最終更新: 2026-05-29
Indeedで「猟師」と検索すると、2026年5月時点で75件以上の求人がヒットする。狩猟者の高齢化が進み、環境省の統計では狩猟免許所持者の約6割が60歳以上を占める現在、若手ハンターへの需要は年々高まっている。
「猟師として働きたいけれど、どんな求人があるのかわからない」「地域おこし協力隊以外にも選択肢はあるのか」――そんな疑問を持つ方は少なくないはずだ。
この記事では、猟師の求人を職種別に分類し、仕事内容・年収・応募条件・探し方まで網羅的に解説する。まず猟師の求人市場の全体像を整理し、次に職種ごとの詳細を比較、最後に効率的な求人の探し方をお伝えする。
猟師の求人市場の全体像|なぜ今、需要が伸びているのか
猟師の求人が増えている背景には、3つの構造的な要因がある。
1つ目は担い手不足だ。大日本猟友会の統計によると、狩猟免許の所持者数はピーク時の1975年に約52万人だったが、現在は約21万人まで減少している。実際に猟に出る実猟者はさらに少なく、10万人を下回るとされる。
2つ目は獣害被害の深刻化だ。鳥獣害対策の国家予算は年間約99億円規模で継続投下されており、シカの半減目標は2028年に延長された。自治体による捕獲事業は拡大の一途をたどっている。
3つ目はジビエ市場の成長だ。農林水産省の野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)によると、ジビエ食肉処理で得た金額は合計約54億円に達している(e-Stat 統計表ID: 0002119974)。販売金額のうち食肉だけで約44億円、ペットフードが約9億円と多角的な販路が広がっている。
| 項目 | データ |
|---|---|
| 狩猟免許所持者数 | 約21万人(ピーク時52万人から6割減) |
| 鳥獣害対策の国家予算 | 年間約99億円 |
| ジビエ食肉処理の総売上 | 約54億円(令和5年度) |
| 食肉販売金額 | 約44億円(全体の81.5%) |
| Indeed掲載の猟師求人数 | 75件以上(2026年5月時点) |
こうした数字が示すように、猟師は「仕事がない」のではなく「人が足りない」状態にある。問題は、求人情報が一般的な転職サイトに集まりにくいことだ。
詳しい業界データは狩猟・ジビエ業界の統計まとめで定期更新している。
猟師の求人を職種別に徹底比較
「猟師の求人」と一口に言っても、雇用形態や業務内容は大きく異なる。ここでは主要な5つの職種を比較する。
| 職種 | 年収の目安 | 雇用形態 | 狩猟免許 | 主な業務 |
|---|---|---|---|---|
| 地域おこし協力隊(鳥獣対策) | 約230万〜280万円 | 任期付(最大3年) | 入隊後取得可 | 有害鳥獣の捕獲・調査・啓発 |
| 認定鳥獣捕獲等事業者の社員 | 約300万〜400万円 | 正社員・契約社員 | 必須 | 法人として捕獲事業を受託 |
| 自治体の鳥獣被害対策実施隊員 | 日当7,000〜15,000円 | 非常勤・嘱託 | 必須 | 自治体の捕獲計画に基づく駆除 |
| ジビエ処理施設スタッフ | 約250万〜350万円 | 正社員・パート | 不要(あれば優遇) | 解体・精肉・品質管理・出荷 |
| 猟友会経由の報奨金ハンター | 出来高(年間30万〜200万円) | 個人事業主 | 必須 | 有害鳥獣の捕獲・報奨金の受領 |
地域おこし協力隊(鳥獣対策枠)
地域おこし協力隊は、総務省の制度を活用して地方自治体が募集するポジションだ。猟師としてのキャリアをゼロから始めたい人にとって、もっともハードルが低い選択肢といえる。
特徴は、狩猟免許を持っていなくても応募できる点だ。着任後に免許取得を支援してくれる自治体が多く、取得費用を自治体が負担するケースもある。月額報酬は約23万円前後で、活動費が別途支給される。任期は最長3年で、その間に猟のスキルを身につけて独立する流れが一般的だ。
