農林水産省が2024年に公表した令和5年度の調査によると、全国のジビエ販売額は54億円に達し、外食チャネルでの消費が全体の27.7%を占めている。都市部でのジビエ需要が拡大するなか、東京多摩地区の中核都市・立川でも、ジビエを本格的に楽しめるレストランが登場している。
立川の特徴は、JR中央線・青梅線・南武線と多摩モノレールが交差する交通の要衝でありながら、青梅線を使えば奥多摩の山岳地帯まで約60分でアクセスできるという地理的な二面性にある。都市の利便性と自然の近さが共存するこのエリアは、ジビエという「野の恵み」を語るうえで象徴的な場所といえる。
本記事では、立川エリアでジビエを楽しめる厳選店舗を、アクセス・メニュー・価格帯ごとに徹底解説する。「立川でちょっと変わった食体験をしたい」「多摩地区でジビエが食べられる店を探している」という人にとって、実用的なガイドとなるはずだ。
立川×ジビエ:多摩の都市と奥多摩の自然が交わる食文化

立川市は東京都多摩地区の中核都市として、2025年時点で人口186,099人を抱える(立川市統計資料)。旧陸軍航空隊の飛行場跡地を再開発した国営昭和記念公園(174ha)を擁し、ファーレ立川・IKEA立川などの大型商業施設も集積する。
しかし立川の顔はそれだけではない。JR青梅線の起点でもあり、奥多摩の山岳地帯へのアクセス拠点として機能している。青梅線で約60分進めば、東京都でありながら豊かな自然が広がる奥多摩駅に到着する。東京都環境局のデータによると、東京都内の山岳地帯にはツキノワグマが約160頭生息しており、奥多摩・多摩山岳地帯はその主要生息域だ。
この「都市と自然の結節点」という立川の地理的特性が、ジビエという食文化との相性を生んでいる。立川駅近辺のジビエレストランには、奥多摩方面や全国各地から産地直送された野生鳥獣肉が届いており、都市部でありながら「野生の食」を身近に感じられる環境が整っている。
多摩地区におけるジビエ活用の広がり
東京都内の多摩地区では、シカやイノシシによる農業被害・森林被害が問題となっており、自治体レベルでのジビエ活用推進が図られている。農林水産省の令和5年度調査では、全国のジビエ搬入量のうちシカ類が5,605トン(79.3%)、イノシシが1,467トン(20.7%)を占めており、首都圏周辺の山岳地帯でも積極的な捕獲・活用が進んでいる。
こうした背景のもと、立川のような多摩地区の中核都市では、地産地消の観点からジビエを扱う飲食店が自然発生的に生まれてきた。
立川のジビエレストラン厳選ガイド

洋風小料理屋 モリノナカ:全国直送ジビエとソムリエワインの隠れ家
立川でジビエを語るうえで最も注目すべき存在が「洋風小料理屋 モリノナカ」だ。立川駅から徒歩7分の隠れ家的ロケーションに位置し、全国の生産者から直送されるジビエを使ったフレンチ・イタリアンベースの創作料理を提供する。
店名の「モリノナカ」は文字通り「森の中」。都市の中に森(野生)の世界を持ち込むというコンセプトが、ジビエという食材と見事に一致している。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 東京都立川市錦町1-5-6 サンパークビル 106 |
| アクセス | JR立川駅・多摩モノレール立川南駅から徒歩約7分 |
| 電話 | 042-518-9855 |
| 営業時間 | 17:00〜24:00 |
| 定休日 | 日曜・不定休(要確認) |
| 特徴 | 全国産直ジビエ・フレンチイタリアン系創作料理・ソムリエ厳選200種類以上のワイン |
| 予約 | 推奨(一休.comレストランなどから予約可能) |
ソムリエが厳選した200種類以上のワイン・スピリッツが揃い、ジビエとワインのペアリングを楽しめる点が都内のジビエ居酒屋とは一線を画す強みだ。メニューはしょっちゅう変わる「おまかせ料理」スタイルで、旬の野生鳥獣肉とその時々の食材を組み合わせた創作料理が楽しめる。
季節ごとに仕入れる食材が変わるため、訪問するたびに異なる体験ができる。全国から直送されるジビエには産地情報が紐付いており、「どこの山の何という猟師が獲った肉か」という物語性を持つ食材が登場することもある。
一休.comレストランの「立川周辺のジビエ料理おすすめレストラン」でも上位に掲載されており、地元グルメファンの間での認知度も高い。
立川のその他のジビエ対応店舗
モリノナカ以外にも、立川エリアでジビエを扱う飲食店が存在する。ホットペッパーグルメの立川×ジビエ特集によると、カクテルが充実した洋食系バーやダイニング業態でジビエメニューを扱う店舗が複数確認できる。立川は飲食店の競争が激しい多摩地区随一の繁華街でもあるため、定期的に新店舗の開業が続いている状況だ。
最新の店舗情報は予約サイト(ホットペッパーグルメ・食べログ)の「立川 ジビエ」検索で随時確認することをおすすめする。
ジビエの種類と特徴:立川で食べられる野生の美味
立川のジビエレストランで扱われる食材は、ニホンジカ・エゾシカ・イノシシが中心だ。それぞれの特徴を知ることで、料理の選択や楽しみ方が広がる。
