ」ページで直近の申請受付期間を確認し、自分の住所地を管轄する振興局または活動したい市町村の農林担当課に問い合わせるところから始めてみましょう。地域ごとの申請窓口という点では、福岡で猟師になるには|狩猟免許の申請先ガイドも他地域の実例として参考になります。
参考情報
- 北海道庁「狩猟免許試験のお知らせ」(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/syuryo/syuryoumenkyo.html)— 確認日2026-09-26、受験資格・試験科目・令和8年度後期申請期間
- 北海道庁「狩猟者登録について」(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/syuryo/touroku.html)— 確認日2026-09-26、申請窓口・受付期間・必要書類・鉛弾禁止
- 北海道庁「エゾシカ緊急対策期間の設定について」(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/est/176134.html)— 確認日2026-09-26、令和4年度エゾシカ推定生息数・農林業被害額・交通事故件数
- 北海道新聞「ヒグマ捕獲目標、10年1万3730頭に上方修正 北海道」2026年3月30日(https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1294647/)— 確認日2026-09-26、2024年末ヒグマ推定生息数・捕獲目標
- 北海道庁「狩猟税」総務部財政局税務課(https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/zim/tax/syuryou01.html)— 確認日2026-09-26、狩猟税の税率・納付方法・減免措置
- 環境省「狩猟免許を取得する」(https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort8/hunter/license.html)— 確認日2026-09-26、試験手数料5,200円/10,400円
- せたな町「狩猟免許取得の助成について」(https://www.town.setana.lg.jp/post_271.html)— 確認日2026-09-26、町独自の取得支援制度
- 上士幌町「有害鳥獣捕獲等担い手育成事業」(https://www.kamishihoro.jp/page/00000458)— 確認日2026-09-26、町独自の取得支援制度


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