三重県尾鷲市の例では、月額報酬233,000円に加えて活動経費が支給され、狩猟免許の取得支援も受けられる。大分県姫島村では、30〜50歳程度でわな猟免許または第一種銃猟免許の取得意欲がある方を対象にイノシシの捕獲業務を募集している。
注意すべき点として、任期終了後の進路は自分で切り拓く必要がある。3年間で地域に根づき、猟友会や捕獲事業者との人脈を築けるかが、その後のキャリアを左右する。
認定鳥獣捕獲等事業者の社員
2015年の鳥獣保護管理法改正で創設された認定鳥獣捕獲等事業者制度に基づく法人で働くポジションだ。都道府県知事が認定した法人が、国や自治体から捕獲事業を受託して実施する。
この職種の大きな魅力は、「サラリーマン猟師」として安定した雇用と収入を得られることだ。年収は300万〜400万円程度で、社会保険も完備されているケースが多い。代表的な企業としては、株式会社Foresters PROなどがある。
業務内容は捕獲だけではない。捕獲計画の立案、調査、行政との折衝、安全管理体制の構築など、マネジメント要素も含まれる。将来的に独立して自ら認定事業者になることを目指す人にとっても、実務経験を積むには最適な環境だ。
応募には狩猟免許が必須で、実猟経験があればさらに優遇される。銃猟・わな猟の両方の免許を持っていると選考で有利になる傾向がある。
自治体の鳥獣被害対策実施隊員
各市町村が設置する鳥獣被害対策実施隊の隊員として活動するポジションだ。農林水産省が定める制度に基づき、隊員には狩猟税の軽減やハンター保険の公費負担といった優遇措置がある。
雇用形態は非常勤や嘱託が中心で、日当制や出動手当制が多い。上越市の例では、捕獲の担い手を継続的に募集しており、狩猟免許取得への支援も行っている。
フルタイムの仕事というよりは、本業を持ちながら副業・兼業的に参加する形が一般的だ。猟師の副業として取り組む人が多い。
ジビエ処理施設スタッフ
猟に直接出るのではなく、捕獲された野生鳥獣を食肉として処理・加工する施設で働くポジションだ。農林水産省の調査によると、全国のジビエ食肉処理施設における搬入重量は計7,072トン(令和5年度)で、そのうちシカが79.3%、イノシシが20.7%を占める(e-Stat 統計表ID: 0002119971)。
狩猟免許は必須ではないため、「ジビエ業界に関わりたいが、猟そのものには抵抗がある」という人にとって入り口になりやすい。食品衛生管理の知識や食肉処理の技術が求められるが、未経験でも研修制度を設けている施設は多い。
販売先も多様化しており、外食産業(27.7%)、卸売業者(31.4%)、消費者への直接販売(13.1%、うちインターネット販売が7.7%)と幅広い(e-Stat 統計表ID: 0002119996)。処理施設の仕事は、こうしたサプライチェーン全体に関わる点でやりがいがある。
猟友会経由の報奨金ハンター
猟友会に所属し、自治体からの有害鳥獣捕獲依頼を受けて報奨金を得る、もっとも伝統的な猟師のスタイルだ。
報奨金の単価は自治体によって大きく異なる。国からの交付金はシカ・イノシシの成獣1頭あたり8,000円だが、都道府県や市町村が独自に上乗せするケースが一般的だ。地域によっては1頭あたり数万円になることもある。詳しい報奨金の仕組みは有害鳥獣駆除の報奨金の記事で解説している。
年間の収入は捕獲実績に完全に依存するため、30万〜200万円と幅が大きい。これだけで生計を立てるのは難しく、農業や林業など他の仕事と組み合わせるのが現実的だ。猟師の年収について詳しく知りたい方は猟師の年収リアル事情を参照してほしい。
猟師の求人が見つかる7つの探し方
猟師の求人は、一般的な転職サイトだけでは見つけにくい。以下の7つのチャネルを併用するのが効果的だ。
| 探し方 | 掲載数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| Indeed | 75件以上 | 最大手。「猟師」「鳥獣」で検索 |
| 求人ボックス | 50件以上 | 「狩猟免許」で検索すると関連求人が出る |
| ハローワーク | 随時 | 自治体・公的機関の求人に強い |