ニホンジカ・エゾシカ
農林水産省の調査では、全国のジビエ搬入量の79.3%がシカ類であり、国内ジビエのメインストリームとなっている。
| 種類 | 生息域 | 味の特徴 |
|---|---|---|
| エゾシカ | 北海道 | 体が大きく肉量が豊富。淡白でクセが少ない |
| ニホンジカ | 本州・四国・九州 | エゾシカより小型。旨みが凝縮。地域による個性あり |
シカ肉の栄養的特徴として、牛肉に比べて脂質が5分の1以下でありながら、鉄分は2〜3倍含まれている点が挙げられる。タンパク質も豊富で、運動をする人や鉄分補給を意識する人にも向いている。
イノシシ(猪)
イノシシ肉の特徴は、ほどよい脂質と濃い旨みだ。秋冬の肥えた個体は脂のりが良く、甘みのある脂質が料理に深みをもたらす。農林水産省が「うちの郷土料理」として認定する「ぼたん鍋」(兵庫県丹波篠山の伝統料理)に使われる食材としても有名だ。
全国のジビエ搬入量では1,467トン(20.7%)を占め、シカに次ぐ主要素材だ。フレンチ・イタリアン系の調理法では、テリーヌ・ソーセージ・ラグーソースなどに加工されることも多い。
ジビエと冷凍保存の実態
生のジビエが手に入る猟期は11月〜翌3月が中心だが、急速冷凍技術の進歩により通年での品質維持が可能になっている。モリノナカのような産地直送型の店では、急速冷凍した野生鳥獣肉を最適なタイミングで解凍し、生肉に近い品質で提供している。
奥多摩から見る東京のジビエ食文化圏
立川の大きな特徴の一つは、奥多摩方面への玄関口であるという点だ。JR青梅線を使えば、立川駅から奥多摩駅まで約60分(乗車時間)。東京都内でありながら、国内有数の山岳自然環境を持つ奥多摩地域と直結している。
東京都環境局によると、奥多摩を中心とする東京都の山岳地帯にはツキノワグマが約160頭生息している。また、シカ・イノシシによる農業・林業被害も増加傾向にあり、東京都は鳥獣被害対策の一環としてジビエ活用を推進している。
立川・青梅エリアの猟師や解体業者が獲得した野生鳥獣肉が、多摩地区の一部のレストランに供給されるルートも存在する。こうした「地産地消型ジビエ」の取り組みは、フードマイレージの削減や地域経済への貢献という観点からも注目されている。
多摩地区のジビエ食文化圏は立川を起点に広がっており、八王子方面にもジビエを扱う飲食店がある。
ジビエを安全に楽しむための知識
立川でジビエを初めて体験する人が安心して食べられるよう、衛生管理の基本知識を整理しておこう。
農林水産省の衛生管理ガイドライン
農林水産省は2014年に「野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドライン」を制定し、2019年に改訂した。このガイドラインに基づいて運営される処理施設から仕入れたジビエは、HACCP(危害分析重要管理点)に準拠した衛生管理のもとで処理されている。
全国ジビエフェア認定店や農林水産省の「ジビエト」(gibierto.jp)に掲載された店舗は、一定の衛生基準をクリアしていることが確認されている。
加熱の重要性
| 動物種 | リスク | 対応策 |
|---|---|---|
| シカ | E型肝炎ウイルス・腸管出血性大腸菌 | 中心温度75℃・1分以上の加熱 |
| イノシシ | E型肝炎ウイルス・腸管出血性大腸菌 | 中心温度75℃・1分以上の加熱 |
| クマ | 旋毛虫(Trichinella) | 中心温度63℃・30分以上の加熱 |
モリノナカのような正規のジビエレストランでは、このガイドラインに基づいた調理を徹底しているため、衛生リスクは最小化されている。
立川でジビエを食べるベストシーズンと価格帯
季節ごとのジビエ事情
| 季節 | 状況 | 立川で楽しめる体験 |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 冬猟期の冷凍在庫 | モリノナカの創作ジビエ料理 |
| 夏(6〜8月) | 冷凍品が中心 | ジビエのテリーヌ・前菜系 |
| 秋(9〜11月) | 猟期開始・旬入り | 新物シカ・イノシシのグリル |
| 冬(12〜2月) | 最盛期・脂のり最高 | ジビエの煮込み・ロースト |
立川のジビエ料理の価格相場
| 業態 | 価格帯(1人あたり) | スタイル |
|---|---|---|
| 洋風小料理屋 モリノナカ | 5,000〜12,000円 | おまかせ創作料理・ペアリング |
| カジュアルジビエ居酒屋 | 2,000〜5,000円 | 単品・飲み放題付きコース |
| 東京都心のジビエビストロ | 8,000〜20,000円 | コース料理中心 |
モリノナカは都心の高級ジビエビストロより価格帯が抑えられており、ソムリエ選定ワインとのペアリングを含めてもリーズナブルに楽しめる。
よくある質問(FAQ)
Q1. 立川でジビエが食べられるおすすめの店はどこですか?