| SMOUT | 常時20件程度 | 地域おこし協力隊・移住系に特化 |
| JOIN(ニッポン移住・交流ナビ) | 随時 | 総務省系の協力隊募集が集約 |
| 各自治体の公式サイト | 不定期 | 鳥獣被害対策関連の直接募集 |
| 日本鳥獣捕獲協会 | 随時 | 認定捕獲事業者の求人が集まる |
求人サイトでの効果的な検索キーワード
「猟師」だけで検索すると求人数が限られる場合がある。以下のキーワードを組み合わせると、より多くの求人にたどり着ける。
- 「鳥獣被害対策」+地域名
- 「有害鳥獣」+「捕獲」
- 「ジビエ」+「処理」または「加工」
- 「地域おこし協力隊」+「狩猟」
- 「野生動物」+「管理」
求人が見つからないときの対処法
猟師の求人は、都市部ではほとんど見つからない。獣害が深刻な中山間地域に集中している。以下のアプローチも検討してほしい。
1. 興味のある地域の猟友会に直接問い合わせる
2. 都道府県の鳥獣保護管理課に相談する
3. 狩猟免許の予備講習会で人脈をつくる
4. 自治体の移住相談窓口を活用する(猟師の移住支援も参考に)
現場の声として、「求人サイトに出る前に猟友会内で声がかかって決まることが多い」という声は多い。制度上の求人だけでなく、地域コミュニティへの参加が最大の求人情報源になるケースは珍しくない。
未経験から猟師の求人に応募するためのステップ
猟師の求人に応募するには、最低限の準備が必要だ。以下のステップで進めると効率がよい。
Step 1: 狩猟免許を取得する
ほとんどの猟師の求人で、狩猟免許の所持が応募条件に含まれている。地域おこし協力隊は例外的に着任後の取得でも可だが、事前に持っていれば選考で有利になる。
狩猟免許は4種類あり、猟師の求人で特に求められるのは「わな猟免許」と「第一種銃猟免許」の2つだ。詳しい取得方法は狩猟免許の取り方の記事で解説している。
| 免許の種類 | 取得難易度 | 求人での需要 |
|---|---|---|
| わな猟免許 | 比較的やさしい | 高い(獣害対策の主力) |
| 第一種銃猟免許 | やや難しい | 高い(巻き狩り・銃猟で必須) |
| 第二種銃猟免許(空気銃) | 比較的やさしい | 中程度 |
| 網猟免許 | やさしい | 低い |
Step 2: 地域を決める
猟師の求人は地方に偏っている。どの地域で活動したいかを先に決めておくと、求人探しがスムーズになる。獣害被害が大きい地域ほど求人が多い傾向にある。
北海道、東北、中国地方、九州は求人が比較的多い。反対に、都市部や平野部ではほとんど見つからない。
Step 3: 応募・面接
猟師の求人では、「なぜ猟師になりたいのか」という動機が重視される。特に地域おこし協力隊の場合、地域への定住意欲を問われることが多い。
面接では以下のポイントが評価されやすい。
- 体力に自信があること
- 地域コミュニティに溶け込む意欲
- 早朝や悪天候でも活動できる柔軟性
- 動物の命を扱うことへの覚悟と倫理観
猟師という仕事の1日の流れを事前に把握しておくと、面接での受け答えに説得力が出る。猟師の1日スケジュールも確認しておくとよいだろう。
猟師の求人で知っておくべき注意点
猟師の求人に応募する前に、以下の点を必ず確認しておきたい。
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 任期の有無 | 地域おこし協力隊は最長3年。期間終了後の進路を計画しておく |
| 銃の所持許可 | 銃猟ポジションでは別途、公安委員会の許可が必要 |
| 報奨金の課税 | 有害鳥獣の報奨金は原則として雑所得として課税対象 |
| 住居の確保 | 地方移住を伴う場合、住居の提供有無を確認 |
| 車両・装備 | 自家用車が必須のケースが多い。装備の貸与有無も要確認 |
特に報奨金の税務処理は見落としがちだ。年間の報奨金が一定額を超える場合は確定申告が必要になる。事前に税務署や税理士に相談しておくことをおすすめする。
猟師の求人に関するよくある質問
Q1: 猟師の求人は未経験でも応募できますか?
地域おこし協力隊やジビエ処理施設のスタッフなら、未経験でも応募可能なポジションが多い。認定捕獲事業者の社員や実施隊員は、狩猟免許と実猟経験が求められるケースがほとんどだ。
Q2: 猟師の求人で多い年齢層は?
地域おこし協力隊の場合、おおむね20〜40代を想定した募集が多い。認定捕獲事業者には年齢制限がないケースもある。現在、猟師の平均年齢は60歳を超えているため、若い世代は歓迎される傾向にある。[猟師の高齢化問題](https://kariudo.jp/hunter-life/hunter-aging-problem/)も参照してほしい。
Q3: 猟師の求人は都市部にもありますか?
ほとんどない。猟師の求人は獣害被害が深刻な中山間地域に集中している。ただし、ジビエの加工・販売に関わる求人であれば、都市部にも存在する。
Q4: 女性でも猟師の求人に応募できますか?
もちろん応募できる。近年は女性ハンターが増加しており、自治体によっては女性枠を設けているケースもある。詳しくは[猟師の女性が増えている理由](https://kariudo.jp/hunter-life/female-hunter-increasing/)を読んでほしい。
Q5: 猟師の求人に応募してから実際に働くまでの期間は?
地域おこし協力隊の場合、応募から着任まで2〜3か月程度が一般的だ。狩猟免許の取得から含めると、半年以上かかるケースもある。猟期(11月15日〜翌年2月15日)に合わせて夏頃に募集が集中する傾向がある。
Q6: 猟師で食べていけますか?
猟師一本で生計を立てている人は少数派だ。認定捕獲事業者の正社員であれば年収300万〜400万円程度が見込めるが、報奨金ベースの場合は農業や林業との兼業が現実的だ。[猟師の年収リアル事情](https://kariudo.jp/hunter-life/hunter-real-income/)でさらに詳しく解説している。
Q7: 副業として猟師の求人に応募することはできますか?
自治体の実施隊員や報奨金ハンターであれば、副業として活動している人は多い。ただし、銃の管理や猟場までの移動など拘束時間が長くなりがちなので、本業との両立には工夫が必要だ。
まとめ:猟師の求人を探すなら、まず行動を
猟師の求人に関するポイントを整理する。
- 猟師の求人は「地域おこし協力隊」「認定捕獲事業者」「自治体実施隊」「ジビエ処理施設」「報奨金ハンター」の5職種に大別される
- 未経験者は地域おこし協力隊がもっとも始めやすい(免許取得支援あり、月額約23万円)
- 安定収入を求めるなら認定鳥獣捕獲等事業者の正社員を目指す(年収300万〜400万円)
- 求人サイトだけでなく、猟友会・自治体・SMOUT・JOINなど複数チャネルを併用する
- 求人情報は「鳥獣被害対策」「有害鳥獣 捕獲」などのキーワードでも検索する
- 狩猟免許の取得が最初のステップ。まずは[狩猟免許の取り方](https://kariudo.jp/hunting/hunting-license-how-to-get/)を確認しよう
猟師の求人市場は、担い手不足とジビエ需要の拡大を背景に、今後さらに拡大することが見込まれる。一次産業のキャリアに興味がある方は、同じく担い手を求めている漁業の資格一覧も参考になるだろう。
なお、狩猟・ジビエ業界の最新データは狩猟・ジビエ業界の統計まとめで定期更新しているので、業界研究にも活用してほしい。
参考情報
- 環境省「認定鳥獣捕獲等事業者制度」(https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/capture5.html)
- 農林水産省「野生鳥獣資源利用実態調査(令和5年度)」(e-Stat 統計表ID: 0002119974, 0002119971, 0002119996)
- 大日本猟友会「狩猟者数の推移」(http://j-hunters.com/info/suii.php)
- 農林水産省「鳥獣被害対策実施隊の設置等について」(https://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/)
- Indeed「猟師の求人」(https://jp.indeed.com/ 、2026年5月時点)
- SMOUT「猟師・ハンター・鳥獣被害求人まとめ」(https://smout.jp/features/132/plans)

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