A. 最もジビエに力を入れているのは「洋風小料理屋 モリノナカ」(東京都立川市錦町1-5-6 サンパークビル 106・TEL: 042-518-9855・立川駅徒歩7分)です。全国直送のジビエと200種類以上のワインを楽しめる、立川を代表するジビエレストランです。
Q2. 立川のジビエ店は予約が必要ですか?
A. モリノナカは隠れ家的な小規模店のため、事前予約を強くおすすめします。一休.comレストランやネット予約サービスから予約可能です。週末は特に込み合うため、早めの予約が安心です。
Q3. 立川のジビエレストランはどのような料理スタイルですか?
A. モリノナカはフレンチ・イタリアンをベースにした創作料理スタイルです。メニューが季節によって変わるため、訪問のたびに新しいジビエ体験ができます。
Q4. 立川でジビエが食べられるランチの店はありますか?
A. モリノナカはディナー専業(17:00〜)です。ランチ利用の場合は、ホットペッパーグルメで「立川 ジビエ ランチ」と検索し、最新情報を確認してください。複合業態の居酒屋やカジュアルダイニングがランチ対応している場合があります。
Q5. ジビエ料理が初めてですが、何から試すのがよいですか?
A. 初心者には鹿肉(シカ)のロースト・グリルがおすすめです。脂質が少なくクセが最も穏やかで、赤身の旨みをシンプルに楽しめます。モリノナカのような創作料理店では、前菜として少量ずつ複数の食材を試せるおまかせコースが初体験に向いています。
Q6. 立川から奥多摩方面のジビエスポットへはどう行けますか?
A. 立川駅からJR青梅線に乗り、青梅・奥多摩方面へ向かいます。奥多摩駅まで約60分(乗車時間)。奥多摩駅周辺には地元猟師が経営する施設や山の食材を扱う飲食店が点在しています。具体的な店舗情報は現地での情報収集を推奨します。
Q7. ジビエ通販で立川に届けてもらうことはできますか?
A. はい、全国のジビエ処理施設や専門業者が通販を行っています。農林水産省の「ジビエト」(gibierto.jp)では全国のジビエ販売店を検索できます。立川を含む東京都への配送対応業者も多数あります。
Q8. 立川近辺で多摩地区のジビエを楽しめる八王子の店情報は?
A. 八王子にもジビエを扱う飲食店があります。詳しくはジビエ 八王子ガイドをご参照ください。立川から中央線で2駅の距離です。
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まとめ:立川から始まる多摩のジビエ食文化
東京多摩地区の中核都市・立川は、都市の利便性と奥多摩の自然という二面性を持つ特異な街だ。その地理的特性が、ジビエという「野の恵み」を都市で楽しむ文化と高い親和性を生んでいる。
農林水産省のデータが示すとおり、全国のジビエ販売額は54億円(令和5年度)と成長を続けており、外食での消費も拡大している。立川に代表される多摩地区の都市でも、こうした流れを受けてジビエレストランの充実が進んでいる。
次の一歩として、モリノナカのおまかせ料理でジビエとワインのペアリングを体験してみてほしい。奥多摩の山岳地帯を背景に持つ立川で、野生の恵みを都市の洗練されたスタイルで楽しむ体験は、きっと普通の外食とは違う感動をもたらしてくれるはずだ。
参考情報
- 農林水産省「令和5年度 全国のジビエ利活用状況調査の結果について」(2024年)- ジビエ販売額54億円・シカ搬入量5,605t(79.3%)・イノシシ1,467t(20.7%)・外食チャネル27.7%
- 立川市「令和7年世帯と人口」(2025年1月1日現在)- 立川市人口186,099人
- 農林水産省「野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドライン(2019年改訂版)」
- 東京都環境局「東京都のツキノワグマについて」- 都内山岳地帯に約160頭生息
- 農林水産省「ジビエポータルサイト ジビエト」(gibierto.jp、2026年確認)

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